万古堂 ver.2020.09.17
あ
い
う
え
お
か
き
く
け
こ
さ
し
す
せ
そ
た
ち
つ
て
と
な
に
ぬ
ね
の
は
ひ
ふ
へ
ほ
ま
み
む
め
も
や
ゆ
よ
☹
☺
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を
ん
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[NEW]?/?/?(記憶なし、Orz)/ごっちん/さんきゅう/くもじ(2020.9.17)
[前回]すきより/ひざのばし/ひざなおし/こりぞめ(2020/01/21)
▶参考文献
▶Home
あ
⇧
あいさむかえ
[
ea:samukea:
]向かい合った状態。「吉津」
あいだぐい
[
aidagui
]間食。おやつ。「覚書」
あいたくさ
[
aitakusa
]節分の鬼除けの飾りもの 竹の先にきびがら・松葉(あ痛ッ!)を差し塩辛(臭!)を塗り下に草鞋を吊るす 「風習」 ¶ヒイラギや鰯の頭というところもあり。「町誌」など。→おにのめつき
あいたてもない
[
ae:tatemonya:
]過分な(に)。¶「えぁーたてもにゃー」が正調。
あいな
[
aina
]あのような。/あいなきれいな人「丹昔」
あいのかぜ
[
ae:nokaze
]春夏の東北の風。鳥取県でもそお云うと。
あおおに
[
aooni
](機)検反機で不合格のものに押される青い長四角の判「子風」 →あかおに
あおさ
[
aosa
]青草か。水面・水中に浮かぶ緑色の草や藻を区別せずに呼ぶか。/(田植後に撒いたが)アオサがよーけあって除草剤が広がらん(霞さん)。 ¶辞書では緑藻類アオサ科の海藻の総称などと説明。
あおだら
[
aodara
](樹)一面に針のある木。「丹民」 ¶タラの木であろう、雌雄異株で刺は雄株に多いという。だが、なぜ「青」なのか?もしかして「カラスザンショウ」か?
あか
[
aka
]銅。戦後金属不足とて鉄・銅・真鍮など買い集める人がいた。あかは値良く買ってくれた。「金国」にあり標準語とすべきかも。ただし資源回収の目で見て「銅」を云う時に使う。
☛これは標準語じゃないでしょうか.赤銅色(あかがね色)とかATOKであかがねを変換すると銅ってでますし.金属を扱ってる仕事では銅っていうよりアカっていう方が多いような気もします.で,σ(^ ^;の仕事ではアカは船底に貯まる水のことで,これも垢汲みバケツが法令にも載ってるので標準語でしょうね.(白浪@舞鶴さん)
あかいか
[
akaika
](動)ソデイカ。 日本海沿岸(丹後も)では「樽イカ」とも その形状から「ロケット」、その色から「あかいか」とも
あかいわし
[
akaiwasi
]赤鰯。古くなった鰯は、目が赤くなる「伊昔」 ¶魚の鮮度は「目の色と鰓の色」だとWebでも
あかおに
[
akaoni
](機)検反機の検査で合格した製品に押される赤い丸や楕円の判「子風」 →あおおに
あかし
[
akasi
]薪・割り木。/一荷(いっかん)持って来たあかしでは鶏が買えなんだいうんだ「昔話」
あかち
[
akati
]赤血。鮮血を意味する言葉だと思えるが単に「血」の意味でも。かな? /赤血がいっぱいついとるですわな「丹昔」
あかてんき
[
akatenki
]明天気。よく晴れた日のこと。/こんなあか天気には家でじっとしとられん。(幸さん、延さん)。
あかどっくり
[
akadokkuri
](樹)ウスノキの実。「京食」 ¶ツツジ科スノキ属 液果は透けるように赤熟し食べられる「野山の樹木」
あかねじ
[
akaneji
](樹)ネジキの仲間と思われるがそれ以上は不明。調査続行。
あかねぶり
[
akaneburi
]蜂。特にオオスズメバチを云うか? 皆ひっくるめて蜂なのかも「奥波見通信2001-2002」(Web)
あかばな
[
akabana
](樹)ツツジ科の赤い花。→こせんじょ、こせんじょろ
あかべのちゃのこ
[
akabenotyanoko
]選択に迷いどれか一つと決めるときに唱える言い回し。「どれにしようか あかべのちゃのこ」とゆーた記憶ははっきりしている。「神様のゆー通り」は無しだった。
あかべべ
[
akabebe
]晴着。「町誌」
あかべー
[
akabe:
]あっかんべー。/大人や先輩たちにとっちめられて殊勝に振舞って放たれて「あかべーだ!」と言いながら逃げる。
あから
[
akara
](魚)カワムツ。川の’泳ぎ魚’の名前。腹が赤い。¶赤腹?
☛これは婚姻色の出たウグイとかオイカワのことでしょうか? 赤腹って標準語で呼ばれるのはイモリですね.舞鶴近辺では海の魚であるキジハタをアカラって呼ぶこともありますが,イネズ,ヨネズの方が一般的で,アカラとかアコウっていう呼び名は瀬戸内の方から伝わってきたのでは...(白浪@舞鶴 さん) ¶2008.9.7「里山のいきもの図鑑」ちゅう本に「カワムツB型」の写真を見て「これだ!」と オイカワは「ハヤ」のことだと知る
あからぶ
[
akarabu
](果実など)色付く。熟す。 /もうあからんどるで食えよーで。 /それで、(蕎麦は)75日で赤らぶ、いうことだ「民話」
あがりこぐち
[
agarikoguti
]階段の上り口。「京こ」
あがりたばこ
[
agaritabako
]もう間もなくお昼だという頃や、夕方終業前にしばし休むこと。「井上」 ¶「そろいたばこ」「しまいたばこ」もあります。
あがりはな
[
agarihana
]上がり口。’おえ’の「あがりはな」には踏み段あり。その上の敷居を「あがりかまち」という。
あかる
[
akaru
]雨・雪が止む。「あがる」が標準形。¶(止んで)空が明かるくなる。
あかん
[
akan
]駄目だ。「あかへん」とも。(変化)あっか/そんなんあっかいやー。/これでえかろーな あかんだか? /そんなことでは、あかみゃー あかんかなー? ¶名古屋も
あかんす
[
akansu
]〔久〕役立たず。「あれはアカンスだ」「井上」
あきあそび
[
akiasobi
]秋遊び。秋の収穫が終わった後 嫁が実家に遊びに行く事。農家の年中行事で収穫祝いの一。「伊昔」
あきいか
[
aki-ika
]アオリイカ。まいか。秋から冬が旬。生きているときは透明に近い。刺身・スルメに。特に正月用の「しおいか」は最高。甘くて柔らかい肉厚の身。いかの王者ともいえるこのいかを、伊根の人々は昔から祝いざかなとして塩いかに作ってきた。「ごまめがのうても、かずのこがのうても、塩いかだけはしとかなあかん。これがなかったら、正月がこんでなあ」「食風」
あきにわ
[
akiniwa
]秋庭。にわづき時の庭。
あきゃあもち
[
akya:mochi
]糯米でなく黍・蕎麦で作った赤い餅。味噌にゴマ・サンショウの葉を混ぜて喰う「覚書」
あくた
[
akuta
]籾以外のごみ。かなこぎ後、籾とアクタを振り分ける作業を「あくた取り」というと「百姓」
あげ
[
age
]高い所、上(かみ)。 「そりょう(それを)戻って、あげのお婆さんに話したん」「伊民」
あけのひ
[
akenohi
]翌日。「あくのひ」とも。「伊昔」
あご
[
ago
](魚)トビウオ。丸アゴ(トンボと言う)と角アゴの区別あるとか、詳細不明、Orz ¶ かなり経ってから、Wikipediaの「トビウオ」見たら説明があったけど(まあ、そーゆーこっちゃ)程度の理解で明快不可(2011.9.12)
あごたん
[
agotan
]顎。
あさのま
[
asanoma
]朝の間。夏休み中の朝勉強会 教育勅語の範読斉読を済ませてからドリル学習、大正初期に廃止「風習」
あさま
[
asama
]朝。朝の間。/あさまになったら雪が積もっとった。/あさまはーよから仕事に出なった。
あじか
[
ajika
]竹籠。「海辺」 →たまじか。¶なかつ、はつと(八斗)の種類あり
あしがいる
[
ashiga-iru
]舟が積荷で喫水線があがる。大漁をしめす。「海辺」
あじかにしょんべん
[
ajikanishonben
]あじかに小便=笊に水。→あじか
あしべた
[
asibeta
]足。足跡。/ほれみー、あしべたが残っとるわやー。
あしまくり
[
asimakuri
](虫)ハリガネムシ「長善」 ¶「はりがねむし」知ってますか?
あすぶ
[
asubu
]あそぶ。/外であすんでこいや。
あずみ
[
azumi
]阿妻。家のつま。オモテアズミは奥座敷のつま、シモアズミは、その反対で土間の側のつま。「井上」
あせぁー
[
asae:
]朝食。「海辺」 →あせゃあ。
あせびたし
[
asebitasi
]汗浸し。汗だく。汗まみれ。「水浸し」の汗版。
あぜまえ
[
azemae
]田の畦の塗ってある側。「まえぜ」とも。↔かんだ「野町」
あぜまめ
[
azemame
]畦豆。大豆のこと。/成相山の山法師(やまぼうず)が畑にようけ作っとった~をばんげの間に、とっちゃー食っておったげな。「丹民1」 ¶田の畦に鍬の角で三角の窪みを作ってそこに豆を蒔いたとおぼろげに記憶する。窪みは畦ぬりのあとまだ柔らかいうちにしたと思う。枝豆にして食った覚えは無いような(まだ子供だったし、ビールを飲むこともなかったで)
あぜもり
[
azemori
]毒蛇。[未完]
あせゃあ
[
aseae
]朝飯・朝食。あさいの転。「伊昔」
あた
[
ata
](接頭)悪い意味を持った形容詞・副詞などの上についてその程度の甚だしいさまを表す。いやらしい、憎むべきの意。「~不作法な」<浄・忠臣蔵> 以上「旺古」より。/あたきゃあの悪い、この猫はほんまのことに、かわらけの油を舐る、ほんまの化けもんみてゃあなもんだ思って「伊昔」 /あたあほうげな「伊民2」
あだ
[
ada
](形動ダ)徒・仮そめの。容易な。否定形で。/あだだにゃー=大変なことだ。
あたぎりゃー
[
atagirya:
]強く嫌う。→あた
あだぐち
[
adaguchi
]つまみ食い。
あだける
[
adakeru
](木・崖などから)落ちる。¶徒に地を蹴るの意か。/「今日は嘘つきどころか、隣の婆さんがたかからあだけて、ほして医者迎えだ」「宮昔」
あだなこと
[
adanakoto
]ぞうさもないこと。否定語を伴う。/あだなこったにゃー。
あだばえ
[
adabae
]意図して蒔いたわけでなく生えた草木。
あたぶがわるい
[
atabugawari:
]しゃくにさわる。=ふがわりー。
☛「分(ふ)が悪い」は丹後でも使うのですか?博多とかあっちの方の言葉だと思ってました.もっとも,かって舞鶴あたりの漁師さんは子供を九州方面に修行に出し,逆にあちらの漁師さんの子弟を預かって鍛えたりしていたので,海を通じてのつながりは盛んだったのかも知れません.(白浪@舞鶴さん)
あたまぐろ
[
atamaguro
](虫)マツケムシ「長善」 ¶マツカレハの幼虫
あたまはげ
[
atamahage
](樹)ナツハゼの実。「吉津」 →すいもん
あたりきしゃりきけつのあなぶりき
[
atarikisyariki..
]当たり前。「GJ」に「当たりき車力車引き」とある。これも古いが「当たり前田のクラッカー」。脚韻を踏んでいるらしいがなぜ尻の穴が「ブリキ」製なのか不明。
☛ケツの穴..ブリッの駄洒落かと愚考<(_ _) (白浪@舞鶴さん)
あち(ー)
[
achi(:)
]暑い、厚い、熱い。/暑ちてこばれん。「暑つてこばれん」も。/熱い物に触れたときに出るのは「あちッ!」。暑さでまいっている時に出る言葉は「あち~」。
あちゃら
[
achara
]葬式、法事の料理:蒟蒻・干瓢・ゼンマイ・油揚げ・人参をそれぞれ味付けして酢・砂糖・醤油で和える。「甲坂」
あったりしょーど
[
attarisho:do
]ありえない、ない。
あったりするかー
[
attarisuruka:
]有る筈がない。
あってゃーな
[
attya:na
]〔久〕とてつもない。/~な大きな音だった。「井上」
あつば
[
atuba
]厚歯下駄。
あっぷあっぷ
[
appu'appu
]釣り魚などが弱って水面に口を出してしきりに呼吸する様。水を替えてやらなそーで腹を見せて死んじまう。水中の酸素不足を訴える動作と思われる。ヨモギの葉を絞った汁を飲ませたこともあったなー。/バケツん中で~しとるし 水を替えちゃろーで。 ¶人にも。
あて
[
ate
]つまみ。肴。アルコール類を飲みながら口に入れる食べ物。安くあげるなら近所の店で練り物(竹輪・はんぺん等)を買ってくる 予算があれば刺身も出る。/なんぞあてがにゃーんか。
あてく
[
ateku
]いやがらせ、仕返し、八つ当たりなどもを含む言葉のようだ。「性悪をする」と最初に知らせてくれたのは(まっちゃん)だった。'~する’。その後 嫁さんに小言を言われ'ふが悪て'台所で茶碗を'めぐ'時がそーだと(延さん)。これは嫁姑の諍いが言葉の起こりだと(延さん)。但馬では「あたく」と云うと(倉里)。 ¶ 「詞の端に当て言(ごと)いふが」と「萬金」にあり。 「当句」と当てるがえかろうか?「あたく」には仇句、徒句か。
あと
[
ato
]先日、その節。=さき。/あとにはお世話になりまして… ¶あともさきも過去のこと?今を生きている人の言葉だと思う。
あとかけ
[
atokake
]草履のかかとにつける紐。「海辺」
あとさし
[
atosasi
]互い違い。/一枚の布団にあとさしして寝る。
あとすだる
[
atosudaru
]後をつける。/ずーっとあとすだって、見え隠れについていったそうな「京昔」
あとすんだり
[
atosundari
]あとずさり。/おばさんはァ思わずゥごそごそとォあとすんだりしただって「丹民4」
あとたて
[
atotate
]跡継ぎ。「我峰」
あとどり
[
atodori
]後妻。「京昔」
あとより
[
atoyori
]あとずさり。「民話」
あなぎゃー
[
anagya:
]穴の開いた’かなぎゃー’。汁の具だけを掬うもの。鍋物にはあらまほしき一品。
あなぐろうち
[
anagurouchi
]磯で岩の穴を探し釣り糸を入れて魚を釣る。「海辺」
あなづる
[
anaduru
]侮る。¶これ通泰さんから聞いた。
あなぼこ
[
anaboko
]穴。¶'ぼこっ'と開いた穴?/また、障子に穴ぼこ開けてー!部屋でほたえたらあかんゆーとろーが、ほんまに。
あなみまい
[
anamimya:
]穴見舞。昼前に墓穴堀り役の人たちに酒・肴・昼食・煙草などを届けること。「町誌」より。
あぬく
[
anuku
]仰向く・見上げる。「伊昔」 ¶あおのく・あおのけが「金国」にあり。「あおぬけに寝て」の表現あり「京集」。¶名古屋では「あーぬく」
あぬけだま
[
anukedama
]仰向きの状態。「打つ」が続く。(延さん) ¶「あおけばさうって寝とった」というのもあり(「丹民」p269)。
あのもんだ
[
anomonda
]意味はあの物・者だが「えーとあのー」と言葉を捜している時に。/えーほれあのもんだーや なんちゅうたかでてこんが…
あば
[
aba
](漁網の)浮子。「食風」桐・漆などを使ったと「覚書」 ¶’あば’とは「網端」と電網海にて(「木のメモ帳」)
あばあば
[
aba'aba
](副・自サ)あたふたする様子。(まっちゃん) ¶「ば」の音が効いて「あたふた」以上の慌てぶりが伝わるちゅーか最上級
あばたえる
[
abataeru
]〔久〕あばれる。
あぶたかく
[
abutakaku
]あぐらをかく。男座りする。¶「ろくにする」という表現もある。
あぶらどじょう
[
aburadojou
]川底魚。どじょう(泥鰌)。「たかどじょう」と区別していう言葉。
あほがたりゃーで
[
ahogatarya:de
]阿呆が足らずに。馬鹿な事を仕出かし(てさらに馬鹿を重ね)た時などに使われる。他人のことにも言うが、主に自分を顧みて言うことが多い
あほくしゃー
[
ahokusya:
]ばかばかしい。あほくさい。
あほたれ
[
ahotare
]あほ。「ばかたれ」とも。/あほたれゆーとれ。/あのあほたれが。
あほたれげもにゃー
[
ahotaregemonya:
]ばかばかしい。/あほたれげもにゃーことゆーとるな。
あましでに
[
amasideni
]ふいに、油断のすきに。/あましでにぶつかった。だましでにとも。
あますいばな
[
amasuibana
](植)ウツボグサ。「あんこの森」
あまだ
[
amada
]あまだな。天棚。火棚。/あのもんだ、あまだから、ゆるりの中だすけえ、栗がぽとんと落ちやったんですわ「宮昔」¶囲炉裏の上に天井から吊るした棚。
あまつち
[
amatuti
]表土。¶天土。
あまめ
[
amame
]1)船虫。 2)直接強い火にあたった時などに皮膚に現れる赤白のまだら模様。「海辺」
あまわかめ
[
amawakame
]甘ワカメ 3月頃の柔らかい早刈りワカメ。「京食」
あめ
[
ame
](虫)アメンボ 長岡の方言「長善」 →みそ
あめよろこび
[
ameyorokobi
]待望の雨が降って村中で喜ぶための休日。「京丹後民俗」
あもの
[
amono
](動物)フナムシ「命限」
あやかしい
[
ayakasii
](形容詞)いいかげんな・怪しい・疑わしい。「伊昔」
あやくやあやくや
[
ayakuyaayakuya
]五里霧中。行ったり来たり。あっち行ったりこっち行ったり。うろうろうろうろ。/なんだかったに暗て暗てわかりゃあで、~しとっただげな。「丹昔」
あゃーど
[
ea:do
]合戸。奥座敷と口座敷の間の板戸。「井上」「長善」
あらこ
[
arako
]荒目の籠。魚の行商に天秤棒で担ぐ「丹民4」
あらて
[
arate
]→'もやあ'漁網の張り縄「覚書」
あらへん
[
arahen
]無い。有りはしない。¶「ある」+「へん」。/そんなことあらへん。/さっきまであったのに、今見たらあらへんだーな。
ありご
[
arigo
]蟻。ありんこ。
ありゃーせん
[
arya:sen
]有りはしない。/そんなこたーありゃーせん。
あるかす
[
arukasu
]魚を生かしておくために生簀・網袋などに泳がせておくことを「魚を歩かす」と云う。「海辺」
あるかせぶくろ
[
arukasebukuro
]魚を’歩かす’直径1~2mの網袋。(「海辺」)。
あれへん
[
arehen
]アラヘン。/ほんまに、あれへんなー。/あれへみゃーがな。
あわさい
[
awasya:
]間、隙間。
あわす
[
awasu
]醗酵させる。(辰ちゃんらー)
あわたえもん
[
awataemon
]あわてもの。/あわたえさぎゃあて…、などの表現あり「宮昔」
あわる
[
awaru
]ゆだ(茹)る。
あんき
[
anki
]安楽・気楽。/へて、お爺さんお婆さんは、安気に暮りぁたいう、そういうお話です「伊昔」。
あんけつ
[
anketsu
]〔久〕あほう。 ¶「あんけつとは あほうのこと」と「大阪詞大全」に。また「風呂」では「闇穴」と当てて まぬけ、人を罵る語と解説あり /サア片端から出しやばれヱ闇穴めエ
あんこ
[
anko
]山椒魚の一種。山中の水場に生息。丸焼きにして食った。白身で香ばしい。寝小便に効目ありと言われた。府の天然記念物の「アベ」とは違い「ヒダ」系と「我峰」。
あんごた
[
angota
]顎。「た」は接尾語。「伊昔」¶大阪では「あごたん」というと「草子」。
あんごたたく
[
angotataku
]無駄口をたたく。「おんな」
あんじょう
[
anjo:
]よくよく、しっかり、ちゃんと。/あんじょう聞いとくだで。フランク長井の歌「あんじょう行こか 大阪野郎」を思い出しちゃった。
あんちょ
[
anntyo
]行燈。「民話」
あんどろ
[
andoro
]餡泥。(粉餡)のような細かい泥。 ¶09.4.29稲田の水路の共同作業に出て初耳した。その日延さんに問い確認「粒餡だにゃーど」と
あんなん
[
an'nan
]あんなもの。「こそあど」。/あんなんいらん。
あんに
[
an'ni
]あんなに。「こそあど」。/あんに早ーことよー走らんわ。
あんのたま
[
an'notama
](副詞)案の定。「伊昔」
あんばい
[
anbai
](副)すっかり、よんのー。/まあ、あんばい嘘つかれたいうこった「宮昔」/そいたら、あんばい死んだ「丹昔」
あんばいげに
[
anbya:geni
]あんばいよく。/ちゃんとあんばやげにせにゃあかんだ。「京昔」
あんばよう
[
anbayo:
]塩梅よく。うまい具合に。ちゃんと。しっかり。/あんばようええ天気になりました。/あんばよう前を見て走らんとあぶにゃーで。/夜の按配(あんば)良う明けるのを待っとって「伊昔」。¶単に「ええあんびゃー」と云うのは天気の事 「ええあんびゃーで(すなー)。」と出会って挨拶する 夕刻は「ええあんびゃーでした。」と云う。
あんばり
[
anbari
]網針。網すき(修理)の道具。「海辺」
あんばりばこ
[
anbaribako
]魚網修理の各種網針やへらを収納する箱。「海辺」
あんまり
[
anmari
]それほど。/その事はあんまり気にしとらへん。/あんまりよーけにゃーけど遠慮せんとよばれてーよ。
あんまり
[
anmari
]余り(に)。/あんまり遅いで心配しとっただでー。
い
⇧
いいごと
[
i:goto
]小言、苦言。/よっしゃー わしがいいごとしちゃる。
いえる
[
ieru
]植える。/持っていんで、(植)いえて実(な)らせんなんがと思って「伊昔」
いが
[
iga
]栗や雲丹のトゲ。雲丹をいう所もある。
いかけ
[
ikake
]細かい目の金網製の丸籠。「海辺」
いかさい
[
ikasai
]とても。すげー。/その人がいかさい美して「丹昔」
いかさま
[
ikasama
](否定的な語とともに)とても。いかにも。/いかさま性悪もんだあ。
いかし
[
ikasi
]実らない籾屑。
いかな
[
ikana
]如何に。=なんぼ。例え...でも。/いかな先生でも知っとらなんだ。(まっちゃん)
いかなこと
[
ikanakoto
]「あれこれやって見たが如何なことしても」という意味を込めて否定語が続く。 ¶「風呂」に「いかなこっても」の例あり
いかなこと
[
ikanakoto
]こはいかに。/(つづらを)あけてみたら、いっかなこと、くそ蛙やら、蛇やらが出てきて「京昔」
いかなこと
[
ikanakoto
]どーしても /3人がかりで押して見たが、いかなこと、びくともせなんだ
いがむ
[
igamu
]ゆがむ。真っすぐでない。/まんだちょっといがんどるなー。(他)=いがめる。/いがめたら直しとかんかいやー/この釘はいがんどるであかん。¶名古屋も
いかめえ
[
ikame:
]うらやましい。/どーだ いかめーか?/その話聞いたら、もう、いかめてしょうがないもんだで「丹民2」
いかめがる
[
ikamegaru
]羨ましくおもう。うらやましがる。
いきいきおこす
[
ikiikiokosu
]幼児が怒って泣き叫ぶ。「海辺」
いきいれ
[
ikiire
]一休み。「覚書」
いきしま
[
ikisima
]行きがけ。「いきしな」が標準形。/いきしまに、寄っとくれーな。
いきれる
[
ikireru
]醗酵する。「覚書」
いく
[
iku
](火事・損・傷が)発生する、(火事・損に)なる。/そんなんしたら損がいくわやー。/傷がいく。 ¶こんな歌ちゅーか節のある文句を思い出した(曜日が折り込まれている):「月曜の晩に火事がいって 水持って走る木さんが金玉落として土ろまみれ 明日の日曜洗いましょ」
いげちない
[
igechinai
]かわいそうな。
いける
[
ikeru
]埋める。「金国」にあり。
いご
[
igo
](魚)ウグイ。「子安」「うかわ」
いごかす
[
igokasu
]うごかす。/いごかすだにゃーゆうとるのに。
いごく
[
igoku
]うごく。/いごくなよ。¶名古屋も
いこす
[
iikosu
]熾す。「金国」には何故か「熾る」はあるが「熾す」の見出しがない
いさあし
[
isa:shi
]長い時間、久しく。¶久し(く)。/わりかったなー、いさーし待たして。
いさかう
[
isakau
]からかう。/その人をちいといさかって困らせてやろういうことになって「丹昔」
いしがらみ
[
isigarami
]→'もやあ'網に重り石(→どんべえ)をつける作業「覚書」 ¶石を縛って網に結びつける作業と愚考
いしけた
[
isiketa
]貧弱、貧相な、格好悪い。/いしけた様な格好しとった
いしごら
[
isigora
]石の沢山ある所。/この石ごらの遠い道を嫌とも思わず通ったものです「吉津」 /そういう石ごらだもんださきゃあに、甕が割れたわ「伊昔」 ¶「井上」にも「いしがらた」「いしごらた」あり「石地、また土中に小石の多く混じった土地をもいう」と
いしばつき
[
isinatuki
]石場突き。家の土台石を突き込む作業の事。新築の際柱の下に必ず石を置いて土台としたが その土台石を「胴突(どうづき)」という材木で何度も突き降ろし土中に叩き据えた。これは10人程度の人が伊勢音頭に合わせて行った。「伊昔」
いじる
[
ijiru
]苛める。苛る、いびる。/どぎゃあ苛っちゃってもか、ひとつも、手返しもせんな、怒りもせん子だったが 「伊昔」
いすわす
[
isuwasu
]じっとして動かないでいる。「伊昔」
いせち
[
iseti
]東南風 風が低く雲がしらたに変り漁師は「もようが落ちた」という 西風に変る前兆 「冬のイセチは雪つれる」「丹町」。「民俗」には「袖志では春先に真南の風が吹くがしだいに東寄りに移り、土用明けまでこの風が多く、これをイセチという…浜は穏やかでも沖に出ると陸から沖へ強く吹き、なかなか岸へ戻れず、火災もこの風のときは大火事になる」と。
いそしい
[
isoshi:
]まめまめしく動・く(・き過ぎる)。よく気の回・る(・りすぎる)。利に敏い。/あのもんがおると、いそしてかなん。
いだ
[
ida
]いやだ。=いらん。「えだ」とも。/いだっちゃ。いらんちゃ。えだてぁー。いだちゅーほどよばれた。
いたあげ
[
ita-age
]→まないたあらい
いたない
[
itanya:
]痛くない。/「こんくりゃーな傷、全然痛にゃーわい。」と言いながら目に涙。
いたむ
[
itamu
]壊れる。故障する。/ラジオがいたんで音がせんよーになった。
いためる
[
itameru
]壊して駄目にする。いたまかすとも。/いらいくちゃして、いためるだにゃーで。
いちがぶらり
[
itigaburari
]昔話の終わりことば。伊根町と宮津市北部で。「いちごぶらり」とも。
いちのくらみ
[
ichinokurami
]一の暗み。「(丹後震災の)地震の起こった時刻は~といってうっすら暮れかけた頃だったのです」と「倉垣小学校誌」にあり。昭和2年3月7日午後6時28分の地震(M7.4)
いちのとーさん
[
itinoto:san
](虫)おけら(螻蛄)。「ちゃわんあらい」とも。(延さん)¶「長善」には「いちがとうさん」と
いっかな
[
ikkana
]いっこうに、全然。/いっかな返事がにゃー。/私はほうびはいっかないらん「丹昔」
いっかん
[
ikkan
]一荷。目方の軽重にかかわらず担い棒で担いだり背に負たりして一度に一人が持てる範囲の荷物の量をいう。(「伊昔」)。/これいっかんしたらたばこしょー。
いっかん
[
ikkan
]差が無い、同じ。/ほんまに、あんたいうたら、子供といっかんだ。「丹昔」
いつきのき
[
itsukinoki
](植)ヤマボウシ。「あんこの森」
いつきりなしに
[
itukirinasini
]いつも。/~、いろんな姿であそこへ出てきては、一人遊んどる「宮昔」
いつく
[
ituku
]「水田の代掻きして間もなく泥が沈殿して固まる状態をいう。イツク田は代掻き後にすぐ植付をしないと植えにくくなる。/この田はよーイツク」 ¶以上「井上」からだが、 2010.4.8に延さんに問えば「砂地の水が引いた後、歩いても'ふんごまず'に歩ける」状態になることと言えばええかと、田作り初心者にもイメージし易い説明をもらった (代掻き後の)泥、又砂が居付く意かと
いっさんばりき
[
issanbariki
]いっしょうけんめい。/~で家にもどり「京む」
いっしょくた
[
issyokuta
](区別なしに)一緒に。いっしょこたとも。=まぜくちゃ。/なにもかもいっしょくたにまとめて担いで逃げ出した。
いっしんこっしん
[
issinkossin
]いっしょうけんめいに。¶一心骨心?一所懸命+粉骨砕身/2かな?
いつだも
[
itudamo
]いつぞやも。いつだかも。 /いつだも、その小僧がもどってきたら「丹昔」
いっちゃい
[
itchai
]冷たい。=つめてぁー。ちめてぁーとも。
いっちゃん
[
itchan
]一番。最も。/筍は採りたてを焼いて食うのがいっちゃんうみゃーらしい。
いっちょこちょうらい
[
itchokochorya:
]一張羅。「金国」には「いっちょうら 一張羅:(羅は薄絹)たった一枚の晴れ着」とあり。丹後ではこれがイッチョーリャーという音になり/いっちょうりゃーの背広。などというが、「これしかない」と言う気持ちを強めて「いっちょこ」が接頭されることも多い。
いっつも
[
ittsumo
]いつも。/いつも学校へ美代ちゃんと ランドセル背負って元気良く お歌を歌って通う道。
いっぱいこ
[
ippya:ko
]沢山、どっさり、満腹。どちらか言えば幼児語に属するか。/腹いっぴゃーこ食ってえりゃー。
いっぴゃーこ
[
ippya:ko
]一杯。大量。
いっぺん(こ)に
[
ippen(ko)ni
]一度に(で)。たちまち。/よーけの仕事を一遍こに言われても出けん。/下手な嘘ついてもいっぺんにばれるど。¶「いっぺんご」と濁る人もあるようだ。
いと
[
ito
]田水の落し口。尻水口とも。入り口は「みなくち」という「井上」 ¶糸は「い」に、これは「と」にアクセント。
いとこに
[
itokoni
]いとこ煮。里芋の子と小豆を一緒に煮たもの。芋名月(8月15日)に食う。「町誌」 ¶「広辞」アズキ・ゴボウ・ダイコン・イモ・豆腐・クワイ・焼栗などを堅いものから追々(甥)入れて煮込み味噌で味を付けた料理。 「GJ」煮物の一。アズキまたは豆と野菜類を煮たもの。正月・盆・祭りなどに広く各地で作られた。
いとさなぼり
[
itosanabori
]春蚕(はるこ)仕事のあがりで一日休む「京食」
いとしなげ
[
itoshinage
]かわいそう。「海辺」
いなう
[
inau
]担う。/とれた魚は浜焼きにして女は峰山や久美浜へ三里の道を棒でいなって売りに行った「覚書」
いなき
[
inaki
]刈った稲を干すために竹や木を縦横に組んだもの。半分に分けた稲束を横木にまたがせて横にさらには上の横木に架けていく。これを「いねかけ」とゆーた。8段もある稲木の上の方に架ける時は上に架ける者に下から稲束を放り上げる者が必要 朝から稲を刈り始めて束ねて稲木場まで運び積んで稲掛する頃には日が暮れ始めた記憶あり。暮れ行く中で稲を放り上げた。水上勉の「丹波・丹後」には稲架とあり「はさ」とふってあった 井上さんの著書の「稲架」も'いなき'と読んで来た小生に疑問湧く。「広辞」を開くと'いなき'はなく「いなぎ」があった(途中)
いなげな
[
inagena
]異様な。¶異な気な。/いなげな格好で。
いにしな
[
inisina
]帰る途中。復路。[対]いきしま。
いにもこさげもならん
[
inimokosagemonaran
]如何にもならない。対処の法が無い、役に立たん。
いぬのけほど
[
inunoke-hodo
]犬の毛ほど。/秋彼岸が過ぎると、毎日~づつ日が短くなっていく「京食」 →ねこのびげ
いぬる
[
inuru
]帰る。¶往ぬ。/はよいの-で。/はよいなな暗なるで。/いんでもすることがにゃー。/まんだいにたにゃー。/もういねーや。/くらなったで、もういぬるわ。/晩方今夜は泊っていんにゃあいうのを…「く民」
いね
[
ine
]井堰。「奥丹後地方史研究第9号」 ¶「ね」にアクセントがあるで「稲」(平坦)と聞き分け出ける
いのこ
[
inoko
]稲刈が済んだ頃村毎に日を決めて稲の収穫を祝う行事 ぜんざい・炊き込みご飯・昆布巻きなどのごっつおーが出る 「絵暮」
いまき
[
imaki
]腰巻。明治生まれの祖母が身に着けていたと(まっちゃん)。「広辞」にあり。
いまごろ
[
imagoro
]いまさら。/どーで、そんなことをいまごろゆーだーや。/いまごろになって、そんなこと云われても もー遅せーわや。
いまたってぁーも
[
imatatea:mo
]今にも、すぐにでも。「海辺」
いまども
[
imadomo
]今では。/いまどもかったにあらへん。
いまなかに
[
imanakani
]いまごろ、今になって。/いまなかに言われてもどーにもならんどいや もっとはーよゆうて呉れりゃー えかったのに。/いまなかにタンポポがしぇゃーとった(咲いていた)。
いも
[
imo
]教師が持つ特別の教科書。生徒と同じ本だが赤い字で指導の方針や解答など一杯書込みがしてあった 中学校の時に盗み見た。先生’にしー’と思ったか「先生も 大変だなー」と思ったかは我が軟体記憶装置からとっくにゴミ箱に。
いもくし
[
imokusi
]あばた。ジャガイモにも出来る。
いもら
[
imora
]いもり。ヤモリに似た水の中に棲む両生類。黒色で腹が赤く、臭いがある。
いよずれ
[
iyodure
]大群で魚の皮が擦れて肉が見えている。「海辺」
いらいこ
[
iraiko
]さわりまくること。'さわりくちゃ'、'いろいくちゃ'。/大事なもんだでいらいこすなよ。
いらう
[
irau
]'いろう'。/倉ぁいらった時に蛇が憑いとる。「伊民」
いららく
[
iraraku
](からっと)乾く。枡で酒を飲む機会ありその時に(しょっちゅう飲まんと「いららゃーて酒が漏る」ようになると延さんがゆうのを聞いた。 /そんなことしとったら、畳がいららくわやー(守叔父)/柿は串柿に刺いて正月の年祝にするし、皮は皮で今度はいららかいて、石の臼で挽いて、そうしてハッタイみたいに売った「京昔」
いらん
[
iran
]不要だ。嫌だ。/それならいらん(不要)。/そんなんいらんわー(嫌)。/いらんことゆーな(不要)。
いるわ
[
iruwa
]飯盆(はんぼ)。半切り桶。「京食」¶編者も分かっていない!
いれかぜ
[
irekaze
]秋の入れ風は急激に押し寄せ激浪のため間落(→まおち)出来なくなる「丹町」
いれぎゃあ
[
iregae
]昼の残りの味噌汁に飯を入れたおかい(粥)さん。「京食」
いれそめ
[
iresome
]お礼の品。おうつり。おため。「京語」に西国に「タメ、トビ、オトメ、トミ、オトミ」など贈答・返礼を意味する言葉があると。「うつり」は物々交換時代の「おつり」だとも。
いろう
[
irou
]触る。'いらう'とも。/いろうだにゃーで。/いらうなてゃー。/いらわんとけゆうとるのに。¶家の改修・改築なども「家をいらう」という。例文は「いらう」に。
いんがなり
[
inganari
]不十分ながら、やっと、どうにか。「海辺」
いんきばな
[
inkibana
](植)ムラサキツユキサ。「覚書」¶陰気ではなくてインク
いんげんこく
[
ingenkoku
]自慢する。その人を「いんげんこき」という。
いんでこい
[
indekoi
]トランプなどのゲームで同点で引き分けのときに言う。¶去んで来い即ち出直しを意味するか。
いーする
[
i:suru
]イライラが募って「切れた!」ことを言う動詞。/あんときゃー さすがのわしもいーしたわいや。(まっちゃん)
う
⇧
うく
[
uku
]溺れ死ぬ。/子供が海でういたといな。
うけ
[
uke
]浮き。「海辺」
うご
[
ugo
](海藻)エゴノリを天日乾燥し煮出し、煮汁に少量の酢を入れ、冷まして固めたもの。おご。おごのり。「海辺」
#解説募集!よー知ったもんはおせーてくれーや。
よりくわすくは http://www.pref.kyoto.jp/kaiyo2/egonori.htm
うごきもいじりもせん
[
ugokimoijirimosen
]びくとも動かない。
うしぐんだ
[
usigunda
](植)水が出る。眼を洗ったと(延さん) ¶ギョウジャノミズ(Vitis flexuosa、別名サンカクヅル)か?
うしずいとん
[
usizuiton
](植)ギシギシ。
うしなえる
[
usinaeru
]失う。/もーちゃんと失えただかいや。
うしびき
[
ushibiki
]うしばり(牛梁)家の中心になる柱から柱へ渡された大きな梁。雪国の草葺家に特有の用材だという「井上」 ¶歳徳神を迎える神棚を吊るす梁」と「京丹後民俗」
うじゃる
[
ujaru
]群がる・集る。¶「京語」には「うさる」とあり有り余ると説明し例に/この品物はうさるほどあると。 ¶¶副詞「うじゃうじゃ」は「金国」「広辞」にあり。
うたてや
[
utatya:
]つらい。=おたてい。
うち
[
uti
](女)わたし。テレビでは「う」を高くいうが丹後では平坦アクセント。
うつかつ
[
utukatu
]激しく応答するさま。/うつかつ言う。
うつくしい
[
utukusii
]美しい。¶これは必ずしも丹後弁特有だにゃーけども 一言。わしらーの子供時分には「うつくしい」ゆうた。いつの間にか「きれい」ちゅう言葉をつかうようになった。幼い俺もそのほうが都会っぽいちゅうか田舎臭さが抜けた感じがしたもんだ。「きれい」も嫌れーじゃにゃーけど「美しい」も美しい言葉だとこの年になって思う。情緒がある言葉だ。
うてる
[
uteru
]魚が腐る。活きが悪いときにも。
うのけ
[
unoke
]兎の毛。産毛。
うめる
[
umeru
]沸かしすぎた風呂に水を足して温める。「金国」にあり。
うやくたろう
[
uyakutarou
]どうしょうもない。「奥波見通信」 ¶わやく+たろう?
うやける
[
uyakeru
]ほとびる。
うら
[
ura
]伊根町では明治末まで一般的な自称として広く用いられたが学校教育の普及で「わし」がこれに取って代わった。「伊昔」
うらうら
[
uraura
]おらおら。「うらうらが湧く」というような言い方をする。その説明文に難渋してます。誰か助けて!
うらにし
[
uranisi
]丹後の晩秋の気候は大陸からの寒気の影響で雲に覆われて暗く今日は晴れたかと思へば急に崩れて雨や霙に変る日が多く「弁当忘れても傘忘れるな」と言い継がれている。鳥取方言サイトにも「うらにし」の言葉あり「秋に吹く西北の風」と、別に「おきにし」とて「西北の風 冬から春にかけて吹く 秋に吹く西北の風は'うらにし'という」と。¶それぞれ沖西、浦西とあてて見る。山陰地方では沖も浦も海を越えれば大陸。影響が大きい訳だ。丹後の冬空は暗く寂しくてその雲から雪が降り出してくると村は雪に閉ざされる。丹後を離れる若者が絶えないのはこの気候のせいかと。
うり
[
uri
](..の)おり、際。 /そうしたうりに「野町」
うろ
[
uro
]「うろ起こす」「うろが起きる」という。夕方やかんを火に掛けておいて風呂焚きに掛かれば小便がしたくなったで行こうかと思う所に隣組長が来るさらに電話が鳴る…「あなたならどーする」(石田あゆみ)状態。¶名古屋では「うろこく」
うろかわ
[
urokawa
]うろうろ。
うわざいもく
[
uwamokuzai
]家の梁など家屋の上部に使う木材。「丹後の山村生活技術」
うんたん
[
untan
]決断。/あのもんはなかなかうんたんを切らん。/あんたのうんたん次第だ。
え
⇧
え
[
e
]いえ(家)。「網町」 →「えんなか」「げ」「ね」
ええ
[
e:
]要らない、もう十分だ。/あぁーもーええわ(=もう充分だ) /(JAからの稲苗注文の確認電話に親父が)「今年は ええですわ」との返事 それを聞いて見出し語追加
ええ
[
e:
]良い。/ええ天気になりました。/あー、ええ気持ちだわ。
ええかげんだにゃー
[
e:kagendanya:
]「好い加減+否定語」で、程度を超えていて、駄目、意に沿わない、腹立たしい、no good、止めろ /あれせー、これせー、次はそれ、もう体がもたん、ええかげんだにゃーわ /阿呆も、えーかげんにせー!「
ええき
[
eeki
]いいき。好い気。「自分のすることをいいと思っているようす。(金国)」/ええ気んなっとるな! /ええ気なもんだ。 /ちょっと褒めたらええ気になって…。
ええぎゃあ
[
e:gya:
]ちゃんと。しっかり。=あんばよう。/ええぎゃー覚えとらんなーもー 昔のこったで(昔のことだから)。
ええもん
[
eemon
]おやつ。/何どええもんにゃーんきゃー、お母ちゃん。
えせみ
[
esemi
]ねたみ。
えづく
[
ezuku
]吐きそうになる。/こにゃーだよおけよばれたでそれ見ただけでえづく。
えのは
[
enoha
](魚)九州などでは鱒科の川魚のアマゴ、ヤマメをいうようだが、島根県東部では海魚のヒイラギのこと 特徴は「食道付近に発光細菌の共生による発光器があり、腹部が光る・釣り上げたりするとギーギーと鳴く・多量の粘液を出す」とか 丹後地方ではシノハやギチとも。¶「えのはのてんづくり」が「養老通信 2003」に。
えばす
[
ebasu
]麦・豆などを半煮の状態まで煮ること。/これもえびゃーておきましょうか「井上」¶麦を前の晩に焚いたもの(えばしむぎ)を米に混ぜて炊いたのが麦飯
えびお
[
ebio
]海老尾。鯨の尾の身「京食」
えびでる
[
ebideru
]はみ出す。
えぼ
[
ebo
]果(花)柄。果実と枝のあいだの柄。(言葉は辰ちゃん 解説は「井上」)。
えぼり
[
ebori
]しずく。√お主さんなよ、傘買うておくれ 傘の~で、子がぬれる「わらべ歌」 ¶「枝ぼり=木陰に雨宿りしても枝伝いに落ちてくる雫」という言葉があって傘にも使われるようになったかと愚考 →ぼる2)
えむ
[
emu
]熟す。熟れる。/秋は山に柴栗や椎の実がえんでくる「京食」 ¶→えばす。
えらい
[
erya:
]苦しい・辛い。/あーえらかった。/もーえらてえらてこばれん。「しんどい」という言葉はテレビ後に使われるようになったちゃうかなー。¶名古屋も
えんなか
[
en'naka
]家の中。「網町」
えんぶり
[
enburi
]柄振(えぶり)。木製レーキ。「百姓」 調理に使う混ぜくり棒も言う「京食」
えんぶりさし
[
enburisashi
]牛で代を掻いた後を平鍬で均す仕事で、女の仕事とされていた。「吉津」
えーにょぼ
[
e:nyobo
]べっぴんさん。「えーねぼ」とも。丹後網野でつかう。「海辺」は「気立てよく甲斐性よしの美人」と解説。/昔、ええにょうぼとへちゃの姉妹があってえと「丹民3 下り藤」。
お
⇧
お
[
o
](植)アサ。「あんこの森」 ¶「広辞」に「1)アサ(麻・苧)の古名 2)アサ・カラムシの茎の繊維から作った糸。」と
おいでる
[
oideru
](敬語)おられる。宮津地域。北部では「おんなる」。/(何々)しといでる=しとんなる、京言葉では「してはる」。/本庄からなあ、ここに嫁さんにきといでた人があって(「きといでた」は「来ておいでた」で「来とんなった」の意)「宮昔」 /その娘さんがおいでんだげなし(おいでん=否定形で「おんならん」)「昔話」 ¶宮津の人と分かるのがこの物言い、「来といでる、云うといでる」など
おう
[
ou
]尾(根)。/大方まあ峠のおうまで上がったと思う頃「く民」
おうけに
[
o:keni
]おおきに。
おうたて
[
outate
]嫌な。=おたてー。
おえ
[
oe
]へど。/ゆうべ蟹をおえするほどおおよばれしたで見る気もせん。
おえ
[
oe
]座敷。(土間に対して)畳の敷いてあるあるいは履き物を脱いで上がる部屋。¶古語辞典に「御上(おうへ)=勝手口から主婦の居間を指していう語」とあり、私の勝手な解釈ですが、これが丹後地方ではオエになったのだと思います(まっちゃん)。「京語」にも町家のことばとして座敷のことを「オイエ」というのは「お上」の意味からで庭に立つ人が云々。
おおかみあずき
[
ookamiazuki
]狼小豆。黒っぽく粒の大きい小豆。「伊昔」「民話」
おおかみのしりふき
[
ookaminosirifuki
](植)イワカガミ。¶久美浜ではこう言うと辰ちゃん。奥大野ではキツネノシリフキだと延さん。
おおかわ
[
o:kawa
]地区の一番大きな(泳げる)川。竹野川を例に言えば流域を代表する名前が竹野川だがその源流側を辿れば峰山は鱒留川 大宮からは常吉川(未完)。
おおきに
[
o:kini
]ありがとう(ございました)。ぞんざいに言えば「ありがと」 気持ちを込めて言えば()のございましたも伝わるので「おおきにございます」などとは続かない。「おおけに」という変化形もあった。
おおじょんべ
[
o:jonbe
]大量の小便。丹後では「しょんべん」「しょんべ」の二通りあるが、大が付くと「ん」が落ちる /♪今は夜中の3時頃、田舎のおっさん寝とぼけて~、あ~と言う間におおじょんべ、起きておっかさんに叱られて、大きなチンチン抓めくられ、いーたい痛いと泣き出した:文部省唱歌「汽車」の替歌で、学校帰りに、よーうたいながら街道を闊歩しとった
おおずり
[
oozuri
]少し大きくなった子供。五、六歳。「丹民」
おおぜ
[
o:ze
]大勢。/「今日は何ぞあるんかいや。公民館におおぜ人が寄っとるが。」「何だ 知らんだかいや 今日は'ええ里'だで。」
おおにんじゅう
[
o:ninju:
]大人数、大勢。*例文は「さき」
おおぬた
[
o:nuta
]大波。「海辺」
おおびんたれ
[
oobintare
]意気地なし。
おおまちだ
[
o:matida
]大町田。=おおまち。「野町」
おかいさん
[
okaisan
]粥。
おかっぱち
[
okappati
]丘の上。「覚書」
おがみじょろ
[
ogamijoro:
]かまきり。おがめ(島津)・なたきり(岩屋)・なたきりむし(加悦)もありと「京こ」。
おくれる
[
okureru
]御呉れる(くれるの丁寧語)。くださる。/まぁー こんなええもんをおくんなるですかーぁ きのどくですわなー。共通語では「帰っておくれ」など命令形があるのみ。久美浜では「くんなる」。
おけんたい
[
okentai
]→けんたい。
おこらかす
[
okorakasu
]怒る+「かす」。怒らせる。/ちっちゃー子をいさかって、おこらかすな、ゆーとるのに。
おこれる
[
okoreru
]怒る+「れる」。怒りたくなる。/あのもんは、いっつもそーだ。ほいだで、怒れるだーやー。
おさ
[
osa
]魚のえら。「海辺」
おさい
[
osae:
]お菜。今は「おかず」と云ってこの語は危惧種。「金国」にあれども採用する所以なり。
おしい
[
osii
]おさい。おかず。/そのうちめしもたけた、またおしいもたけた。/ごはんもおしいも、おええもってあがって「く民」
おしな
[
osina
]押し菜。夏から秋にかけて大根や蕪の間引き菜を糠に漬けたもの。「京食」
おしなめし
[
osinamesi
]大根葉の糠漬けを入れて焚いた(麦)飯。「京食」
おしべり
[
osiberi
]ござ。茣蓙。「方辞」には「上敷。薄縁の転」と。
おしみゃーな
[
osimya:na
]夕暮れ時の挨拶言葉で「もう仕舞いましょうよ」の意味。
おじや
[
ojiya
]雑炊。「金国」には「〔女〕⇒ぞうすい。」とある。
おじゃみ
[
ojami
]お手玉。「いしなご」という所もあると。
おぞい
[
ozoi
]賢い。/あの子はおぞい子だ。
おそいき
[
osoiki
]遅生まれ。↔はやいき
おだいしさん
[
odyassan
]御大師さま。おでぁっさん。五箇大萱の笛原寺の祭。夜店が並んだ。
おたてぁ-
[
otatea:
]嫌悪の感情を表す形容詞。おたてー、おだてー、おうたてなどの変化形あり。¶古語「うたて」と「草子」にあり。源氏物語にも「若紫」の巻に「あなうたてや ゆゆしうも侍るかな」とあると。「弥栄町史」には「うるさい」と。
おだれ
[
odare
]雨だれ下。「覚書」
おちつきだんご
[
ochitsukidango
]盆の墓掃除などを済ませ13日午後早々に料理に掛かり出来上がった所で食うもの。「京食」
おちゃぼこ
[
ochaboko
]「お手玉」「おじゃみ」とも呼ばれますが、養老では、普通は「おちゃぼこ」と呼びます。「ひとくい」/「良い音のするおちゃぼこにするために、くず豆と一緒にじゅず玉や学生のボタン、海で拾った貝がら、足袋のこはぜなどを入れます。」とも
おちゃぼこ
[
otyaboko
]お手玉。「養老-野遊び」
おちんこ
[
ochinko
]=おっちゃん。学校で悪さしたら「廊下に立っとれー」かおちんこだったと。
おっちゃん
[
otchan
](幼)正座。/のんのんさんの前ではおっちんするだで。
おっとろしゃ
[
ottorosya
]おそろしや。驚き・疑問の気持ちを表す間投詞。/おっとろしゃ、よーまーそんなあぶにゃーことをしただーや。 /おっとろしや、とひょうもないところまで飛んできたな「京昔」
おて
[
ote
]裏、周り。¶ほて。
おてーた
[
ote:ta
]落とした。/おじょうさん ハンカチおてーたで。
おとがい
[
otogea:
]顎。'おとぎゃー'が正調。「金国」にも(文語)「(した)あご」とある共通語。
おどかす
[
odokasu
]驚かす。怖がらせる。/おどかすないやー、ほーろー気が小さいのに。
おとこぐさ
[
otokogusa
](植)チカラシバ 又の名を「台風草」とも云うと(延さん)¶この草の細長い葉に絞ったような、指で触ると感じる箇所があり それが台風の来た(or来る)回数を示すのだと聞いたことがあると
おとこさん
[
otokosan
]"お床さん。床の間。¶床の間?「床(とこ)」ゆーたら"ねしき"のこと違うんか?都言葉では「おxxさん」とよー云ゅーが寝床の用意(蒲団を敷いときまひょか)と言うのに「おとこさん用意しまひょか」などと云われて「男?用意?」とOL一人または二人旅が喜んだとかビビッタとか云う話があったらしい。"
おとこまさ
[
otokomasa
]おとこまさり。男勝り。
おとなしまく
[
otonasimaku
]遠慮がちにする。
おどろ
[
odoro
](焚き付けに適した)小枝。「井上」には「枝薪。コギに同じ。」と 「こぎ」には「枝を束ねた薪。柴木。オドロに同じ。」と ¶丹羽基ニ著「苗字に生きるやまとことば」ゆー本に「行行林」という苗字があって”おどろ”と読むとか 「行々子」とは「よしきり」(水鳥)のことで千葉県船橋市にその名の地名ありと云い 「行々子 どこが葛西の 行き溜り」との一茶の一句を載せとんなる。関係ないか?
おどろぼーき
[
odorobo:ki
]おどろ箒。「おどろ」を束ねたもの「丹民」
おとんぼ
[
otonbo
]末っ子。「海辺」
おなだかもり
[
onadakamori
](植)アセビ。「覚書」
おなべす(き)
[
onabesu(ki)
]子供の遊び。記憶によれば「おなべ、すき」と言いながら一の腕を指巾で測って「お・な・べ・・・」と肘まで来た時「お」で終わったら「怒りんぼ」、「な」なら「泣虫」、「べ」も「べそかき」で同類、「す」は「すけべ」、「き」は「きちがい」などと云った。
おなめ
[
oname
](動)牝牛。/子牛にオナメが生れると村中で祝いました。「子安」
おにのめつき
[
oninometuki
]鬼の目突き。(植)ヒイラギ。(辰ちゃん)¶「町誌」にも節分の日に戸口に柊をくし竹にはさみ、その先に鰯の頭を刺したものを門口やその他の出入口窓などにさす。これを”鬼の目突き”といい、鬼が大好物の鰯を食べようと近寄って柊の刺で目を突く・・・」と。但し柊鰯で「あ痛・生ま臭」と鬼が嫌う話の方が多い。イカの塩辛を葉に塗りつけると言うのも同類と思ってます
おのは
[
onoha
](植)クロバナヒキオコシ。「毎日新聞」の京都ページだったか
おばちち
[
obatiti
]盆に赤い実がなる。「吉津」にもあり。「京食」にウグイスカグラとあり。「奥丹後地方史研究」誌第9号でも確認
おぶさる
[
obusaru
]負んぶされる。/おぶったるで、ほれ、おぶされ。「金国」に(俗)としてあり。
おべっさん
[
obessan
]恵比寿・蛭子さん。「おいべっさん」ともいう。伊根の青島にある蛭子神社に豊漁を願う夏祭り
おみきだる
[
omikidaru
]宮参りの時お神酒酒樽は最後に舟に乗ることから何事にもすることの遅い人を云う。「海辺」
おみきどっくり
[
omikidokkuri
]=おみきだる。「海辺」
おみこっさん
[
omikossan
]神輿。¶御神輿様。
おみやさん
[
omiyasan
]神社。
おみゃー
[
omya:
]お前。幼馴染みの間柄でしか使えない言葉だろう。知らない者に使うと喧嘩言葉になってしみゃーにゃー「わりゃー」となりそう。(英)You.英語には複数形が無いが丹後弁では「おみゃーらー」とちゃんとあるし「てめーら」もある。¶名古屋も
おもいだしご
[
omoidasigo
]"子宝は神様の領分。夫婦でがんばってもなかなか出来なんだ子供が数年後に出来たときに云う。こうして年の離れた兄弟姉妹が出来るのです。"
おもしろごろ
[
omosirogoro
]面白がって。面白ずく(で・に)。
おもれー
[
omore:
]面白い。/おもれーもんだ あのもんは。
おやこ
[
oyako
]親戚。
おらおら
[
oraora
]1)古い水・酒などの液体に発生する浮遊物。(言葉は幸さんから)。/おらおらがうぇぁ(湧)とった。 2)豆腐作りで、豆乳にニガリを加えて固まりかけた状態を言う。/「おらおら」を手ぬぐいを敷いたとうふの型に流し込み、重しをして好きな固さになるまでおいておき、水の中で型から抜くと出来上がり。 「ひとくい」
おりどき
[
oridoki
]昼食を終って(一休みして)田に下りる頃。「野町」
おんごろ
[
ongoro
]モグラ。モグラモチ、ムクロなどもあり。「京丹後民俗」
おんた
[
onta
]オス。⇔めんた。
おんなし
[
on'nashi
]同じ。「おんなじもん」「おんなじだ」などが多いが時たま「おんなしこった」など濁らない発音もよー聞いた
おんなじ
[
on'naji
]同じ。/わしの持っとるもんとおんなじだ。
おんなめ
[
on'name
]雌牛。おなめ・おなべとも。
おんなる
[
on'naru
](尊敬)居られる。/おんなるかえー。
おーじょー
[
o:jo:
]対処・処置に困った状況を言う。「渋滞で立ち往生」した人なら分かるかも。続く動詞は「する」「こく」。/雨降りの後、山道に入っておーじょーした(こいた)わいや。¶名古屋でも「おうじょう」は「こく」という
おーとる
[
o:toru
]合っている。/テストでええかげんに丸したけどおーとったっちゃ。
おーどー
[
o:do:
]大胆また危なっかしい。/おーどーなことしとって、じょせぁーするだにゃーで。
おーばんで
[
o:bande
]おおっぴらに。/あんなことしといて よーまーおおばんで道が歩けるだ。気が知れんわ。
か
⇧
か
[
ka
]所、場所。¶どこかの「か」。「こんな所に」は'こんなきゃー'と融合。/それは机のかにあったど。/「おかしいな、こんなきゃあ穴がある」「そんなきゃあ、行くないうのに、行くからだ」「民話」
が
[
ga
]金額・量目相当分、~分。/百円がとこおくれ。 ¶「がん」とも
かあか
[
ka:ka
](植)ねむ。「覚書」→こーか ¶久美浜(=但馬)風の訛。
かいい
[
kai:
]痒い。/あーかい。/かいても掻いたらあかんでー よけーかいなる。
かいこばら
[
kaikobara
](蚕)蚕腹。蚕の糞。/大事な牛のためには蚕ばらを干して貯えねばならなかった「吉津」
かいでる
[
kaideru
]孵化する。/ひよこがかいでる。
がいに
[
gaini
]とても。/がいに喜んで泊めた。「京昔」
かいば
[
kya:ba
]飼葉。葛(クズ)。くずかずら。 ¶「きゃーば」が正調。「きゃーばかずら」とも。「広辞」によれば「牛馬の飼料とする乾草など。まぐさ。」とある。牛馬が好んで食う草なのかな。この草は土中にイモを作って澱粉を貯めるので生薬「葛根」をつくり解熱剤としたり、また食用には葛粉として、蔓の繊維は葛布になり、蔓で行李などを作った。猪はこの根を掘って食うので土手が荒されてしまうことあり。
かいや
[
kaiya
](動詞の後に付いて)しなさい。(どーでせんだ=なぜしないのか)という気持ちを表す。/はよ せんかいや。/そんな事、もっと早よ、云わんかいや。「の」が付くと命令調が和らぐが気持ちは同じかな。/行かんのかいや?¶「かい」(終助・反語)+「や」(終助・命令勧誘)「の」は(終助・問い掛け)と苦しい文法。
がいよう
[
gaiyo:
]「具合良く」の短縮と思われる。上手に。うまく。/私やったら、もっと上手に、もっとがいように言う。「丹昔」
かえこと
[
kaekoto
]交換。とりかえっこ。/わしのとかえことしてくれーや。
かえりしま
[
kaerisima
]帰りの途中。'いにしま'。
かおく
[
kaoku
]咳をする。/これひっぱたら、見とれゴホンゴホンかおくだで。「昔話」=たごく。
かおね
[
kaone
]顔色。/「なんでお前はそねん顔ねが悪うなった」「久昔」 ¶顔音?「久昔」によれば慎ましく過ごして来た嫁が屁を我慢していたのが原因だと判明する…
ががもう
[
gagamo:
](動)タガメ(浩ちゃんが思い出させてくれた)¶「長善」にはゲンゴロウと
かかん
[
kakan
]母。「おっかん」とも「甲坂」
かきばったい
[
kakibattai
]柿はったい。年寄りは砂糖の代わりに美濃柿の熟柿を混ぜて甘味とした「奥丹後地方史研究第9号」
かきもち
[
kakimoti
]搗いた餅を一定の厚さでまつぶたに伸ばして2、3日置いてながたんで短冊(というより花札、いやもう一回り大きく、名刺よりは一回り小さい…厚さ3mm短辺40mm長辺80mmといった大きさか)サイズに切って干したもの。冬あいだ火鉢で炙ってやや焦げ目が付いて中は柔らかくもっちり外はパリパリに。味付けが無くてもいけるおやつだった。
かく
[
kaku
](熊手で掻いて)落葉を集める。/帰りゃあ、落葉がかけとらんで叱られる。「民話」
かく
[
kaku
]はく。身に着ける。「わしは赤ほんどしきゃあとるわいやあ」「丹民」
かくいて
[
kakuite
]隠して。さらに「かきーて」となることも。/ほれ、そけー(そこに)かくいとけーや。
かくすべ
[
kakusube
]蚊を追い払う為木などを煙らして炊くこと。蚊遣火。モロの木がくすべられたと延さん。良い匂いがするでと。 ¶かくすべ 蚊遣木(カヤリキ)也、室木(ムロキ)ともいふ「浪花聞書」
かけ
[
kake
]「金国」にも「動作の途中」とある。/治りかけ。/食いかけだけどわけちゃるわ。
かげうた
[
kageuta
]陰謡。祝言の席で屏風の陰で唄われる謡曲、親類か村の歌上手に依頼する「町誌」
かけきり
[
kakekiri
]食事自分持ちの日雇い。
かけじ
[
kakeji
]掛け軸。「久昔」¶掛け字か。文字だけの軸も多いので蛇足。
がけっちょ
[
gakettcho
]崖っぷち。
かけどく
[
kakedoku
]賭けを伴うなぞなぞ。昔話には田んぼを賭けた話もある。
かけびさし
[
kakebisasi
]家の軒にさらに差し掛けた柱の無い簡易な庇(延さん)
かご
[
kago
](植)こうぞ(楮)。これを原料として栃谷和紙を作ったと「甲坂」
かご
[
kago
](植)楮
かごめ
[
kagome
]カモメ(鴎)。「海辺」 ¶「石狩晩歌」では√ゴメが鳴くからニシンが来ると~と歌いだす
かさ
[
kasa
]体積・容積をいうことばであるが。 /「おばあさんは仕事のかさしなるけど、何してもがしゃあ」と嫁が言えば、おばあさんは嫁の仕事振りを見て「百姓はあれじゃーはかがいかん」と「吉津」
がさい
[
gasya:
]荒っぽい・雑な。たくさん。/がしゃーことすると壊れるど。/がしゃーこと持っとんなる。
かざかく
[
kazakaku
]匂いを嗅ぐ。/まあかざきゃーてみー こりゃー しんけんうみゃーど。
かざがする
[
kazagasuru
]匂いがする。/うまげーな(美味そうな)かざがしてきたどー。
がさくたい
[
gasakutya:
]たいへん多いこと。/来るわ、来るわ、がさくたいこと来て「京昔」
かさくび
[
kasakubi
]芋の茎に近い部分。細かくかさかさで実が少ないため一般には食しないところ。「伊昔」
かさなおし
[
kasanaosi
]傘直し。祭の後片付け。多分それが終ったら酒飯があったものと思われる。
かさねもち
[
kasanemoti
]鏡餅。「野町」
がさわら
[
gasawara
]何が生えているか分からない叢(牧の谷の勲君)
かじかむ
[
kajikamu
]「手などが寒いためにこごえる」と「金国」にあり こりゃー標準語か。
かじどぼうし
[
kajidobousi
]また「かつき」とも。味土野など丹後の積雪地で雪の外出時被った藁で編んだかぶりもの。
かじる
[
kajiru
]縮む。/ほとびてしもうて、かじって死んどったいうて。「昔話」
かしん
[
kasin
]菓子。「伊昔」
かせわ
[
kasewa
](植)アカメガシワ。¶間人地区限定かも。「奥丹後地方史」1974.11.15号井上昭氏による。
かたぎ
[
katagi
](植)シラカシ。「あんこの森」 ¶アカガシ同様鍬の柄などに用いた。
かたくま
[
katakuma
]肩車。
かたげる
[
katageru
]担ぐ。
かたす
[
katasu
]片付ける。/はよかたしとけーよ=早く片付けて置きなさいよ。
かたちょー
[
katacho:
]片手桶。バケツやトタン板製の片手桶の出現により、木製のものは昭和の初め頃から姿を消した。「井上」 /毎日縄に~を吊るし、これに食べ物を入れて下してやると…「丹伝」
かたちんば
[
katachin'ba
]基本的には「ちんば」「びっこ」の意味だが 左右不揃いをいう。例えば集会(特に飲み会)の帰りに残った履物が「かたちんば」なんてことはざらにある。
かたつぼ
[
katatubo
]片一方。「おんな」 ¶'かたっぽ’のより古い形かも。
かたっぽ
[
katappo
]片一方。/もうかたっぽがあらへん。
かためる
[
katameru
]纏める。/落ち葉はそこらじにかためとけーや あとで燃やすで。
かたる
[
kataru
]かまう。相手になる。参加する。/あんなもんらーにかたらんほうがええど。
がちゃまん
[
gatyaman
]ガチャ万。丹後は機(はた)所。織物が好景気の頃は「ガチャ」と織れば「万札」が織り上がるほどの現金収入になったという。そんなときには時計の音も「貯金、貯金」と聞こえ、不景気の時には「借金、借金」と言うとか。
かちんぼう
[
katinbo:
]かち棒。「覚書」→かつ
かつ
[
katu
]搗つ。棒などでたたく、またたたいて落とす。/「菜種をかつ棒」と(延さん)がゆうた。「菜種かち」と名詞形にも。 /福蛙は、こう、きなどりするだし、あのもん(兎)はきねでかつだししておっただって。/かちもって、兎が思うには、「宮昔」
かつぎ
[
katugi
](衣)藁で編んだ雨合羽。「丹町」
がっさくてあー
[
gassakutya:
]がっしゃー。→がさくたい。
がっしゃー
[
gasshya:
]すごく(い)。'がしゃー'。/がっしゃー馬力で=凄い力で、スピードで。
がっそう
[
gassou
]髪が見苦しいほど伸びていること。おおがっそうもあり。
かったくれ
[
kattakure
]かったに。
かったに
[
kattani
]いっこうに、ぜんぜん。=かったけとも。/かったにおもろにゃー。
かっちんば
[
katchinba
]豆やあくたを→かつ時に使用「甲坂」
かって
[
katte
]でも。'かて'/それくりゃーのこと誰かって出来るわやー。/わしかって出来るわ。
かって
[
katte
]ても。'かて'/そんなことゆーたかって もーおせー=そんな事云ってももう遅い。
がっとう
[
gatto:
](動)コガネムシの幼虫。(里ゑさん)¶こいつ菜園・園芸での嫌われ者と知る 里芋の収穫で掘れば一緒にこいつらーが出て来る 親芋・小芋食い散らきゃーて芋をミルクみてやーに溶かして食っとっる 頭隠して尻隠すように丸くなって出て来た 土の中だで掘らな分からんだし(掘って、見つけて捕殺しても)次の株起こせば… 困っとりまんねや
がっとうばな
[
gattoubana
]青洟。
がっとむし
[
gattomusi
]蝉の幼虫「民謡」 →がっとう
かつぶる
[
katsuburu
]かむる。かぶる。
かつみ
[
katsumi
]湖。
かつらいし
[
katuraisi
]軒下の周りにある敷石。「きりいし」とも。「網町」 ↔ いしばいし
かど
[
kado
]前庭。[平高]と「ど」が高音。角は「高平」です。⇔せど。
かど
[
kado
](魚)ニシン。「網町」に「かずのこ」の説明に「かど、つまりにしんの子である」と。 ¶近世までニシンを「かど(カドイワシ)」と呼んでいたらしい。[ちなみ]ニシンが昆布に卵を産みつけたものを子持昆布と呼び珍味。
かどっこ
[
kadokko
]かど。角。
がな
[
gana
]/それはそれでしょーがにゃーがな。明快不可取り合えず強調語尾としておく。
かなおさん
[
kanaosan
]五徳の大型のもの。ゆるいの中央にあって鍋など煮る「覚書」 ¶「京食」では「かなわ(金輪)さん」
かなぎ
[
kanagi
]杉・赤松以外の建材。「丹後の山村生活技術」
かなぎゃー
[
kanagya:
]汁を掬う金属製のしゃもじ。穴の開いたものは’あなぎゃー’。
かなん
[
kanan
]嫌だ・困る。=かなわん。/かなんなー。¶(意に)叶うー>カナワンー>カナン。
がにぼし
[
ganiboshi
]輪切りにしたダイコンに切れ目を入れて乾したもの。「覚書」 ¶「がに」は蟹 輪切りの大根の左右に切り目を入れた形が蟹に似ているのでそお云うのだと理解している
かねかね
[
kanekane
](虫)コガネムシ「長善」
がび
[
gabi
](植)ガンピ(雁皮)。この木の皮で和紙を作るので業者が買ってくれる。子供たちの小遣い稼ぎのひとつ。
かぶてこ
[
kabuteko
]切り株。かぶてん。
かぶてん
[
kabuten
]株、切株。「伊昔」
かぶる
[
kaburu
]被る。
かぶる
[
kaburu
]かぶりつく。/キュウリやナスビはぼりたてを縦に割って塩を振り揉んでかぶりついた。
かぶる
[
kaburu
]かじ(齧)る。 ¶今では殆ど「かじる」になったか、こんなんゆーのは聞かんけど、「柿をかぶりもって」「まあ、一口かぶってみりゃー、わかる」などゆーた 「かぶりつき」
かまいたち
[
kamaitachi
]時空の歪により大気中に生じた小さな真空に触れて手足などに(赤胴鈴之助の真空切りの原理)傷が出来る事。河原や野原で遊んだあと原因不明の切り傷に気付いて「かまいたちに噛まれた」と云った。
かまへん
[
kamahen
]かまわない。どーぞ。OK.。/これ貰ってもかまへんか?-かまへんで。/なーに かまへん かまへん。
かまれる
[
kamareru
](吸血系の虫に)刺される。/蚊にかまれてかいーだんにゃー。
かまわんてーとくれーな
[
kamawante:tokure:na:
]構わないでおいてください。気使わずに(Don’t mind)。「-な」が表現を和らげている。
かみげ
[
kamige
]髪の毛。/かみげが伸びたなー、散髪したろうか。
がむとう
[
gamuto:
]いたずら小僧「長善」
かや
[
kaya
]丹後ではクマザサを「カヤ」と呼び屋根葺きの材として秋の彼岸頃かや刈りをした「丹民」。茅葺とは笹葺のこと。但馬から来ている同僚が「かや」と云うのは「ささ」のことだった。この葉にダニがおると。
がや
[
gaya
](植)チャボガヤ。牛の鼻輪、がんづきの材となる。「あんこの森」
かやーげ
[
kaya:ge
]可愛げ、可愛らしい。
からす
[
karasu
](炭を)立ち消えさせる。
からすへび
[
karasuhebi
] 「広辞」にシマヘビの体色の黒化したものとあり。毒はない。
がらつ
[
garatu
]打つ。
からと
[
karato
]米櫃。¶唐櫃。
からに
[
karani
]したりして。ので。/未だ子供のくせに酒のんでからに。 /ほうっと手を突っ込んだら、ようけ蜂がおってからに、おやじはようけ刺された「京昔」
からに
[
karani
]明快な解説でけんで例文を示す。/こんなことしてからに!(しやがって!)と言うような語意あり。
からんぽ
[
karanpo
]空っぽ。 /ほっと臼の中見たら~だって。「宮昔」
かりおさめ
[
kariosame
]刈納め。亥の子より早く稲刈が終ったときに、鎌と小豆飯を神前に供える 「絵暮」
がりゃー
[
garya:
]がっしゃー。/がりゃー馬力で怒こっとったど。
かりゅう
[
karyu:
]焼畑。かいりゅー。
かりゅーがり
[
kryu:gari
]焼畑の下準備の柴刈り作業「丹民」。
かるやす
[
karuyasu
]軽易。軽々しく。「かるやすげ(に)」ともなる。/そんなことかるやすげにゆーもんだにゃー。 /「人の云うことを軽安げに思うもんじゃないて」「丹昔」
かるやすい
[
karuyasui
]易しい。/そんなこっとんかるやすいこった。
かれる
[
kareru
]借りる。
かわ
[
kawa
]網を海に入れて曳いて上げるまで。「風習」
かわいど
[
kawaido
]溝川の洗い場。¶川井戸。
かわこ
[
kawako
]ミズズマシ。
かわこ
[
kawako
]カワウソ(川獺)の子。「丹民」
かわゃーと
[
kawae:to
]川井戸。(浩ちゃん)¶[kawa-ito]→[kawae:to]
かわりばんこ
[
kawaribanko
]かわるがわる。「かわりばんてんこ」ともゆーたよーな記憶が。
かん
[
kan
]多くの昔話でも「荷(か)=荷物を数えるのに用いる」語と「広辞」に従うが、僕ちゃんは「一度に運べる量の荷物」と解説して「貫」を当てたい。自信ないが…
がん
[
gan
]→が
かんかちこ
[
kankachiko
]雪・水が凍って硬く(滑りやすく)なっている状態をいう。/~に凍っとる。
かんがら
[
gangara
]昔は今みちょうな箸じゃなしに、こうぞの皮を剥いた~ちゅーもんがあったんです。それもよーすべる丸こいこうぞの皮をむいたのをこのぐらあな箸の長さに切って、それをよーけこしらえといてお客さんに使うんですわ。ほんで、それ、わりと口ざわりのよい箸が出来るんですわ。「京昔」
かんかん
[
kankan
]缶。
がんがん
[
gangan
]勢いのある様子。
かんかんぼーず
[
kankanbo:zu
]「京語」に冬の寒い日に托鉢に家を回る僧。寒ぼっさんともいうと。子供の頃前後の言葉は忘れたが「かんかんぼーず、かんぼーず」とはやし立てた記憶あり。
がんぎ
[
gangi
]種を蒔くために畦の上につくる小溝。ガンギをつくることを、ガンギ切るという。タテガンギやヨコガンギなどの切り方もある。「井上」 /がんぎ切「百姓」
がんげ
[
gange
]崖。/岩~を夢中で上って、あとを追うたけど「民話」
かんこ
[
kanko
]大型で三挺櫓と櫂がともに使用できる 主に外航用「民俗」
がんずき
[
ganzuki
]かんじき。「あんこの森」
かんだ
[
kanda
]境。「丹民」p284
かんだ
[
kanda
]だんだん田の場合に、上の田に寄った側がカンダ 下の田に寄った方をマエベラという。「お前は~側から植えてくれ、わしはマエベラから植える」「井上」
かんちょろ
[
kantyoro
]不完全、お粗末。/またいたんだだな、かんちょろな機械だなー。
がんど
[
gando
]鋸。がんどうのこぎり。
がんど(う)びき
[
gando:biki
]行きも帰りも請荷があるような状態を云う。
かんぴんたん
[
kanpintan
]干からびてかちかち(物の固いさま)になって。/その時の蛙(ぎゃある)が、かんぴんたんになって死んどった。「伊昔」
かんぶりふる
[
kanburifuru
]頭を振る。断る。
かんまつ
[
kanmatu
]倹約すること。/あの女子衆のかんまつに免じて、もう一年だき。「伊民」
がんみゃあ
[
ganmya:
]がんまぇ。がんまいの転。雑木・雑草・蔓・茨等が人の通れないほど生え茂ったところ。また雑草が伸び放題の荒畑を言うこともある。一名「がんまい原(わら)」とも。「伊昔」
かんもどり
[
kanmodori
]上戻り。西風が’びやびや’吹いて一時収まると漁師は「わけをした」といって警戒する やがて沖合いで北西風に変って大時化になる「丹町」 ¶→わけ
かー
[
ka:
]蚊。/かーに食われてかいー段にゃー。
き
⇧
きかご
[
kikago
](植)楮。コウゾ。和紙の材。(上世屋)「民俗」
ぎぎ
[
gigi
]川底魚でナマズの仲間だがサイズは小振り。紫色の肌と口髭辺りにとげがあって刺されんように気を使った記憶あり。
ぎぎちょ
[
gigicho
]「きぎ」(魚)に同じ。 と書き込んで「左利き」のこともそーゆーたよーな気がしてきた。あーそれは「ぎっちょ」だった。これは「金国」にあり(俗)と。
ぎごわな
[
gigowana
]強情な。周りの意見に同調しないで自分の考えに固執する人をいう言葉。¶「義強」と充てる。。
きざくら
[
kizakura
](植)マンサク。「吉津」 ¶桜で「黄桜」と言えばウコン桜のこと、某酒造の社長もこれを社名にし(某の意味無しですが、まあええか)会社の庭にも植えてあるとか
ぎしきな
[
gisikina
]丁重な。儀式を重んじる。/ぎしきな家では「野町」
きしゃきしゃ
[
kisyakisya
]肌にこすれて気になる(’はしかいい’様な)感触がある場合に云う。/このシャツ背中がきしゃきしゃするでいらんわぁ。¶但馬でも云うようだ。⇒はしかいー。
きずきゃーにゃー
[
kidukya:nya:
]気遣いない。.心配ない。はずが無い。/なーに ばれるきづきゃーにゃーわ。
きすまし
[
kisumasi
]気済まし。受けた親切や頂き物へのお返しをすること。恩返し。「吉津」 ¶昔の人は親切をいつまでも忘れずに「機会があったら」といつも心に懸けていて、お返しが出来てよーやっと気が済むのでした。
きせ
[
kise
]崖。岸。「畑の~」「屋敷の~」「今日は~の草刈」「井上」 /きせに尻かけて一服しとった所が。「く民」 ¶端、際(きわ)と云ってもいいか。延さんが「山ぎせ」と言うのを聞いた。
きせき
[
kiseki
]せっかち。気急き。/あのもんはきせきなもんだでなー。
きちゃない
[
kityanya:
]汚い。/たんまには掃除せーや きちゃにゃーわや。
きっちゃなげーな
[
kittchanage:na
]汚らしい。きちゃなげな。
ぎっちょん
[
gittchon
]ぎっちょ。
きづつにゃー
[
kidutunya:
]気が楽でない。気に掛かる。すまない、申し訳ない。¶大阪では「ずつない」は腹にも使って「よーけ食ってずつ(術)ない」と言うし「そないしてもろたら、却って気ずつ無うて」なだどの例文あり。「草子」 ¶名古屋にも「きがずつにゃあ」がある
きつねのしりふき
[
kitsunenoshirifuki
](植)イワカガミ(延さん)。
きなくし
[
kinakusi
]木の枝か。枯れた枝の切れ端も。(温子さん) ¶きなぐし。「井上」には「きなぐせ」と。
きなぐし
[
kinagusi
]木の小枝。「海辺」=きなくし。
きばって
[
kibatte
]頑張って。¶気張って。/きばって勉強せな高校に行けんど。
きばる
[
kibaru
]頑張る。/気張って勉強せなすべるど。¶運動会の応援も「○○や、きばれきばれ」だったと「風習」に。
きびしょ
[
kibisyo
]急須。
きみさん
[
kimisan
]きみ(君)。/きみさんは何処の生まれでぁー。
きゃあな
[
kya:na
]このような。/きゃあな目にあうなら行かんけども。「丹昔」
きゃぁーど
[
kya:do
]カメムシ。菜園の害虫の一種。姫虫・ひめさんなどとも云うらしい。 ¶その種類数知れず、田んぼの主要な害虫でもあって、稲が出穂し,乳熟期を迎える頃にくちばしを刺し,米の汁を吸うのです その米は黒くなっちゃう
きやす
[
kiyasu
]消す。「けやす」も耳に残る。/ちゃんと消やしとけよ。
きゃー
[
kya:
]疑問をあらわす助詞。か。/ほんま(です)きゃー(な)。=本当(です)か。
ぎゃー
[
gya:
]側。/こ(そ・あ・ど)っちぎゃー。
ぎゃー
[
gya:
]の様に。/こ(そ・あ・ど)ーぎゃー。こんぎゃーとなることも。地方弁の「こぎゃん事」のぎゃん。
きゃーがわりー
[
kya:gawari:
]気持ちが悪い。¶気合か。「きゃーわりー」と「が」抜けるのもあり。反対に「きゃーがええ」という言い方をする人もあるか。今日(2007.10.30)但東町の同僚がそー云うのを聞いた。
ぎゃーき
[
gya:ki
]咳気つまり風邪。
きゃーて
[
kya:te
]貸して。平坦アクセント。/これちょっときゃーてーよ。-ああ、ええで。/きゃーてくれ。「書いて」「掻いて」は「キャー」にアクセント。/この字きゃーてみてくれ。
きゃーもち
[
kya:moti
]草餅。かい餅。
きゃーるぐさ
[
kya:rugusa
](植)ミゾソバ。
きゃーるぐさ
[
kya:rugusa
](植)ママコノシリヌグイ。(延さん・辰ちゃん)
ぎゃーるぐさ
[
gya:rugusa
](植)ミゾソバ。「養老-野遊び」/ぎゃーる草の花をこんぺいとうに、いぬたでの花をご飯にして、ままごとをして遊びます。「ひとくい」
ぎゃーるご
[
gya:rugo
]蛙子。エダマメの二つ成りの一つしかしっかり実らない鞘をおたまじゃくしに見立てて言う(延さん)
ぎょろ
[
gyoro
]水着無しで(川で)泳いでいるのをこーゆーたよーに記憶する。「フリチン」は男子にしか使えないがこれは男女を差別しないPCなことば。「愛新覚羅」とは関係なかった。他の地方でも「ぎょろ見え」(兵庫県山南町)「ぎょろ出し」(あやべ市民新聞)という言い方があるようだ。/昨日大川に行ったらあのもんらーがぎょろで泳いどったっちゃ。
ぎり
[
giri
]頭の旋毛。つむじ。右巻き左巻きあるいは一つか二つあるのかお互いの坊主頭を見比べた小学校の頃。
ぎり
[
giri
](修助)きり、だけ(only)。/「ほかに子供はのーて、一人ぎりでした。」 「金国」に見出しあり。
きりいも
[
kiriimo
]ヤマノイモの類。これでボタモチを作ったとか。
きりみゃー
[
kirimya:
]きりまい。切米。晩酌のこと。
きりめいか
[
kirimeika
]切目イカ。秋イカを開いて塩をし、干してから茹でた塩イカ。「京食」
きわら
[
kiwara
]屋内の木の置場。主にかまどの近くにあって2-3日分の薪・枝木を置いておく所。「伊昔」
きんかん
[
kinkan
]雪を固めた玉。足で転がし固めてぶつけ合う遊びをした。 ¶「キンカン」といえばしもやけの薬のCM歌「キンカン塗って、また塗って…」の記憶の方が勝つ。
きんとう
[
kintou
]勤勉。
きんのう
[
kin'nou
]昨日。¶名古屋も
ぎんばる
[
ginbaru
]頑張る。気張る。
きんま
[
kin'ma
]木馬。山から木を下ろす梯子型の運搬具で通り道には丸太を埋めて石段状にし接地抵抗を減らす。但し急な斜面では踏ん張って勢いを殺しながら下だらないと雪崩落ち巻き込まれるので必死。
きんりょう
[
kinnryo:
]さおばかり。「丹民」。 ¶均量か?
く
⇧
くいがらし
[
kuigarasi
]食いがらし。食いがらとも。食べかす・もう食べられないような食べ残り。「伊昔」
くいしる
[
kuisiru
]食い汁。麺類(特にうどん)のかけ汁。
くう
[
kuu
]失敗することを'しっぴゃー食う'と云う。 /しゃったー、しっぴゃー食った。
くくりそ
[
kukuriso
]紐など結んだところ?(延さん) ¶→つりそ
くくる
[
kukuru
]結ぶ。繋ぐ。
くさう
[
kusau
]→ふさう。「井上」
ぐざお
[
guzao
]釣竿。
ぐじ
[
guji
](魚)アカアマダイ。鯛のようにきれいな紅い色の魚(但し魚屋で見てのこと)。値もええ魚。
くずかずら
[
kuzukazura
](植)クズ 葛。「あんこの森」
ぐすぐす
[
gusugusu
]緩いようす。ゆるゆる、がぼがぼ。/この靴ぐすぐすですぐ脱げちゃうわいやぁ。↔きちきち
くずしや
[
kuzusiya
]ちくわ・かまぼこなど魚の加工屋。「覚書」
くずす
[
kuzusu
](崖などから)突き落とす。「宮昔」「昔話」¶昔話の「姥捨て」に出てくる言葉。「六十くずし」などの言葉あり。
ぐすだま
[
gusudama
](植)ジャノヒゲの種子。ほろほろだま。(久美浜生まれの匡美さん)
くすばいー
[
kusubai:
]くすぐったい。/やめっちゃ、くすばいい。
くすばかす
[
kusubakasu
]くすぐる。/くすばかしたろかー。やめれーや、くすばいー。
くすべる
[
kusuberu
]燻る。(まっちゃん)。くすぶるの他動詞形。「金国」に無いが「GJ]にはあり。
くすぼる
[
kusuboru
]くすぶる。煙が立つ。/まだくすぼっとったで水を掛けてきやーといた(消やしておいた)。
くそぎゃーる
[
kusogya:ru
]蛙の一種。土蛙。土色でぶつぶつがあり(いもらと同じような)嫌な匂いがする。最近殿様はよー見るがくそぎゃーるはおらんなー。
くた
[
kuta
]くちゃ。/触りくた(くちゃ)
くだく
[
kudaku
]壊す(自動=くだける)。小銭に両替する。/地震で砕けた家 /千円札くであておくれんか。
くたびれだす
[
kutabiredasu
]病気になる。「くたびれ」を「出す」であって進行形の「くたびれだす」ではない。「くたびれ」と「だす」の間に「を」が入る'間'がある。だで「くたびれー」と伸ばすのが多い。かな?
ぐだる
[
gudaru
]ぐずる。¶愚だる?「ぐだ巻く」のぐだ。
ぐち
[
guti
]ごと。=なり。/柿は皮ぐち食うほうがうみゃー。
くちいやしい
[
kutiiyasii
](食い物に)いやしい。食い意地がはっている。戦後生まれの多くはろくなもん食っていなかった(育てる親御には済まぬ言い方だが)。山・里で自分たちのおやつを探し回ったもんだった。
くちいわい
[
kutiiwai
]年酒(ねんしゅ)。正月に親戚縁者知人を招いて共に酒食する宴。「網町」
くちぐされ
[
kutigusare
](川魚)モトの大きいの(敏明君らー)「くちぐさり」とも
くちすぎ
[
kutisugi
]働いて生計をたてること。/~に出てみよう。「伊昔」 ¶働ける年になって親の世話で食っていたことに気付いて自分で口減らしに外に働きに出るのだ。
くちにおぼえる
[
kuchinioboeru
]「美味い」ということを表現することば。/おばあさんは酒好きでそれは血筋でもあったか 暑い夏汗みどろで仕事から帰ると母がすかさず一杯注ぐと「おお、口に覚える」とひどく喜んだ「吉津」 ¶今年初めて作った新米をJA谷内で精米して09.9.30朝食に味わう 「おお、口に覚える」ほどの差があった 毎朝納豆で食っていたが 米と味噌汁で2杯食った
くちにわ
[
kutiniwa
]ナベザと土間との境。「丹後の山村生活技術」
くちゃ
[
kutya
]頻りにする。滅茶苦茶の「くちゃ」も繋がるのかも。「くた」とも。/使い方もよお知らんのにいろいくちゃして壊すだにゃーで。但し全ての動詞に繋がるわけではない:いらう、さわる、揉む、ねぶる位が思いつく。
ぐつ(が)わるい
[
gutu(ga)wari:
]都合が悪い。バツが悪い。¶合都からか?
くつばいい
[
kutubai:
]こそばゆい。「海辺」
くつわかす
[
kutuwakasu
]こそばかす。「海辺」
くねる
[
kuneru
]くじく。/足をくねった。
くべる
[
kuberu
]燃やす。/もっと薪をくべな(くべないと)、風呂が沸かんど、夏だにゃーだで。/竹の皮は火ばしかいからというてそまつにせなんだ わしらの小さい頃から、竹の皮を風呂の下にくべなんだ「丹伝」 ¶「くど」の「く」に繋がりそうな動詞だ。¶「広辞」に「くぶ」あり{火に入れてたく。燃やす。口語「くべる」}とあり
くみる
[
kumiru
]蒸れる。
くもがき
[
kumogaki
]甘柿の一種。一口齧れば「のぎ」がいっぱい有ったと、遠いながら(食い物のこったで確かな)記憶
くもじ
[
kumoji
]菜の漬物。
ぐやー
[
guya:
]具合。「金国」に「調子。体の様子。」とあるが 丹後では都合、体調、気持ちまで幅の広い言葉。肩を揉んでもらって「あーぐやーがええ」とか「その日はぐやーがわりーなー」あるいは元気のない子に「どっかぐやーがわりにゃーか」などと声を掛けた。
ぐら
[
gura
](魚)ノロゲンゲ。水深二百メートル以上の泥深いところに住む海底魚。冬期ズワイガニと一緒に底引網にかかる。漁師はこれを汁にして体を温めると。グラ汁。
くらかけ
[
kurakake
]ふみだい。ふみつぎとも。
くらがす
[
kuragasu
]なぐる。/ほーけたことゆうとったら、くらがすどー。/鉈でぽんと、くらぎゃあたら、死んだもんだで「丹民3」
くらたてる
[
kuratateru
]倉建てる。餅が焼けてぷっと膨らむことをいう。「伊昔」
くらまぎれ
[
kuramagire
]暗がりの中で。/ぼっただーやー、~に。(浩ちゃん)「広辞」にあり。
くらや
[
kuraya
]農具・藁などの倉。納屋。物置小屋。
ぐり
[
guri
]リンパ腺の腫れ。/股にぐりがでけていてぁー段にゃー。「金国」にはぐりぐりで載っている。
くりゃーぬけ
[
kurya:nuke
]大飯食い。
くる
[
kuru
]捲る。(トランプなど)シャッフルする。/よーくってから配るだで。/もっとよーくらなあかんどいや。
くるぶく
[
kurubuku
]うつむく。稲が実って穂が垂れることにもいうた(延さん)
ぐるわ
[
guruwa
]まわり、周囲。「まんぐるわ」とも。/家のぐるわを探す。
くろ
[
kuro
]堤防。
くろかわ
[
kurokawa
]茸。黒い。コリコリして美味しいと聞いただけだが [未完]
くろくち
[
kurokuti
](貝)オオノガイ。 ¶阿蘇海に生息し名前の由来どうり口の部分(水管)が黒い貝です。主に地元で利用され他府県には殆ど流通していません。お勧めレシピはフライ、天ぷら等、手っ取り早く炭火で素焼きしても美味。カキのようなクリーミーさと甘みが強いのが特徴。
くわがい
[
kuwagai
]桑畑。
くんじゅう
[
kunju:
]大人数。¶群集か。まさか国中ではなかろー。「広辞」に「くんじゅ(群集:クンは漢音)多人数が群がり集まること、またその人々。」と
くんじんな
[
kunjin'na
]几帳面な。
ぐんだ
[
gunda
](植)ヤマブドウ。「あんこの森」¶「丹町」にはナツハゼに「地方名グンダ」との解説あり。地域差か? ¶柳田「グント 秋の山々に熟する山葡萄を、加賀・能登の諸郡で~、同じ日本海沿いの但馬・丹後あたりでグンダといふのは、「えびづる」の類である(但馬方言集)。丹後の各郡では春の若葉を採って草餅に入れる風がある。」
くんなる
[
kun'naru
]呉れる()の丁寧語。くださる。丹後では「おくんなる」が多いと思う。/こんなええもんをおくんなるだきゃーな、
くんにゃー
[
kun'nya:
]〔久〕ください。他地区では「おくれ」と云うのが普通。標準形は「くんな(は)れ」。これは久美浜訛。/そーしてくんにゃー。
け
⇧
げ
[
ge
]..そう・みたいに(な)。/こうじゃげに=なまいきに。/ほんまげに=本当らしく/あほたれげなことゆうとるな=あほみたいなこというなよ。/泣きそうげな顔。
げ
[
ge
]家。僕んちの「んち」つまり「の家」。→「ね」「え」 /わしげ=俺んち。/おみゃーげ(お前の家)。/わしげの物・者は「げん」となる。/そりゃーわしげんだ。
げ
[
ge
]げや(下屋)。ひさし屋根になっている部分をいう。ホンダチ(本建)に対する語か。「シモアズミにゲを建てました」「井上」
けぁーさま
[
kae:sama
]逆さま。上下左右が逆。「海辺」
げぁーにになる
[
gae:nininaru
]塩水に濡れた手に冷たい風があたり釣り針に餌を掛ける事が出来ぬほど手がかじかみ指が蟹の足のように曲がったまま動かせない状態を「手がぎゃーに(蟹)になった」と表現する「海辺」。 ばんこで暖めるしかない。
けしょろ
[
kesyoro
]煙管。きせる。
けしょろどんぼ
[
kesyorodonbo
]オニヤンマ。「海辺」
げすい
[
gesui
]いやしい、下品な。
けずら
[
kezura
](樹)イヌツゲ。この木の枝を莚の上に置き蚕のまぶし(蔟・簇)として使ったとか。
けっつく
[
kettuku
]蹴飛ばす。けっとばす。
けっつらがす
[
ketturagasu
]蹴飛ば・す(・しまくる)。/そこらへんのもんけっつらぎゃーで逃げていった。
けっとう
[
ketto:
](衣)雨具、今で言う毛布だがドンゴロス製。「丹町」
げっとくそ
[
gettokusso
]びり。びりけつ。びりっけつ。べった。べったくそ。
けつまずく
[
ketsumaduku
]躓く。「けっつまずく」もあり。
げつよのばんに
[
getuyonoban'ni
]戯れ歌の文句。「月夜の晩に火事がいって、水持って走る木さんが、金玉落として泥(土ろ)まみれ、明日の日曜あらいましょ。」と一週間が読み込まれている。
けつらがす
[
keturagasu
]蹴散らかす。促音になることも。/辺りのもんをけ(ッ)つらぎゃーて逃げていった。 ¶名古屋も
げな
[
gena
](伝聞)らしい。=みたいな。⇒「げ」¶名古屋も
けぶたい
[
kebutae:
]煙たい。/けぶてぁーてかなわん。
けら
[
kera
]伊根町では多くの場合イナゴのことを云うが昔はキリギリス・コオロギ・カマキリなどいろんな昆虫の総称に使われていたといわれる。「伊昔」
けん
[
ken
]けれど。/行きてぁーけんなー 用があって行かれへんだーなー。
げんくそ
[
genkuso
]縁起(が悪い)。/正月早々から土瓶めえだりしてげんくそが悪りー。
けんさい
[
kensai
]手下、家来。
けんたい
[
kentae:
]遠慮なし。おおっぴら。おけんたいとも。/正月の三箇日はおけんたいにゆっくり休めたもんだ。/「白搗き白飯食いぬいて、三日はけんたい丸休み」
けんたく
[
kentaku
]愛想づかし。/けんたくした。
げんたくする
[
gentakusuru
]愛想が尽きる。「おんな」
けんなー
[
ken'na:
]けどな-。⇒けん。
けんぱす
[
kenpasu
]カンバス。ズック。粗く織った麻布。¶canvas /野球ではミットがなくて、水筒の~で作って使った。
こ
⇧
こ
[
ko
](接頭辞)強調 /~年寄ってから/~もろー負けた/~りくつこねる/~ろくにできもせんくせに「井上」
こあて
[
koate
]ちょっとした下心。「あて」は当てが外れるなどの’あて’でしょう。/小当てがあってのやさしい言葉。
こいっぴゃー
[
koippya:
]小一杯。溢れるほどに。たっぷり。¶「こ」という接頭辞には「ちょっと」と「大いに」という矛盾する意味あり:「こじっかり」「こばらがへる」などに対し「こにくらしい」「こなまいき」など。/こいっぴゃー文句ゆーて来た。
こう
[
kou
]飼う。/こうじをこーとる。
こうか
[
ko:ka
]ネムノキ。/兎はこうかの木をいまだによう食う。「宮昔」 ¶「こうかが鮮やかに咲いたら」その年は豊作と岩ヶ鼻の泉さん。
ごうがわく
[
gouga-waku
]腹立たしさに心がいらいらする。「海辺」 ¶名古屋でも「ご(う)がわく」
こうこ
[
ko:ko
]香香、漬物。特に糠付け大根のことをゆうたように思う。「こうこう」「こーこ」。
こうじ
[
kouji
]子牛。「麹」と同じアクセントだがまあ話題で判断が出来る。
こうじゃげに
[
ko:jageni
]えらそうに、また物知り顔で云うものに対して云う。その実よー知っていないと回りはよー知っている。¶巧者。こうじゃぶって。/こうじゃげに言う。⇒「げ」
こうばいよう
[
koubaiyo:
]勾配良う。うまい具合に。都合よく。「伊昔」
こうりょく
[
kouryoku
]手伝い。「功力」。
こえたんご
[
koetango
]こえたご。肥桶。
ごえん
[
goen
]祭の翌日。¶後宴。「浪花聞書」に「節句或は月見抔(=など)其外惣て物日の翌日を云」と。
こおぎゃー
[
ko:gya:
]この様に。こんぎゃーとも。地方弁「こぎゃん、どぎゃん」の「ぎゃん」。/こーぎゃーするだーやー。
こおばこ
[
ko:bako
](植)オオバコ。/~のとうを取って互いに合わせ引っ張り合う「甲坂」
こおり
[
ko:ri
]熊野郡をこおりゆーた。熊野こーり。「丹民」。こーりことば。
こがい
[
kogai
]子飼い。養蚕のこと。「峰郷」「甲坂」
こぐ
[
kogu
](草木を)引っこ抜く。/山で見つけてこいで来た。/植えちゃー欠(こ)ぎ、植えたか思ったら欠ぎしとる。なんぼしたって、あんなもん根が付かせん(「丹民」p278)。
ごくとうされ
[
gokutousare
]ごくとうは「極道」と思われるが「され」とは「たれ」の変化か?
こくぼ
[
kokubo
](植)サルナシ。地方名に「こくわ」あり。
こぐる
[
koguru
]くぐ(潜)る。/桜の比治山トンネルこぐったら久美浜に下る道にも桜。
こけなり
[
kokenari
]こいたばかり。/牛糞の~のが湯気が立って(「伊民」p50)。/牛糞が、ポケーリ、ポケーリ、~のが湯気が立って「丹民」
こけん
[
koken
]げんこ /踊りの邪魔すりゃこけんだぞ こけんが嫌なら退いてくれ
こけんじょ
[
kokenjo
](植)=こせんじょ(ろ)?「養老-野遊び」
こけんじょ
[
kokenjo
]ヤマツツジのこと。花は、食べると酸っぱく、「もーち」と呼ばれる、もともちした食感の虫こぶもよく食べました。「ひとくい」
ここ
[
koko
]アクセントは「個々」のように初音が高い。平らな発音の「ここ」(英:here)を強調しているのか。この地下(じげ)では、と云いたい時にはそのように言うと(博司さんや延さん) /ここ(here)奥大野に住むなら、ここ(強調)の仕来りに習わな
こころよしに
[
kokoroyosini
]快く。/お爺さんこころよしに泊めてくれたと「京昔」
こさえる
[
kosaeru
]こしらえる。作る。(変化)こしぁーた=(過去)こしらえた。⇒ほーろー。
こさげる
[
kosageru
]標準語では「こそげる」。はつる、削り落とす。掻き出す。こさげ落とすなどという。
こざら
[
kozara
]細かいあられ。「~がたくさん降ると、根雪になる」と「井上」
こじうー
[
kojiu:
]女の子。「甲坂」
こしかむ
[
kosikamu
]腰咬む? 気になって心にひっかかる。/こにゃーだの五千円がこしかんどって…(延さん)。
こしき
[
kosiki
]蒸篭。せいろ。「昔話」
こじける
[
kojikeru
]かじかむ。手が寒さで痛くなり自由に動かせんよーになる。
こしゃべら
[
koshabera
](植)コシアブラ。「こしあぶら」を早く言うとこーなるようだ。¶我が父から教わったことば。 ¶柳田「コサブロウ 金漆、こしあぶらの木のこと。此名は倭名鈔にも見えて居るが、訛って小三郎という處がある。羽後の仙北地方などでは、正月十五日の祝棒もこの小三郎を削って拵える」
こしらえ
[
kosirae
]準備、特に出かけるための着替え等の。/こしらえするでちょっと待っとってーな。 ¶(動)こしらえる。「さあさあ自分の着物着てこしらえなれ」「丹昔」
こしわり
[
kosiwari
](衣)農夫が着る腰までの仕事着。「丹町」
こすい
[
kosui
]ずるい。 ¶名古屋では「こっすい」と
こずむ
[
kozumu
]小便が溜まって我慢している状態を「こずむ」という。/(授業が終わってトイレでの会話)さっきからしょべんこずんどっただー。わしもだっちゃ。「京辞」には「(動五)一杯に詰まっている。/箱にリンゴがこずんではいってるわ」と。丹後では「小便」に限って使われていたと思う。
こずめをひらう
[
kozumewo-hirau
]ちょっとした言葉尻を捕らえてとやかくなじる。「海辺」
こせ
[
kose
]土手。/高いこせから下にずり落ちとったって「丹昔」
こせとる
[
kosetoru
]ませている。⇒こーせる。
こぜる
[
kozeru
]標準語では「こじる」が相当するか。えぐったりねじったりする。
こぜる
[
kozeru
]さからう、たてつく。/酒飲んでこぜる。
こせんじょろ
[
kosenjoro
]ツツジに似た赤い花でこれは食えた イグサに刺して集めた。 ¶「吉津」に「イチゴの後はコセンジョ 赤花ともいうこの山ツツジは(...)甘酸っぱい味が楽しかった。」とあり。今ではよう見分けでけへんよーになっとるのが悲しい。「羽衣」にはヤマツツジと。ツツジよりかやや遅れて咲くようだ。
こそばい
[
kosobai:
]くすぐったい。動詞もあり「こそばかす」。¶名古屋も
こぞる
[
kozoru
]土を削る。草木を刈り取る。/そっちの土をこぞって、こっちにかぶせーや。
ごち
[
goti
]お手玉。おじゃみとも。
ごつ
[
gotsu
]煮えきらぬ飯。ごつめし。「井上」 ¶芯が残って食い難い飯。飯にアラデンテはあかん
ごっつい
[
gottsui
]すごい。/ごっつい馬力で。=がっしゃー。
ごっつぉー
[
gottso:
]ごちそう。/(俺)わー 今夜はすげーごっつぉーだーやー 何かあったんかー?(母)なにゆーとるだいや あんたの誕生日だがな!/ゴッツォーの入った重箱を腰にくくりつけてノタノタほうて「丹民4 ぼたもちぎつね」 ¶名古屋でも
ごっつぉーさん
[
gottso:san
]ごちそうさま。俺今でも店でラーメンなど食い終えたら、「勘定して」の意味も含めて「ごっつぉさん」と云いながらレジに
立つ
向う。
こっつく
[
kottuku
]突っつく。/鶏が餌をこっつく。¶「こ」突く。¶名古屋も
こってうし
[
kotte-usi
]雄牛。こってー。 ¶「旺古」に「ことひ[特負・特牛] 強健で多くの荷を負うことが出来る雄牛」と、「こってい」もあり ¶山口県豊浦郡豊北町(現下関市)には特牛(こっとい)ちゅーJR駅があるとか
こってす
[
kottesu
]「事です」の当地訛。関西の「えらいこっちゃ」の「こっちゃ」の丁寧省略訛。/まー、そーゆーこってす。丁寧に云わない時は「こった」となる。¶「こった-こってす-こってすと」と並べると英語の比較級-最上級を思い出しちまう。
こってー
[
kotte:
]雄牛。
こっとん
[
kotton
]ことども、ことなんか。「こっとも」となることもあり。/そんなこっとん知らん。
こっぺ
[
koppe
]「松葉蟹のメス。せこ蟹とか”こっぺ”と呼ばれ、内子(うちこ)、外子(そとこ)が非常に美味。蟹の美味しさをすべて兼ね備えています。」と 「魚政」のサイトで知りました。雄の松葉蟹に比べるとはるかに小さく足・身も貧弱だが楽しみは先ず内子 殻の中にある赤い粒々(これを最後に食う人・真っ先に食う人で運命が分かれます?)。それから腹側のポケット(エラにくっついている)卵が外子。新鮮なものはピンク色らしいが店で買う頃には変色すするのでややレンガ色したものしか食ったことにゃーけど。 ¶北陸のほうでは「こうばこ(香箱)がに」という ¶昭和の年長者らーは’たんの食い’、肥料にするほどだって「車力で買いに行った」「稲木に干した」などの話を聞く
ことぼし
[
kotobosi
]スタンド風の石油ランプ。「風習」
こどもいらー
[
kodomoira:
]子供たち。「こどもらー」もあるが。
こなわ
[
konawa
]用水の漏って困る田や、冷水が入って稲の生育が悪い田などに、その漏る部分、冷水入の部分を区切るために田の中につくられた細い畦。「井上」 ¶田に入る水を都合のいいように導く(漏る箇所を避け、山からの冷水が直接田に入る前に迂回させるなど)水路となる ¶「ひよせ」という地方もある
こにゃーだ
[
konya:da
]この間、先日、さきごろ、こないだ。/こにゃーだは勝手しましてすんませんでした。
このしろ
[
konosiro
](魚)コハダ。久美浜の「このしろ寿司」の中身はシャリでのーて「おから」。 ¶漁師が「このしろとり」しとるのを見て殿さんが「ありゃー、何だ」-「こそしろとりに候」-「この城取り?」と逃げたとか、逃げなんだとかの昔話あり
このせんど
[
konosendo
]先頃。せんだって。/そんならこのせんどじげの衆が、そのイリョー橋のへんで、狐に化かされ…「く民」。
こばる
[
kobaru
]辛抱する。我慢する。こらえる。/しょんべしたてこばれん。
こびこび
[
kobikobi
](副詞)けちけち。「伊昔」
こぶ
[
kobu
]昆布。¶「喜ぶ」の嘉語を尊重し「ん」を省いたか。
こぶしがため
[
kobusigatame
]拳固め。大勢の人が集まって何かやる行事(例えば祭)で準備・練習など数日掛かる場合に事前に参加者を集めて酒・料理でもてなす宴。飲んでガンバローの集まり。その後も「中締め」とかゆーて飲み食いあり、終れば「仕上げ」でまた飲むのです。止められん。ほいでもこの会合が有ってこそお互いの息が通い合って行事が上手く行く事も確か。飲んでわいわい言うのが楽しいのです。
元は婚礼に関係した言葉か 仲人が何度も酒肴を持って訪ねてようやく結納の話がまとまった時に飲み交わす事を言うと「網町」
こぼ
[
kobo
]男の子。「甲坂」
ごま
[
goma
]白黒斑の鶏(延さん)。昔けっこう飼っている家があったが今は見ない。横斑プリマスロックという種類か。
ごま
[
goma
]甘柿を齧ったら見える黒っぽい点々。柿が甘く熟した印。渋味のタンニンが封印され完熟(ずくし)前でも食える。渋柿でも出来て美濃柿など大粒の柿など'ぼって'食えば食いでがあった。ほいでも'へた’近くは渋味が残っていたよーな。子供なりに食うことに真剣な時代でした。
こめんじゃ
[
komenja
]木っ端微塵。「伊昔」。
こもがき
[
komogaki
]菰垣。大正の初期頃まで農家では藁を編んで風雪の防止にコモを作り縁垣にしました「風習」
こもだれそだち
[
komodaresodati
]こも垂れ育ち。部屋に入って戸を閉めない者。昔の農家の大便所は別棟が普通で、板戸は無くて’こも’がぶら下がっているだけだった「網町」 ¶一昔の家(つまり二昔の造作物)での冬は戸障子の開け閉てが大事、特に年寄りには 「針ほどの穴から、棒ほどの隙間風」とおばあさんによー言われたと(春子さん)
こもどり
[
komodori
]ちょっと引返すこと。/へて、こもどりして、そっとのぞいとったら…「丹昔」 ¶こもどり姉妹^^;
こもん
[
komon
]川の小魚「丹伝」。アマゴ。腹に小さな紋があるから(「羽衣」五箇地区の小さな動物)。
こらえて
[
korya:te
]堪えて、許して。勘弁して。/こりゃーてーよ=堪えて下さい。勘弁して。御免なさい。¶子供のころ(昭和30年代)は「こりゃーて」が優勢だったように記憶するが今ではもう聞くことがのーなった言葉。/お経だけでこらいて貰いました。(谷口謙 「古事散策」より)/もう悪い事はせんでこりゃてくれえ「丹民2」
これの
[
koreno
]お宅(の)。/これのはええ子さんばかりでよーすわなー。/これのかどにあからんどるーザクロみてゃな、甘ずーい味がしたそうな。「丹伝」
ごろ
[
goro
]ばかり。=ばっかり。/仕事もせんと酒ごろ飲んでからに。
ころす
[
korosu
]殺す。漬物の「精」を止める。(辰ちゃん) ¶精とは生(なま)のことか?/大根を殺す。
ころっと
[
korotto
]ころりと。すっかり。/ころっと忘れとった。
ごんごう
[
gongou
]五合。/ごんごう枡。
ごんぞうめし
[
gonzo:mesi
]???/縁の下に爺さんを隠いて、そしてまあ、爺さんにいっつも~やっとったと。「久昔」 ¶→「ごつ」(ごつめし)のことだにゃーかなーと思って
こんた
[
konta
]〔久〕あなた。
こんだ
[
konda
]今度。次回。/こんだ遭ったらひでーめに合わしちゃる。
ごんた
[
gonta
]腕白(坊主)。「広辞」に「権太(浄瑠璃「義経千本桜」鮓屋の段の人物”いがみの権太に基づく)(1)わるもの。ごろつき。(2)いたづらで手におえない子供。」と /「まんだ小さあだもんに、ごんたするのはしゃぁなあわやあ」(「丹民」)。「大阪詞大全」には「ごんたとは わるものゝこと」とある。
ごんたくれ
[
gontakure
]大人の「ごんた」?
こんだけ
[
kondake
]これだけ。/こんだけゆーても分からんもんは もー知らん。勝手にせー。
こんところ
[
kontokoro
]このところ、このごろ
こんなかに
[
kon'nakani
]1.こんな所に 2.この中に(1)の意味では「か」に高音アクセント。場所の「か」参照。(2)「この中に」と言うときは「こん」と一瞬間をおいて「なか」にアクセント。 何れも後続の「に」と融合して「きゃー」となるのが丹後弁正調かな/(1)こんなきゃー置いとくないやー。危にゃーわや。 /(2)こんなきゃ~入れとこーきゃー。
ごんなやあ
[
gon'nya:
](動)イソギンチャク。「覚書」
こんなん
[
kon'nan
]こんなもの。/こんなんがええだか。/こんなんいらん。
ごんぼ
[
gonbo
]ごぼう(牛蒡)。ほいでも「きんぴら」のあとには「ごぼう」と云って「きんぴらごんぼ」とは云わなんだようーな。
こーかんばち
[
koukanbachi
]ネムノキ。ネムの漢字は「合歓」=「ごーかん」。ここから「こーか」の語も生まれたか。「ぱち」て何?
こーじゅー
[
ko:jyu:
]毒毛虫。
こーずき
[
ko:zuki
]子負い紐。
こーせる
[
ko:seru
]ひねくれて育つ。知恵をつける。/最近は子鹿でもこーせとって、どもならん。 ¶落語「たちぎれ線香」に「劫経た(こうへた)」あり /お前何や、番頭さん番頭さんと人に奉られてたらえぇかと思て、たかが丁稚の劫(こぉ)経たやつやないか
こーりことば
[
ko:rikotoba
]昔、熊野郡を「くまのこーり」と云った。丹後では熊野郡のことばが周辺の他郡と変わっていて一段低く見ていたと「井上」
さ
⇧
さい
[
sya:
]おかづ。お菜。
さいが
[
sea:ga
](接続)~したところが。/差出人を見るとさいが /車から降りるとさいが、寒びー (これ延さんから聞いて知ったが、その時の文思い出んのです) ¶名古屋も
さいたもどし
[
saitamodosi
]秋冬の海上の気圧は急速に移動、南東よりの風が急に南、そして南西に回りさらに北西に変って大時化になる「丹町」
さいまげる
[
sae:mageru
]干渉する。 ¶「大阪詞大全」に「さいまぐるとは ですぎること」と。
さえん
[
saen
]菜園を丹語ではこう云うと延さんから教わった。
さが
[
saga
]坂。
さかしま
[
sakasima
]逆さま。
さかつんぶりうつ
[
sakatunburi-utu
]ひっくりかえる。「海辺」
さかとんぼり
[
sakatonbori
]真ッ逆さま。
さかむかえ
[
sakamukae
]酒迎。伊勢講などで代参の帰りを迎える酒宴。「京食」
さかもどり
[
sakamodori
]逆戻り。「民話」
さき
[
saki
]先日、その節。あととも。/おーきに、さきには大にんじゅうでよばれまして、なーんにもてつでぁー(手伝い)せんとって…。
さきっちょ
[
sakitcho
]先端。
さきっぽ
[
sakippo
]先端。
さきゃー
[
sakya:
]だから。関西弁の「さかい」はこうなる。/ほいださきゃー=そやさかいに。
さく
[
saku
]草木の枝が分かれ出る。/枝に枝がさく。「伊昔」
さざえのふんどし
[
sazaenohundosi
](貝)サザエのしりっぽのほう「丹昔」¶緑色していて食ったら苦いが通はこれを好む。
さざえぶう
[
sazaebuu
]サザエの殻 シャツのボタンになる。 昭和22年頃まではこの殻のほうが貴重だった。 身は子供のおやつ代わりだった 。サザエ漁師といって一人前の漁師はとらなんだ。(「食風」間人のサザエ飯)
さざんきょう
[
sazankyo:
]さざん杏。スモモ(李)の仲間。これ以上の情報今ん処なし。¶ちなみ:杏林(キョウリン) 医者の美称。三国呉の名医の董奉(トウホウ)は病気の治療代として杏の木を植えさせたのが林となった故事(「神仙伝」)。
さしがや
[
sasigaya
]屋根葺きの補修用の笹材。「丹後の山村生活技術」
さす
[
sasu
]担い棒の一種。天秤棒よりはやや長くて太い。稲・麦・刈草・薪などを担うのに使う。「伊昔」
さっきんがた
[
sakkingata
]ついさっき。今しがた。¶先つ方。
さっくり
[
sakkuri
](衣)田井(舞鶴市)・袖志・蒲入など丹後の漁村では冬の漁や夏の山仕事には古い布を裂いて撚り合わせ木綿糸か麻糸を経糸にして織り込んださっくりという上衣を着た 袖あり・なし/腰・膝までの種類あり 女は家事労働にも着用し嫁入必携の労働着とされた 「丹後のおにもめん(鬼木綿)」といわれ分厚く重いが冬は冷たい海水がしみ通らず夏は日射を遮ってかえって涼しく 山仕事ではせいた(背板・しょいこともいう)を背負うとき素肌の上に着用するが汗をかいてもべとつかず夏冬ともに用いた。「民俗」 久僧地区を中心に用いられた仕事着兼雨具。経糸は麻か木綿で古着を裂いてヌキとして織り上げる 「イバラの方が避ける」といわれた。「さっこり」とも。「丹町」
さとく
[
satoku
]織機の杼(ひ)、シャトル。「丹後の山村生活技術」
さなぼり
[
sanabori
]田植え終了の祝。早苗登。さなぶり(早苗振)、さのぼりとも。「民俗探訪事典」には「田の神が天に帰る(のぼる)こと」との解説あり。
さばす
[
sabasu
]冷す、覚す。
さばどり
[
sabadori
](鳥)鯖鳥。オオミズナギドリ。鯖の群れを教えてくれる。「海辺」
さばなわ
[
sabanawa
]鯖を獲る延縄漁法。古くから行われた漁法「伊民」
さばる
[
sabaru
]掴まる。しがみつく。/ひげだらけのやせた男が船にさばっとった」「丹民」p41
さびあゆ
[
sabiayu
]錆鮎。産卵期に近づいた鮎 特に雄は腹部側面が痩せて窪んでくる 雌は脂肪で肥えて目立たないが同様「うかわ」
さびい
[
sabi:
]寒い。さぶい。/う~さびー。/わーさびーわやー。/わーさびっ「ワサビ」、なんちゃって。
さびてこ
[
sabiteko
]錆が中まで回っている、錆が酷い状態を表す。/さびてこで もー使えんなー こりゃー。さびてんこ、とも云うたか。
さぶい
[
sabui
]寒い。/今朝はさぶいなー!/うーさぶっ! /さびいさびい大歳の晩げ、雪は降るに、とぼとぼとぼとぼ歩いとって「京昔」¶名古屋も
さぶいぼ
[
sabuibo
]"鳥肌。寒疣。/さぶいぼが立った。¶名古屋では「さぶぼろ」「ぞぞけがたつ」 "
さよりみたいなひと
[
sayorimitainahito
]サヨリはトビウオのなかまで下あごが細長くとがり先端が紅色した美しい魚なのだが、はらわたが黒いので、腹黒いという意味だと「丹G」に。一般的ではない。
さらえる
[
saraeru
]浚う。/ねこわけせんと 全部さらえとけーや。
さらかう
[
sarakau
]さからう。からかう。年少者をからかうように逆らう。
さらしんぴん
[
sarasinpin
]「さら」(新品)を強調してこおゆうた。/おーっ まんださらしんぴんだにゃーか。
さんきゅう
[
sankyu:
](魚)シロサバフグ ¶無毒のフグがいたのだとしりました ほいだで、ふぐ(29)よりありがたいので「39」なのだと(昌ーちゃん説)、但し種類をしっかり見分けられんもんは、止めといたほうがええ 99車で運ばれて昇10(おそまつ)
ざんざんぶり
[
zanzanburi
]土砂降り。
さんしょび
[
sannshobi
]シャシャンボ。「吉津」「シャショビ」として「覚書」にも
さんぜぁー
[
sanzae:
](貝)さざえ。海辺
さんと
[
santo
]「さんにょう」に近い詞だが「=」ではない(辰ちゃん) /~に合わない
さんどまめ
[
sandomame
]インゲンマメ。「奥波見通信」ではウズラマメ。
さんどら
[
sandora
]さんだわら。桟俵。米俵の両端につける丸い藁の蓋。「伊昔」
ざんなげ
[
zan'nage
]見苦しい。「海辺」
さんにゃー
[
san'nya:
]淡水の巻貝。¶「長善」の貝類の項に、「にーなやあ」「しんにやあ」とともに「さんなやあ」として「かわにな」とあり
さんにょう
[
san'nyo:
]算用。計算。/そーゆーことも さんにょーに入れとかなんだら後で泣かんなんど。¶「広辞」には「連声でサンニョウとも」と。
さんねんいばら
[
san'nenibara
](植)タラノキ。「あんこの森」
さんねんうずき
[
san'nen'uzuki
](植)タラノキ。「京食」¶棘に刺されるといつまでも疼く。ほんまに痛てぁーど。
さーでぎ
[
sa:degi
]〔久〕例えば近所の寄合にむさい野良着では行けんが「よそ行き」を着る程でもない時に着て行くこざっぱりした普段着。(勝吉さん)。後日 普段着のことと一刀明快(辰ちゃん)。
し
⇧
じ
[
ji
]辺り。/ここらじにあった。
しいばち
[
siibati
]おかわりを強いること。片付けを意識して進める料理 残り物を無くさんためなり。¶強い鉢であろう。
しえ
[
sie
]漬け汁。/四日から七日で~が上がるので、それから本漬けする「京食」
しおしゃ
[
shiosha
]海水のしぶきを含んだ強風 <しおはしお「海辺」
じかたあらし
[
jikataarasi
]地方嵐。程よい荒れもよう。「丹町」
じげ
[
jige
]地元。在、在所。/じげの人。¶「金国」には地下と当てて殿上人でない役人;宮中に仕えた以外の人と。 ¶名古屋も、他所から来た人は「きたりど」だと。
しこうつかん
[
sikoutukan
]どうしょうもない、始末におえん。(浩ちゃん)
じざぁー
[
jizae:
]クヌギの実。どんぐり。木は「子供たちはジザァーノキといい大人はクヌギという。」「井上」
じじい
[
jiji:
](幼児語)ばっちい、汚い。
じじばば
[
jijibaba
](植)シュンラン。(延さん)。
じじゃあ
[
jajae:
]どんぐり。「ひとくい」
じじらかし
[
jijirakasi
]真面目に。「海辺」には「じじらかしやれ」という形で「真面目にやれ、性根いれてやれ」との解説あり。Linksにある「小さな村の方言集」には「じしらかし、こちらえーちゃんらんけど・・・・・まーみてくんなれーなー。」とありメールで問い合わせて「正確に、作ってありませんが まあ見てください」との回答がもらえました。このサイトで初めて知った丹後弁 その後「海辺」で確認 語感が今一だが「ちゃんと」に近い言葉かと愚考しとります。
したまがり
[
shitamagari
](植)シャガ。/したまがりの葉でざぶとんを編んだりして遊んだ「子安」
しな
[
sina
]途中で。/行きしな=行く途中に(で)。帰り(戻り)しなもあり。「な」を省略する言い方もあり。「しま」となることも。他に「寝しな」や「死にしなの臨終の言葉」なども。 ¶名古屋でも
しなかす
[
sinakasu
]死ぬ+「かす」。死なせる。/水を替えちゃらんで、魚を死なきゃーた。
しなぐ
[
sinagu
]細い棒・鞭・綱などで打つ。/牛の尻をしないで坂道を越える。
しなぐ
[
sinagu
]柔らかく曲る。共通語では「しなう」で「金国」にあり。
しにはずれ
[
sinihazure
]死にはずれ。死ぬ目。/千匹狼にぼられて、ひでえめにあって死にはずれにゃあたわいや「久昔」
しぬ
[
sinu
]打撲などで内出血して青痣ができたのを「死んどる」と云った。
じねご
[
jinego
]笹の実。山から取ってきて臼で粉にして団子して汁の実にしたり黄な粉を付けて食った。「子歴」
しのびだけ
[
sinobidake
]矢竹。多くは川岸に生える 昭和の子供は竹鉄砲を作るのに使った。弾は'ほろほろだま'や新聞紙をクチャクチャ噛んだものを使った。奥大野では「ちゃほいだけ」とも云うと同年会で知った。多分秋祭りの太鼓の撥として使った名残かと愚考。しのぶだけ。しのべだけ。「広辞」には「しのべだけ(忍竹)」のみあり「1)メダケの別称。2)ヤダケ2に同じ。」とのみ。
しばいか
[
siba-ika
]スルメイカ。ごとういかとも。
じびきー
[
jibiki:
]背が低い。
しびとぐみ
[
sibitogumi
](植)アキグミ。「覚書」
じべた
[
jibeta
]地面。/じべたに座っとったで尻がいてぁー。¶名古屋でも
しま
[
sima
]途中。「行き・帰り・戻り」などに付く。しなとも。岩波古典大系「浮世草子集」の注に{「しな」は折・場合の意}とあり
しまいぐち
[
simae:guti
]仕舞いがけ、もう終ろうとする頃。/~に一匹うなぎがかかっただげど、するりと逃げた「昔話」
しまいたばこ
[
shimae:tabako
]仕舞いたばこ。(一日の)作業が終って仕舞う(解散)前に仲間で揃って一服すること。タバコの肴は世間話。
しまき
[
simaki
]「丹町」に潮煙に「しまき」と振り仮名あり 「広辞」見れば「風巻」と当てられ「(シは風の古語)風の烈しく吹きまくること。また、その風。<季・冬>」と
しまつでもつ
[
simatudemotu
]始末(倹約)で持つ。椎・松・モチノキが庭に植えてあるのをちょくちょく見かける。その意味を示す言葉と(辰ちゃん)。我家にも有ったのだが松が枯れて今は形も無い、どうしたらええの、辰ちゃん?「始末なしでも持つ」でええですか?
しまむし
[
simamushi
](動物)ゴカイ「命限」
しみゃーご
[
simya:go
]仕舞い子。末っ子。
しみゃーに
[
shimya:ni
]仕舞には。/あのもんは しみゃーに往生こくで、まあ見とれ。
しめおけ
[
simeoke
]「丸ごと煮た鰯を一杯入れ、ふとんを置き、その上に厚い木の蓋をしてジャッキで絞め」ると「海辺」 → ふとん、ほしか。
しめし
[
simesi
]おしめ。
じゃ
[
ja
](宮津市山中地区、波路)道切り行事の藁大蛇 →わーわーさん
しゃあらばな
[
sya:rabana
](植)ミゾハギ。「覚書」
じゃいけん
[
jaiken
]じゃんけん。
しゃじゃ
[
syaja
](植)ハルノノゲシ。「覚書」
じゃじゃぶり
[
jajaburi
]土砂降り。
しゃしゃぼ
[
shashabo
]シャシャンボ。「京食」
しゃしょび
[
syasyobi
](植)シャシャンボ。「覚書」
じゃずな
[
jaduna
](宮津市今福地区)道切り行事の藁大蛇 →わーわーさん
しゃったー
[
syatta:
]しまった!
しゃっちもにゃー
[
syattimonya:
]つまらない。/なーんだ、しゃっちもにゃー。
しゃっても
[
syattemo
]必ず、ぜったいに。¶「死あっても」かな?/しゃっても 来てーよ!
しゃな
[
shana
](植)トロロアオイ。和紙作りに用いる「甲坂」
じゃらける
[
jarakeru
]ふざける。
じゃらしい
[
jarasi:
]本気でない、ええかげんな、締りが無い。/あの者(もん)はじゃらしーもんだど。¶真剣味がない、責任感がないなど、この者に任せられない気持 「広辞」などにも「じゃらじゃら」はあってもこれが無いので載せました
じゃらしい
[
jarasii
]責任感がない、締りがない。=じゃりゃー。/じゃらしいもんだにゃーか。
じゃらじゃらする
[
jarajarasuru
]ふざける。/こらッー じゃらじゃらしとんなー!と先生によく怒られたもんだ。
しゃんしゃん
[
syansyan
]元気な様子。/あそこのお爺さんもはう90ちかなっとんなるがしゃんしゃんしとんなる。 /帰っていったら、お婆さん、しゃんしゃんして、うちのおったいうことじゃ「宮昔」
しゃんしょび
[
shanshobi
](植)シャシャンボ。灌木林の山頂など日当たりのよい山地に多い 紫色の実(小豆より小さい)をたくさんつけるが、甘ずっぱいので子供たちが食べる 野兎もよく食べているようだ「井上 ¶五箇では→ばばへら と云うた
しゃんと
[
syannto
]しっかりしている様。/だらだらしとらんとしゃんとせーや。/おくさんがしゃんとこしらえて、今なら訪問着か紋付でも着て(「丹民」)。
しゃー
[
sya:
](動詞連用形に付いて)すれば。/行きしゃー分かるわや。
しゃーしゃー
[
sya:sya:
](動詞連用形に付いて)さえすれば。/後はスイッチを押ししゃあーしゃあ寝とってもええ。/牛だらいに三ばい牛ぐそを喰い~、教えたる。「民話」
しゃーしゃー
[
syae:syae:
]再々、何度も。/しゃーしゃーお邪魔してすんませんなー。
しゃーて
[
sya:te
]させて。/わしにも、しゃーてくれ。/ほな しゃーちゃるで、せえや。/ほな しゃーてもらうで。
じゃーに
[
ja:ni
]〔久〕たくさん。
しゃーにゃー
[
sya:nya:
]しかたない。/済んじまった事はしゃーにゃーわや。
しゃーにゃー
[
sya:nya:
]しようのない。=しょーがにゃー。/仕事もせんといつまでもぶらぶらしてしゃーなやーもんだ。
しゃーれへん
[
sya:rehen
]仕方が無い。=しゃーにゃー。/今頃そんなことゆーてもしゃーれへんわや。/まあ、やっちまったこたー しゃーれへん。もうするだにゃーど。
じゅるい
[
jurui
]じるい。
しゅん
[
syun
]旬、適期。/「撒きしゅんが良かったで、ええ苗に育っとる」(延さん)
じょうおろし
[
jo:orosi
]錠下し。会合など終えて、最後に会場の鍵を掛ける人。物事(例えば稲刈)を最後にする人にも(延さん)
じょうか
[
jouka
]城下。町場。
じょうかい
[
jo:kea:
]常会。隣組の例会。地域によっては組長宅に寄ってする所もあると聞く。
しょうちせん
[
syo:tisen
]「金国」に「承知 (2)訊き入れること。同意。承諾」とある それを否定することば。(そんな事は)駄目、許さん、対抗策を取る。/そんなことして見ー しょうちせんど。「しょーせんど」と聞こえるような言い方になることも。
じょうとんば
[
jo:tonba
]尉と姥。祝言の床の間に掛ける掛軸の絵柄。「町誌」
じょうに
[
jo:ni
]たくさん。ぎょうさん。じゃあにとも。=よーけ。よーさんなども聞くが。
しょうばん
[
syo:ban
]相伴。よばれること。/氏神様の境内に集まり、村からお供えしたお神酒で酒盛りを開くのが慣わしで、子供たちも押しかけてしょうばんした。
しょうぶいち
[
syo:buiti
]形見分け「丹町」
じょうや
[
jo:ya
]たびたび。いつも。/じょーやべったりではかなわん。
しょうやく
[
syo:yaku
]管理する、世話をやく。/(牡蠣をストーブの火で焼いていた時、麿くんが)「~する」と牡蠣を並べたり返したりして出来た物を進めてくれた(2010.1.10) ¶「井上」には「作物の管理手入のこと。/こんなに沢山蒔付けたら~も大変だろう」とあり。
しょうやのき
[
syo:yanoki
](植)ブナ。「あんこの森」
じょうりこ
[
jouriko
]→じょろこ(延さん)
しょうろばな
[
syo:robana
](植)ミソハギ。精霊花。「奥丹後地方史」1974.11.15号井上昭氏による。¶丹後では'ぼんばな'が共通語的か。久美浜では'しゃあらばな'となる。他に'ぼんげ'とも。
じょうをはる
[
jo:woharu
]情を張る。意固地になる。「京昔」/「なに、和尚さんちがいます 仏さんが食ったもです 何よりの証拠 仏さんの口のまわりにぼたもちがついとりましょうが」というてじょうをはっとったげな「丹民3」
しょくてぁー
[
shokutae:
]食傷。食い過ぎ。「方辞」には「食滞」と当ててある。「広辞」にもあり「食もたれ」とも云うと。
じょさい
[
josya:
]失敗。その結果の怪我なども。/じょしゃーせんうちに止めとけ。
じょさいない
[
josea:nea:
]→「じょさい」が無い。ぬかりない。/上方者はどうしても所在(じょせへ)ねへ「風呂」
しょしゃ
[
syosya
]何かする事。辞典にも「所在ない」と。 /しょしゃがにゃー。その後「その人の動作を言う時にも使う様に思います」と(まっちゃん)。/これこれの「しょしゃをしちゃれば」EXCEL(ソフトは何でもええけど)はこうなると塩江のパソコン講師の科白を思い出した
しょみゃー
[
syomya:
]すまい、するまい。/もーあんな事はしょみゃーで。¶自分の意志を云う時には
じょろこ
[
joroko
]里芋の小芋(里ゑさん)「井上」には「里芋畑で親芋から分岐した小芋はその年内に芽を出さないのが普通だがたまに茎葉を伸ばす小芋が出来る これをいう」と
じょん
[
jon
]嬢。
しょんべ
[
syonbe
]小便。=しょんべん。/あー しょんべしてぁー。
しょんべん
[
syonben
]→しょんべ。¶しょんべん石とは尿路結石のこと。
しょーがにゃー
[
syo:ganya:
]為様が無い。しょうがない。仕方ない。=しゃーれへん。しゃーにゃー。ケセラセラ。「広辞」に膝栗毛発端「工面せうといったがしょうがにやあ、違へはねえから落着いて居さっし」の例をあげて(「…た(が)せうがには」の形で)…たからには。…た以上は。と説明しているが、この「しょーがにゃー」ではないのかな。
しょーがにゃー
[
syo:ganya:
]性が無い(悪い)。いけない。=あかん。/しょーがにゃーもんだ。
しょーせん
[
sho:sen
]承知せん。許さない。報復必至だ。/そんなことしてみー しょーせんど。
じょーせん
[
jo:sen
]施錠。/ちゃんとじょーせんしとかな そんなでぁーじ(大事)なもんは。
しょーやくする
[
syo:yakusuru
]野菜をきれいにする。「我峰」より。
じょーり
[
jo:ri
]草履。子供の頃にはそおゆーた。「何してまんねんじょーり」などと云った覚えあり。「まんねん」は多分ラジオで知ったのか…どうだか最早軟体記憶装置の腐りかけた壁際の記憶でこれ以上のシナプス反応無し。
しょーろ
[
syo:ro
]→しょうろばな。
しらた
[
sirata
]白っぽい雲。「丹町」
しらばえ
[
sirabae
]あいの風よりやや南より能登半島から経ヶ岬に向って吹く南東風「丹町」
しらはり
[
sirahari
]白張提灯 葬儀も「友引でも白張をもってすればよい」といわれた「丹町」
しらんまに
[
siranmani
]知らない内に。
しりがえ
[
sirigae
](蚕)除糞 /夜中に呼び起こされて給桑や除糞に従事した記憶「吉津」
しりけつ
[
siriketu
]尻。なぜか同じ意味の言葉を繰り返している。
しりこ
[
siriko
]小指。
しりご
[
sirigo
]1)脱肛。¶尻子。 2)(巻貝などの)内臓。
しりこゆび
[
sirikoyubi
]尻こ指。小指。
しりっぽ
[
sirippo
]尻尾。/「おりんが着物の裾をまくりあげて、人に見せてはならんものを見せたちゅーのは、それは狐のしりっぽが下がっておったですけえ…」「久昔」
しりべた
[
siribeta
]尻。/しりべたをつく=(地面などに直接)座る。
じるい
[
jirui
]水気・汁気が多い。ぬかるんだ。/じるい田 /じるい道
じるた
[
jiruta
]じるい田。湿田。
しれしーれー
[
siresi:re
]本家の伯父さんが苗田(草取りだったか)で歌っていた唄。「しれしーれ どれどれー どこいせー…」以下失念で残念。
しれとる
[
siretoru
]大した事無い。=てぁーしたこったにゃー。¶(高が知れている)のそれ。/雪が積もっとるけどしれとるで夏タイヤでも行けよーで。
しろいか
[
siro-ika
]ヤリイカ。年中とれる。「食風」
しろめ
[
sirome
]カタクチイワシ・マイワシの子。うでたら真っ白になる。(「食風」栗田のしろめ) ¶これを干したものが「チリメンジャコ」。
しんきー
[
sinki:
]やりにくい。きゅうくつ。¶為(し)にくい[sinikui>siniki:>sinki:] 。「金国」に「にくい[悪い] (造語・形)むずかしい。」とあるので為悪いと当てるのがええか。行動の自由度にも使うが気持ちのほうでも使う。気持ちの時は「しんどい」に通じるか。「しんきくさい」もあり。
しんげん
[
singen
]じゃんけん。「我峰」
じんげんばな
[
jingen'na
]青洟。
しんけんばりき
[
sinkenbariki
]すごい勢い。/まっちゃんがさっき真剣馬力で走っていったけど 何かあったんかえ。 ¶人が本気を出したらものすげー力を発揮するのは「火事場のくそ力」などの言葉もある 自分の力を信じよう
しんけんまんけん
[
sinkenmanken
]一生懸命に。「海辺」
じんだらじんだら
[
jindarajindara
]同じ場所を行ったり来たりする様子。「伊昔」
しんどい
[
sindoi
]辛い・苦しいなどをいう言葉。丹後では「えりゃー」(えらい)とゆーたが。電波を通して丹後に入ってきた関西からの外来語。/あー、しんど。
じんねご
[
jin'nego
]→じねご。
しんのみ
[
shin'nomi
]「数が足りずに市場には出荷出来なかったり、小さな魚を指し、漁師がせっかく取っても近所に配り市場には流通することはなかった。」と2013.5.24毎日新聞の京都ページ{丹後町の中浜漁港前の「宇川漁村センター」ではこれを仕入れて「しんのみ市」が毎週火曜日午後3時から販売される} ¶「海辺」には「定置網・旋網など大漁の時、船長の裁量で、労をねぎらい漁夫に若干の魚を配給した。これをしんのみといった。汁のみの変化したものといわれている」と (まとめ)せっかくの漁ものだが、「汁の身」にするしか使い道が無いとの意味でしょう
じんば
[
jinba
]"神葉。ホンダワラ。漁期は1月中旬から3月頃まで。ミネラル特にカリウムが豊富。佃煮として売られている。¶褐藻類ヒバマタ目ホンダワラ科アカモク Sargassum horneriのようだ (Web市場魚貝類図鑑から)* ¶米俵型の気泡を持ち、豊作・子宝祈願などに、また、浜詰では法事に胡麻和えを出す風習が続いてきたとの毎日新聞塩田記事あり(2012.5.25)¶上記*訂正せんなん http://www.pref.kyoto.jp/kaiyo/jinba.htmlによればアカモクの気泡は円柱形、ジンバのは楕円球の形で見分けられると(2016.3.1) ・蛇足ホンダワラ科はSargassumと知ってサルガッソー海 "
じんべ
[
jinbe
]傘貝の一。よめさん貝、片想いなどとも云うらしい。じんべは茹でると身がはらりと剥がれる。→づ(ず)んめ、じんめとも。
しんぼうに
[
sinbo:ni
]諦めずに何度も、あるいは長々と。辛苦して。/ほど(解)かなんだけど、~、そがい言うんで、ほどいちゃったら、… /爺さんはそれを引きずり出して、しんぼうに泣いとった。「丹民3」 /こりゃ、狸め、人のしんぼう作った豆をめえとしめえとし(毎年)食いやがって。「宮昔」
じんめ
[
jinnme
]→づんめ
しーちょちょ
[
shi:tyotyo
]幼児にしっこさせる時にゆうた言葉。「シー」はいかにも放水初めの合図と納得するが「ちょちょ」は何かと考える。長らく考えるまでも無く「チョチョ切れる」の表現が浮かぶ。「ちょちょ」は「納め」の意味かと。
す
⇧
ず
[
zu
](瓜・カボチャなどの)芯部。種のある部分。
ず
[
zu
]煙草のヤニ。「伊昔」
すいい
[
sui:
]酸っぱい。/わーッ すいー 口が曲がるぐりゃーすいい。
すいかがむ
[
suikagamu
]体を小さくかがめる。「海辺」
ずいきごくどう
[
zuikigokudo:
]ズイキ(里芋)極道。背丈を越えるほど良く育ったと、掘ってみれば小さな芋にガッカリ、こんな芋を悪く云う言葉(擇枝さん) 人にも使われるようだで、要注意
すいすい
[
suisui
](植)→すいもん。
すいっちょん
[
suitchon
](虫)うまおい。「スィーーチョン」と鳴く秋の虫。
すいとん
[
suiton
](植)すいば。すかんぽ。「すいと」もあり。「覚書」の「シイシイ」もこれだろう。
すいばら
[
suibara
]とげ。指などにに刺さったときに「すいばらがたつ」という。
すいび
[
suibi
](植)スノキの実。「京食」
すいもん
[
suimon
](植)ナツハゼの実。晩秋に熟す山の幸の一つ。¶青い実は酸味が強いので「酸いもの」
すえくち
[
suekuti
]根元。「丹後の山村生活技術」
ずえる
[
zueru
]くずれる。¶「すえる」が腐って酸っぱくなる意味ならこれは形が崩れる事を表すか。大雨などで地形が崩れる事にも用いる。強調の「ど」がついて「どずえる」とも。
すか
[
suka
]はずれ。あてもんで残念賞だったり、狙って物を投げて外れた場合に「すか食った」などとゆうた。/あー またすかだった。 ¶名古屋でも
すがく
[
sugaku
]熟蚕。体が透き通ってくる頃筵の上に「まぶし」を置いて登らせて、「別の棚に集め、」上に「藁または紙、布などでおおい、「やとい児、くらがり」といって、雨戸をとざして暗室にして繭をつくらせた。」「峰郷」
すかす
[
sukasu
](雪をスコップなどで)取り除く。空かす。/雪すかし。
ずがに
[
zugani
](動)モズクガニ。川蟹で一番大、爪に毛があったように記憶。”こっぺ”程のサイズ。
すきすっぺー
[
sukisuppe:
]すきほうだい。/就職したからには ゆーとくけど学生時代と違ってすきすっぺー出来へんど。
ずくし
[
zukushi
]熟柿。
ずくたんぼ
[
zukutanbo
]ずぶ濡れ。(浩ちゃん)
すくも
[
sukumo
]籾殻。
すこ
[
suko
](接頭辞)強調 /~だんまっとる(黙っている)「井上」
ずずぐろい
[
zuzugure:
]黒いを強調する。他の色には使わない。「どすぐろい」とは違うように思うが…。/「何だえ?あのずずぐれーもんは」と聞かれてもグレーだにゃーだで
ずずなり
[
zuzunari
]鈴生り。広辞苑によれば「果実などが神楽鈴のように多くむらがって房をなすこと。ふさなり。」と。僕らーはそんなこと知らんとずずなりとゆーとった。
すずめのす
[
suzumenosu
](虫)イラムシの繭「長善」
すずめのまくら
[
suzumenomakura
](虫)イラムシの繭「長善」
すすんばち
[
susunbati
]スズメバチ。「宮昔」¶「猿蟹合戦」で蟹の仇討に応援する蜂。囲炉裏で栗がはじけて火傷した猿が台所の水瓶で冷やそうとしたところを刺す役。この後命からがら屋敷から逃げ出す猿に臼がドスンと落ちてきて猿死ぬ。目出度しめでたし。この臼は現在も名前を「ドッスン」と変えて活躍している。
すた
[
suta
](蚕)さなぎ。/村の姉さんが糸引きすると「すた」が出てくる これも焼いて食べるとたまらぬ美味しさだった「吉津」
すだる
[
sudaru
]すざる。
すっこむ
[
sukkomu
]しゃしゃり出ないでいる。ひっこむ。縮む。/おみゃーは口出しせんと すっこんどれ!
すっころてん
[
sukkoroten
]ところてん。またテングサのことも同じように呼ぶようで「京食」には「酢のもの、辛し和え、ショウが和え、ネギ和え」にして利用すると。
すってのこと
[
suttenokoto
]あやうく、もう少しで。すんでのことで。
ずつない
[
zutunai
]苦しい。/蛇が大けなもん飲んで、ずつのうしとるんですて。/それをまあようけよばれただし、ずつのうてかなんだし…。「昔話」 /わりや飯の食立てで、づつなうはないかよ おれに聞かうより、我づつなかないかい「風呂」 ¶「広辞」に「術無い」「術無がる」がある ズチナシの転と
ずっぱ
[
zuppa
]同点、引き分け、あいこ。釣り合っている状態を云うらしい。/ずっぱだでー。/ずっぱにしょーな。
すっぽり
[
suppori
]収穫の無いことを云う。=ぼうず。「海辺」
すっぽろぼんさん
[
supporobonsan
]丸裸。「すっぽんぽん」は「広辞」にあり。
すっぽんぺん
[
supponpen
]先端。てっぺん。/あの~にもののついた錫杖いうだきゃあついて、ああいう杖をついて「丹昔」
すてれんげ
[
suterenge
]すりこぎ。(まっちゃん)
すとんと
[
suto(:)nto
]まっすぐに。/この道すとーんと行ったら店がある。/すとーんと落ちた。
すねぼん
[
sunebon
]臑、すね。
すの
[
suno
](漁)旬、漁期、盛漁期。「海辺」 季節時期で獲れる魚が変わる イカのすの・鯖のすの・タコのすのなど すのの始めにカコを招いて「しっかり働いて」 ともてなす宴会を「胴固め」という すのが止むと「すのあがり」といって感謝の招待がある。「風習」 ¶「一(ひと)すの」という言い方あり。
すのあがり
[
sunoagari
]漁期の終了時期。「海辺」またその慰労会。「すの」参照。¶「どうがため」同様各種行事の反省会のことをも云う。
すべ
[
sube
]わらしべ。
ずぼた
[
zubota
]ずぶ濡れ。/見てみーわしゃー夕立でずぼただ。
すま
[
suma
]隅。/よん(縁)の下のすま(隅)見しゃれ。「狐狸」
すまあどり
[
suma:dori
](植)メヒシバ。「覚書」
すまぶくろ
[
sumabukuro
]藤布製の袋。「米2斗を背負って水車小屋に運んだ」と「通信」に。また「藤布か麻布で作った腰につけて獲物を入れる袋 藤布は強くて水切れがよく水中でも重くならない 上世屋からから買い入れる」と「民俗」
すまんこ
[
sumanko
]隅っこ。隅。すま。「海辺」
すもとりぐさ
[
sumotorigusa
](植)オオバコ。「養老-野遊び」
すりやき
[
suriyaki
]小麦粉の水どきを焼いたもの。のりやき。
するび
[
surubi
]マッチ。¶擦る火。
ずんぎり
[
zungiri
]出漁時の煙草入れ。桐で作られて軽く海水にも浮く「覚書」
ずんぶりこむ
[
zunburikomu
](水の中に)潜り込む。
ずんめ
[
zunnme
]→づんめ
せ
⇧
せいがあがる
[
seiga-agaru
]精が上がる。塩漬けした漬物から水が出ること。漬物のコツは早く精を上げることだと(辰ちゃん)。
せいごかし
[
seigokasi
]ほったらかし。/田はせいごかし、畑も草だらけ。「伊民」
せいた
[
seita
]背負板。しょいこ。
せいだす
[
se:dasu
]精を出す。気張る。頑張る。/「精が出ますなー」(気張っとんなるなー)などの挨拶もあったような。村鍛冶唱歌にあり。/婆さんは精だえて、唐臼をついとっただげな「丹民3」
ぜいにゃあ
[
ze:nya:
]下水。「昔話」 ⇒せせなぎ。
せきりぐさ
[
sekirigusa
](植)ゲンノショウコ。「毎日新聞」の京都ページだったか
ぜぜ
[
zeze
]小銭のこと。「ぜにこ」とも、言った様な、言わなかった様な。記憶があいまいです(まっちゃん)。
ぜぜがに
[
zezegani
](動物)ヤドカリ「命限」
せせなぎ
[
sesenagi
]下水。(「昔話」)¶土を掘割っただけの下水溝。勝手場からの炊事汚水は、この溝をゆっくり流れ、近くの小川か池にそそいでいた。これをせせなぎとよんだ。方言ではシシナゲ(宮城)・セアナゲ(奈良)・ゼーナ(丹後)・シシナゲ(新潟)など。http://homepage2.nifty.com/singingsand/powder/sesena.htmlより。¶これは鳴砂博士三輪茂雄さん(80)のサイト 同志社大学名誉教授 粉体工学 昭和電工で研磨剤研究 07年11月に鬼籍 「琴引浜は瀕死だ 幽霊になっても見守りたい」とパソコンに書き込まれていたとか 新聞で訃報を知って検索してそれと分かったこってした。
せた
[
seta
]背板。/甕をよいしょっと~に背負って「京む」
せっきゃー
[
sekkya:
]「大匙。大たま。」と我が丹語帳には有るが「方辞」によれば「小さじ。セッカイの訛。カイは匙の古名。大匙はカナギャー。」と
せっけんのき
[
sekken'noki
]石鹸の木。ネムの葉を揉むと泡が出るので奥大野ではネムの木だと云う。エゴノキの実を揉んでも泡が出るので俺の育ったとこらじではこれが石鹸の木だった。
ぜにつなぎ
[
zenitunagi
](植)ハマゴウ。「覚書」
せばい
[
sebya:
]狭い。「せばし」は「せまし」の古い形、と「宇治」に /道は狭くて
せみのしょんべん
[
seminosyonben
]量の少ないことの例え。/せみのしょんべんほどの雨(延さん) 。
せん
[
sen
]先日、その節。/せんにはえりゃーお世話さんでして。
せん
[
sen
]しない。「せーへん」とも。/もーせんとけーや。/そんなことせーへんちゃ。/そんないじわるせんとけーや。
せんぎる
[
sengiru
]詮索する。/おりんの身元をせんぎるようなことものうて、「狐狸」
せんぐり
[
senguri
]次々に。せんぐりせんぐり。
せんこ
[
senko
](植)和名ホタルイ。田の雑草。(康男さん)¶初耳の後で田んぼを見回ってなるほど、まだ実が出来ずに水面から突き出た葉?(茎)は線香に見えてくる。
せんぞ
[
senzo
]先度。先ごろ。/せんぞ助けてもろた蛇だ「丹昔」
せんそうぐさ
[
senso:gusa
](植)アレチノギク。「覚書」
せんだ
[
senda
]くさび(楔)、せめぎ。
せんだく
[
sendaku
]洗濯。/せんだっき(洗濯機)。「せんたくき」と言うのは電波系ぐらいだろう 言い難(にく)てしゃーにゃー せめて「せんたっき」 いっそ濁って言えば勢いがある。 ¶「浪花聞書」にも「せんだく 洗濯也」とある。
せんだっき
[
sendakki
] 洗濯機。「せんたくき」など云い難いと思いませんか? 一度こうゆうたらもう「せんたくき」なんてよーゆえんちゃうかー。
せんだら
[
sendara
](植)ヒサカキ。「覚書」
せんだら
[
sendara
](植)センダン。塩江地区で聞いた言葉 丹後には珍しいと思っていたが、網野海岸浜詰界隈には多い
せんち
[
senchi
]便所。/「せんち、山行き、ののさん参り」。「海辺」 ¶雪隠と思われる。「広辞」にあり。「海辺」の例文はどこに行くにも一枚の着物で済ませるという貧乏とずぼらを自嘲する言葉。
せんちむし
[
senchimusi
]蝿の幼虫。長年の疑問が解けました。せんち=便所と知って。
せんど
[
sendo
]何度も。/せんど、ゆーて聞かせても、ゆーことを聞かん ¶千度?
せんば
[
senba
]寒ブリの煮付け。大根おろしで食う。→みいわい。
せんよ
[
sen'yo
]八重、八重咲きの。/せんよの桜。
ぜーな
[
ze:na
]=せせなぎ。ぜいにゃあ。
そ
⇧
ぞうご
[
zougo
]えび引きの網に入ったイシモチ、イトクリ、コチなどの小魚をいう 底魚で味は良いがイシモチは名の通り内臓に小石を持つので嫌われる「京食」 ¶漁師にとっての雑魚、「えびぞうご」など「宮昔」にあり
ぞうごに
[
zo:goni
]ぞうご煮。えび網に入った小魚を炊いたもの「京食」
ぞうすい
[
zo:sui
]雑炊。稲木が空を向いてこけること。「覚書」
そうで
[
so:de
]間もなく。久美浜弁では「さーで」となることもある。
そうと
[
so:to
]そっと。/縄をのうて、そうと崩れんように焼きしゃあしゃあ、灰の縄はできるんだ「丹昔」
ぞうよ
[
zo:yo
]金、生活費。/この子の大きいなるまあでのぞうよにはさしつかえなきのもんが残しちゃるで「京昔」 ¶ぞうよう「雑用」(種々のこまごました費用「広辞」)か。 ¶「新色」に「子産んでからの造用五十目」の例あり。
ぞうりざけ
[
zo:rizake
]草履酒。披露宴を終えて帰る客を門口まで送って立ったまま湯飲みに最後の酒を勧めた。「町誌」 ¶結婚式を家でした頃のことば。これは今でもReuse出来そうなことばだ。例えば村祭では屋台を引いて家々を練り歩いて門口で酒・ビールや肴をよばれる。これは草履酒と呼ぶにふさわしいと思う。
そおか
[
so:ka
]もしくは。そおでなければ。それとも。あるいは。/放課後はめんこしとるか、そーか川で'どてつかみ'したり、'つんばな'を採って食ったりしとった。
そくびがわりー
[
sokubigawari:
]運が悪い。
そぐる
[
soguru
]藁の袴を剥ぎ取る。「百姓」
そこいら
[
sokoira
]そこら。/人生僅か50年そこいら…夢幻みてぁーなもんだ。
そこいらじゅう
[
sokoiraju:
]そこらじゅう。/そこいらじゅうに借金があるそーな。/悪い爺さんのォ、手といわず、足といわず、ソコイラジューウをかんでかんでして、怪我だらけにしただゲナ「丹民」
そこび
[
sokobi
]持って生まれた運、と言う様な意味か?古語辞典に「そこひ」きわまる所とありますから丹後の方言では無いかも知れません。 (まっちゃん)
そこび
[
sokobi
]首の襟足あたり。「覚書」
そのなり
[
sononari
]それっきり。そのまんま。/おおきにも云わんと、そのなり行っちまった。
そばだこ
[
sobadako
]蕎麦蛸。ソバの花が満開の頃に取れるタコ「風習」
そよごのき
[
soyogonoki
](植)ソヨゴ。フクラシバ。「あんこの森」
そら
[
sora
](空間的に)上。/そのそらに掛かっとるだにゃーか。
そら
[
sora
](地形的に)上の方。かみ。/ああ それなら このそらのうちですわ。
それいうが
[
soreiuga
]端的に言うと。「我峰」より。
それこそ
[
sorekoso
]仕舞いには。挙句の果てには。
そろいたばこ
[
soroi.tabako
]仕事仲間が揃って一服すること。朝の仕事始めに人数が揃ってまず一服というのもあり。
そん
[
son
]血筋。血統。「我峰」より。/歯の病気は遺伝するという話があって「歯の悪いそんは、…」と延さん。五一さんからも「そん」を聞いた。
ぞんぞけ
[
zonzoke
]"恐怖・寒さで身の毛立つこと。ぞんぞけが「来る」「さす」と云う。(緑友)。「方辞」に無し。鳥取では「ぞんぞ」といい「走る・立つ・つく」というと。「折折の京ことば」にはゾゾケガタツとあり恐怖や寒さでぞっとするの意。江戸時代には「ぞぞ髪が立つ」と言ったと。 ¶名古屋では「ぞぞけがたつ」 "
そんな
[
son'na
]そのような(・に)。それほど。そんなに。/そんな気になる程でもにゃーが。これ「そんなー 気がする 旅路の果てだ」という祐ちゃんの「錆びたナイフ」の文句にあったちゃう?
そんなら
[
son'nara
]そうなら。ほんならとも。童謡に「そんならお前と駆け比べ…」とあるので却下?
そんなり
[
son'nari
]そのなり。/てのごい(手拭)おてーて(落として)そんなり行きなった。
そんなん
[
son'nan
]そんなもの。/そんなんあかんわ。
そんに
[
son'ni
]そんなに。/そんによーけ食えんわやー。/そんにゆーちゃるないやー。
ぞんぼ
[
zonbo
]存分。思いのまま。/腹がへったし、餅なっと~食ってみたい。「井上」 /亀がもう~して、口がだゆうなって「久昔」
そーれん
[
so:ren
]葬列。葬儀。¶名古屋でも
た
⇧
だいい
[
dai:
]だるい。/あーもー足がだいて歩きたにゃー。
たいがい
[
tya:gya:
]「広辞」に'大概'を当てて解説あり丹後と’てぁーぎゃー’一致する 「大概にする」の見出しもあり。 ほいでも「てぁーぎゃーだにゃー」は丹後特有の表現と思います 「もー、ええかげんにして欲しい」気持ちを表します。
だいく
[
daiku
](動物)アナグマ。「羽衣」
たいこ
[
tae:ko
]コードリール(延さん)。
だいこ
[
dya:ko
]大根。/でぁーこの煮たんも好きだなー。
だいこだぬき
[
dae:kodanuki
]アナグマ。「奥波見通信」
だいじんば
[
dya:jinnba
]イタドリ。でぁーじんば(網野)が正調。=だんじ(網野町郷)・だんじり(岩屋・加悦)・だんじんば(神野・岩滝)・いたんどり(栗田)・いったんどり(宮津)など「京こ」。「覚書」には「だんじりば」と。
たいてい
[
taitei
]大層。大抵でない。/これを建てるのにたいてええらいめをしてくれたさきゃあで「丹昔」
たいと
[
taito
]極早品種の米。株間に植え付けて彼岸後に収穫。「野町」
だいに
[
daini
]一向に。「野町」から
だいぶん
[
dae:bun
]大分。かなり。相当。¶「だいぶ」は「金国」にあり。/(魚)こりゃーでぁーぶ(ん)弱っとるどあっぷあっぷしとる。
たか
[
taka
]農家の(土間の梁上を利用)屋根裏の物置。藁・縄・薪などを置く。
だか
[
daka
]か。/誰だか知らん。/何だかおかしい。
たかしょう
[
takasyo:
](魚)シマドジョウ。たかしん「長善」
たかしん
[
takasin
](魚)川底魚の名前。形はどじょうだが色は半透明で背には模様がある。「羽衣」には「たかしんぼ」と。
たかたか
[
takataka
]たかいたかい。幼児をあやす運動の一種。/おとーちゃん、たかたかして。
たかたかゆび
[
takatakayubi
]中指。たかゆび。
たかどじょう
[
takadojou
](魚)川底魚。→たかしん。
たかばしご
[
takabasigo
]たか梯子「狐狸」。 ¶「たか」に登るための常設梯子。これにいろんなもんを引っ掛けて吊るすなどする。
たごく
[
tagoku
]咳く。/ぎゃーきでたごいてたごいてしゃーにゃー。(風邪で咳いて仕方が無い。)(延さん)
たこつぼ
[
takotubo
]「空襲警報のサイレンが鳴ると...松林まで走って...各自で掘った穴(タコツボ)に飛び込んで首をすくめて解除を待」ったと「たいざ」
たこのまくら
[
takonomakura
](動物)クモヒトデ「命限」
ださきゃー
[
dasakya:
]だから。それだから。ださかい。/ださきゃーわしがそおゆうとったのに。 ¶だしきゃー、というもんのおる。
たたきじる
[
tatakijiru
]いわしのすり身を入れた味噌汁「京食」
たたくれる
[
tatakureru
]折り畳まれるように崩れる。/(ステンと鉄のストーブの違い)鉄は赤なるほど焚くと~てくるとか何とかいう話を延さんがした(2010.1.10) ¶「萬金」に「裾のたたくれしどけなく」とあり、解説に「たたくれ 皺、くしゃくしゃに皺がよることを「たたくれる」という」と。
ただまい
[
tadamya:
]粳米。飯米。
だだもれ
[
dadamore
]ひどく漏れる様子。¶名古屋でも
たつけ
[
tatuke
]たきつけ(炊付)。おどろ。/ほて、狸には一荷~を背負わせて、「狐狸」
だっけ
[
dakke
]だけ、のみ(only)。/わしらーだっけでせんなんのか(他の人はしないのか)。
たつけこり
[
tatukekori
]たつけ樵り。炊き付け用の小木を切ること。これを束ねて持ち帰りかまど・風呂の炊き付け燃料とする。「京食」
だっけしか
[
dakkesika
]だけしか(just only)。/わしらーだっけしか来とらなんだ。
たったかたったか
[
tattakatattaka
]早足で歩くときの擬音。(「久昔」) ¶昔の漫画で=3 =3 みたいのあったしょ!杉浦茂とか。
だっちゃ
[
dattcha
]断言強調。「・・・だ」を強く言い切る。/さっぱり解らんだっちゃ。¶ちなみに我が公民館がイベントで食券みたいに発行したのも「だっちゃ」だっただで。 100datcha=100yen でした。
だっちん
[
datchin
]駄賃。(大人の)手伝いをして褒美に貰う物や金。/これをしてくれたらだっちんにおみゃーの欲しがっとった本を買-ちゃるで手伝いしてくれ。 /「またなんぞくれえ、だっちんくれえ言うにちげえねえさけえ」「京昔」
だで
[
dade
]…だから。/皆辛抱しとるだで、わも辛抱せなあかんなーと思っとる。
たてばた
[
tatebata
]たて畑。山地の急な畑地「丹昔」
たてらかす
[
taterakasu
]立たす。学校で先生の罰として廊下に立たされたどもならず、懐かしい。 /今日一日立てらかしておくで、そお思え「伊昔」
たてり
[
tateri
](未解明) ¶「縦縁(たてへり)」か。トラックの横・後のゲートを立てた時にそう聞いたような記憶。
たてる
[
tateru
](戸・襖などを)閉める。/どっこも戸をたててじきに土間であけてみたら「京昔」
たとむ
[
tatomu
]畳む。
たなご
[
tanago
]小さいフナ(鮒)。¶記憶違いかも。「羽衣」にはフナと。¶「長善」には「鮒の小さいものにつかふ」とあり
たにみずな
[
tanimizuna
](植)ミズナ。山菜。
たぬし
[
tanusi
]タニシ。「久昔」 ¶→タニシは田のにし(巻貝)でしかないが、これは田の主 貫禄が違う。
たねくさり
[
tanekusari
]昔話の終わりことば。府下では伊根町のみと。「たねくっさり」「たねぐっさり」とも。
たねこ
[
tanego
]種蚕。「覚書」
たねん
[
tanen
]大事・大切。
たのし
[
nanosi
]タニシ。淡水の貝の一種。農薬を使うようになって食えなくなったが 稲刈り後の田に入れば取れた蛋白源です。→たぬし。
たばこ
[
tabako
]煙草であるが一服つける意味から小休憩の意味でも。/まあちょっとたばこしょーきゃーな。 ¶煙草と休憩は深く繋がっていることを禁煙努力を繰り返して身に沁みて知る 休憩を意味する「たばこ」に「ひるたばこ」「そろいたばこ」「しまいたばこ」などがある 思えば昔の人の作業はすべて人力、やすみ休みせな体がもたんわなー 今はユンボで「くわえたばこ」 一人で「ひなか」で済んじまうか。
たばこぎゃー
[
tabakogya:
]タバコ貝。[未解明]。
たばり
[
tabari
]「たばる」の名詞形。/たばりがええ=(何かにつけ)蓄えるのが上手。(まっちゃん)
たばる
[
tabaru
]貯える。たばう、たばえるもあり。/こづきゃー貰ってもすぐに使わんとたばっとくがええど。
だまかす
[
damakasu
]騙す。/騙かされんよーせーよ。/騙きゃーて手に入れたらしいど。「金国」に(俗)としてあり。
たまくそ
[
tamakuso
]着物のたもとにできるごみ。「丹民3」 現代風に云えば作業服のポケットにいつの間にか出来ているのに気付いたゴミの塊。
たまじか
[
tamajika
]竹製円筒の小籠。畑・山の幸を収穫する時の入れ物として重宝。¶玉あじか。
たまどり
[
tamadori
]おじゃみ。「丹町」
だめ
[
dame
](植)ドクダミ。「毎日新聞」の京都ページだったか
たも
[
tamo
]タブノキ。古い神社の側に巨木・老木をよく見る。
だらけ
[
darake
]同じものが集まり寄っている様。/垢だらけの身体を洗う。/汗だらけになって仕事をする。
だらけ
[
darake
]ごと。ぐるみ。…と共に。…も一緒に。/柿はぼってすぐ袖口で一拭きして皮だらけ食うのが普通だった。/搗けたんを立て臼だらけ山のてっぺんからごろごろーっと転がえたら、 ¶「井上」の分布図を見れば三丹では「だらけ・なり・ごと・ごて・ぐるみ・まんま」と散らばるが奥丹後ではダラケが圧勝、宮津の南東部にグルミ・ナリ・マンマがある。
たらし
[
tarasi
]⇔たらすの名詞形。/この子にたらしにやるもんがない。「昔話」
たらす
[
tarasu
]子供をすかしなだめる。/泣く子をたらす。¶名詞は「たらし」
だらだら
[
daradara
]怠け、垂れる様子。/こらー!だらだらしとんなー!しゃんとせー、しゃんと!
だるま
[
daruma
]大型のコンロ。「甲坂」
だれかって
[
darekatte
]誰であろうとも、誰でも。/誰かってこんなことしたにゃーわや、ほだけど誰かがせんなんで、わしがしとる。
たんご
[
tango
]たご(担桶)、にないおけ。肥たんごしか聞いたことがないが。
だんごばな
[
dangobana
](植)センニチコウ。「覚書」 またヤエオグルマ。「奥丹後地方史」1974.11.15号井上昭氏による。
だんじ
[
danji
]いたどり。=だいじんば。
だんない
[
dan'nya:
]構わない。=かまへん。/「これ貰ってもええかえ」-「だんにゃーで」。
だんにゃー
[
dan'nya:
]だにない。どころではない。「金国」に「段 (4)どころ。」として「知っている段ではない。」の例あり。/(秋祭りでは屋台を村中引き回すが朝から酒を勧められ飲んで重い屋台を引く)えりゃーだんにゃー。
だんにゃー
[
dan'nya:
]どうもない。=どーもにゃー。¶大事ない。
たんの
[
tan'no
]十分、沢山。¶堪能。/よーけよばれてたんのしました。/夕べ、鍋でカニをたんの喰いした。 /じんたろべえはそんな半分ではたんのうでなえし /「おお、みんごとたんのうしたか」「宮昔」 /それを自分独りで、たんのうたらふく食べて「丹昔」
たんび
[
tanbi
]たび(毎)。/行くたんびに。¶名古屋も
だんべえ
[
danbe:
]小型の→あじか。「甲坂」
たんぽ
[
tanpo
]たもと(袂)。「海辺」/それで、姉さんの方はその宝物を椎の袋や前垂れやたんぽに入れて持っていんだ「丹昔」
たんま
[
tanma
]遊び・ゲームの時ちょっと待っての「タイム」要求の言葉。「広辞」にあり。/ちょっとたんま! しょんべして来る。¶「海辺」には「たんこ」とあり「しょんべんたんこ」の例あり。
たんま
[
tanma
]たま。偶に。稀に。⇔ちょくちょく。/たんまにゃー寄ってくれーなぁ。 /たんまにしか来てくれへん
だんまる
[
danmaru
]黙る。/だんまっとれ。
ち
⇧
ち(ー)
[
chi(:)
]今はチョキと言ってVサインを横向きに出すという形だが、おっさんらーが少年時には「チー」と言って親指と人差指のピストル形だった 始める時は「じゃんけん、ほい!」といい、「ぐーちーぱー」で競った いつの頃からか「じゃんけん、ぽん」で始まり、「グーチョキパー」に テレビ、ラジオ、新聞の伝達力は侮れなかった時代
ちい
[
ti:
]ち(乳)。旗・幕・羽織・草鞋などの縁につけて紐などを通す小さな輪。「民俗」には「わらじのちつ」とあり「普通2つ、野中・味土野などでは4つある。山城の原地・丹波の芦生などのゴンゾウワラジや山城の静原のグンズはチツが1つで踵の位置が」変えられて長く使えるとか。
ちいとま
[
chi:toma
]少しの間。程無く。/ばくちうちはちいとま考えとったが「丹民1」
ちぎ
[
tigi
]大はかり。「風習」
ちさのき
[
tisanoki
](植)エゴノキ。「あんこの森」¶「ハクウンボク(白雲木)」をオオバチジシャ」と云うらしいが、なるへそ、花はよく似ている(白い合弁花に黄色い雄蘂) 縦貫林道成相線にはこのハクウンボクが多いが、花の時期(6月初め)でないと気付かない。
ちそう
[
tiso:
]シソ(紫蘇)。「京食」
ちぢかむ
[
tijikamu
]「金国」に「縮かむ(自四)からだがちぢむ。」とあるが、言葉不足。やはりこれは寒さ(恐怖でぞっとするなども含めて)がからんでいる。/あーちめた! 指がちぢかんでちゃんと動かん。/吊橋で’たま’がちぢかんだ。
ちっこい
[
chikkoi
]小さい。正しい丹語は「ちーしゃー」即ち「ちいさい」の丹語訛
ちったー
[
chitta:
]少しは。/人のこともちったー考えてせー。
ちっちゃー
[
chittya:
]小さい。/わー、ちっちゃーわや。
ちっとも
[
chittomo
]少しも。/よんべは、ちっとも寝られなんだ。
ちにゃー
[
chinya:
]頃、時分(延さん) /わたしが嫁にきた~には「井上」
ちびる
[
chibiru
]中丹では「しびる」と。(我慢していた大・小)便をちょっと漏らす。こばりきれなんだわけだ。わしもたんまにある。
ちぶく
[
tibuku
](植)チガヤ。これの蕾がツンバナです。「覚書」には「チビク」と。
ちまぐれ
[
timagure
]血まみれ。「伊昔」
ちめたい
[
chimetya:
]冷たい。つめてぁー。/わっ ちめたー。
ちゃ
[
tya
]勧誘・催促・強調の助詞(命令的)。/早よ行こーちゃッ。/あかへんちゃ。
ちゃう
[
tyau
]違う。/ちゃうっちゃ!/ちゃうゆーたらちゃうだーや!/これ、おみゃーのん(お前の物)か?-ちゃう。
ちゃうんちゃうん
[
chaunchaun
]違うのとちがう? /あの犬は、チャウチャウちゅー犬ちゃう?-えー、チャウチャウちゃうんちゃうん?
ちゃなもん
[
chanamon
]などというもの。/パソコンちゃなもんは、まあ、触って触って触りくちゃしとりゃーそのうち解って来る。
ちゃのこ
[
chanoko
]茶菓子。「食風」
ちゃらんな(ら)ん
[
chyaran'na(ra)n
](何々し)てやらなければならない。(何々し)てあるはず。/クリスマスには何ぞ買ーちゃらんなん。 /パソコンのソフトには「こー したい」と思う機能はなけんなん(用意しちゃらんなん)ど、わしゃー、しちゃらんよーなソフトはよー使っちゃらん。
ちゃる
[
chyaru
](何々し)てある。/ゆうとったもんは、ちゃんと買ーちゃるで。
ちゃる
[
chyaru
](何々し)てやる。/分かった、買-ちゃるで、もう泣くな。何時までも泣いとったら買ーちゃらへんど。
ちゃわんあらい
[
tyawan'arai
](動)おけら(螻蛄)。→いちのとーさん
ちゃんちゃんがっこう
[
chanchangakko:
]機屋の従業員の職業訓練の定時制校 {土曜の昼から、昭和23年頃}←この部分保留 ¶政やんによれば、大宮中学校で6時から2時間、2年間通い、遊び仲間が出来て飲み屋に通ったと
ちゃんと
[
chanto
](早くも)もう。/ちゃんと出来ただな、早ーなー。
ちゃんと
[
chanto
]きっちり。しゃんと。/(借りた物を)ちゃんと返すだで。 /(気持を)ちゃんとせなあかんど。 ¶名古屋でも
ちゃんぴらもん
[
tyanpiramon
]安物。/こにゃーだ(えりゃー安かったで)買ーたけど、まあ、値段相応のちゃんぴらもんだったわいや、すぐにいたんでパーだ。あほらしもにゃー。
ちゃんぶくろ
[
tyanbukuro
]茶袋。茶の袋。「井上」¶大根と跳ぬべきンをはねもせで、いらぬゴンボに茶ン袋かな。
ちゃー
[
tya:
]ては。/仕事もせんと食っちゃー寝ーでは人生成り立たんど。「三吉」に「流れ着いたる土左衛門を引き上げちゃァ葬るので綽名になった土左衛門伝吉。」とある。
ちゃーすび
[
tya:subi
]てなぐさみ。¶手遊び?
ちゅう
[
chu:
]夏至。「京食」
ちゅー
[
chu:
]「…と言う」の当地訛。「何ちゅー奴ちゃ」など。/年上に何ちゅー口のききかたしとるだいや、おみゃーは。長幼の序と言う事を知らんのか!
ちゅーこう
[
tyu:ko:
](魚)カワハギ。「海辺」には「こんぐり」とあって「皮が硬いので丸裸にして食べる。胆は大変美味しい」と。
ちょかすけ
[
tyokasuke
]落着きのない者。
ちょかちょか
[
chokachoka
]忙しく動く様。/こらー、ひとが釣銭勘定ししとるのに、まわりで~すんなー!
ちょっきり
[
chokkiri
]丁度。/ちょっきり頭数だけある。
ちょなぶる
[
tyonaburu
]もてあそぶ。弄ぶ。/亀をちょなぶっとった(浦島)「宮昔」「ちょこなぶる」とも/われは、うらもなんにも、ちょこなぶって、かみころす気か「丹民3 狼小豆」
ちょびかく
[
tyobikaku
]からかう、ちょっかいをだす。
ちょま
[
tyama
](植)カラムシ。「あんこの森」 ¶「広辞」に「茎の皮から繊維(青苧・あおそ)を採り糸を製して越後縮などの布を織る 木綿以前の代表的繊維で現在も栽培される まお・ちょま・くさまお。ラミーは同属。」と ¶戦時中は桑の皮・アカソなどとともに供出割当があった。
ちょれー
[
tyore:
]頭の廻りが鈍いという意味の「とろい」が元かと思えるが、「粘りが無い、意気地が無く脆い」の意味をも、根性なし。
ちょろくさい
[
chorokusya:
]けちくさい、かいしょ(甲斐性)なし。
ちょろけん
[
tyoroken
]茸。えぐみがあると。[未完]。
ちょんぎーす
[
tyongi:su
](動)キリギリス。「吉津」「井上」
ちょんこ
[
tyonko
]未熟な***。
ちょんちょん
[
chonchon
]小躍りして嬉しがる様子。/ちょんちょんしていんだ。
ちょんちょん
[
tyontyon
]五分五分。引き分け。損得無し。「いんで来い」。
ちょー
[
cho:
]ちょっと。/ちょー、借れるで、この鋏。¶名古屋も
ちょーかす
[
tyo:kasu
]からかう。/これ、小さぁー子をちょーかすでぁにゃーちゃ!
ちょーけた
[
cho:keta
]ふざけた、馬鹿々しい。/ちょーけた事ゆうとるな!
ちょーける
[
cho:keru
]おどける、ふざける。/ちょーけとるな!/土産のウエハースを口にしたおじさんの 「チ ョーケタような菓子だ。」(この例は http://www.super-nishigaki.jp/macchan_200410.htmlから拝借)
ちょーさいぼ
[
tyo:saibo
]玩弄物。からかいの相手。/ちょ-さいぼにするな! /また狸か狐か、人をば、嘲斎坊にしとるな「民話」 ¶「他(ひと)を~にするやうだ」と「風呂」、こちらは喋斎坊と当てる
ちょーたろ
[
tyo:taro
]人形。「町誌」の「雛節句」の項に「ちょうたろう」という日本人形は大概の女の子がもらって大事にした」とある
ちょーらかす
[
tyo:rakasu
]馬鹿にする。¶名古屋でも ¶「浪花聞書」に「てうらかす 猫などじやらすを猫をてうらかすといふ」と。
ちらかす
[
tirakasu
]散らす。/あの子はまた散らきゃーたまんま遊びー出て行った。
ちんぎる
[
chingiru
]ちょんぎる。/あーあっ とーとーちんぎれた。
ちんちくりん
[
tintikurin
]着物が小さくなって(子が成長して)合わなくなった様子。親として子供にそんなもん着せて置かれない気持ちもあったか、それでも下の子には間に合うとタンスに寝かせるのだ。 /もー、この服も~になった。 ¶京都市中南部では松かさのことを云うと「京こ」。
ちーちー
[
chi:chi:
]'ちーと'づつ。すこしづつ。/上等な酒だでちーちー飲むだでと(辰ちゃん)。
ちーと
[
chi:to
]少し。/もーちーとしか残っとらん。/もーちーとましなんがにゃーきゃー。
ちーとばかし
[
ti:tobakasi
]少しばかり。
つ
⇧
つうじ
[
tu:ji
]機に関わる糸の呼称。詳しくはよー説明せんけど。「通糸」と表記するとか。
つかえる
[
tukaeru
]触る、触れる。差し支える。/ペンキ塗りたて つかえるな。
つくつくぼーし
[
tukutukubo:si
](植)ツクシ(土筆)。つくしんぼ(舞鶴市倉谷)・たけぼんぼん(弥栄)・まつなぐさ(間人)など「京こ」。¶蝉の名でもある。
つくばる
[
tukubaru
]屈む。座る。しゃがむ。平伏する。礼をする。
つたかずら
[
tsutakazura
](植)キヅタ。「あんこの森」
つっかけ
[
tukkake
]サンダル。指を分けない草履形の履物。
つっこ
[
tukko
]均平にすること。一緒に。/今日はつっこだで。¶これ浩ちゃんから聞いたのが最初と記憶。
つっこかす
[
tsukkokasu
]突いてこかす。突き転ばす「丹民」
つっぱり
[
tuppari
]支え。つっぱりは「かう」と云う。「買う」は平らだがこれは「か」の音が高く英語の'cow'風。/ちゃんと~こーとかな。
つつみ
[
tutumi
]「広辞」に堤防とあり溜池ともあり。考えてみれば土手で囲まれた所に溜まった水が池だと納得。子供の頃は池のことと思っていたように思う。/つつみであそぶなら気ーつけなあかんで。
つづらかずら
[
tsuzukazura
](植)オオツヅラフジ。「あんこの森」
つづれもん
[
tuduremon
]つくろい(繕)もの。/いっつもお婆さんがつづれもんをしとるもんだで「丹昔」
つまみ
[
tumami
]製糸のときに出る原糸。
つめくる
[
tumekuru
]抓る。
つもりする
[
tumorisuru
]都合する。手に入れる。/米がのうても、わしはつもりして飯炊いたげる「京昔」
つりそ
[
turiso
]吊下がった'えぼ'。(言葉は辰ちゃん) ¶ 「丹伝」の「成相山つかずの鐘」に「(鋳造時)上の分のつりそがひび割れて出来損なったげな」とありこの場合は鐘を吊るすための竜頭
つろくする
[
turokusuru
]釣合う。/あそこの家はこの家とつろくする「丹昔」¶名古屋では「つうろく」
つんつるてん
[
tunturuten
]滑らかで滑り易い様子。困ったことに禿頭にも使う。
つんどらさん
[
tsundorasan
]オリオン座。「宮昔」
つんばな
[
tunbana
]つばな。チガヤ綿花の蕾。 ¶若い花芽は柔らかくもちもとした食感でほのかな甘味もありって道のおやつだった。夏になって綿花になったら「ほーけ」て食われん。
つんぶりむし
[
tsunburimusi
]かたつむり。¶私らーは「でんでんむし」その後、歌で「かたつむり」というと知ったような記憶ですけどー。
つんぶりむし
[
tunburimusi
]くるぶし。(延さん)
づんめ
[
dzunme
](貝)磯の一枚貝、岩に張り付いている。これを煮て飯に混ぜると美味いらしい。丹後町の宇川温泉にその素が売られていた(2009.5.31)が買わずに帰って翌日電話して聞いたのでした(Orz) 和名未詳 ¶「命限」に「ずんべ マツバガイ」とあり調べれば「松葉貝、Cellana nigrolineata)は、カサガイ目ヨメガカサ科(ツタノハガイ科とも)に分類される巻貝の一種。笠形の貝殻をもついわゆる「カサガイ」の一種で、日本を含む東アジアの温暖な岩礁海岸で見られる。ウシノツメ(牛の爪)などの地方名もある。ヨメノサラ(萩)」とあって ’よめさん貝’もこれのことか ¶「水際に陣笠みたいなものがようけくっついているでしょう、じんめいうて、ここらでは、これもようご飯に炊き込むんです」と「食風」にも出ていた
て
⇧
で
[
de
]「やりがい」の「がい」や「見ごたえ」の「ごたえ」に類する言葉。/食いでがある・にゃー(腹の足しになる・ならん)。/こりゃー、でがあってなかなかのーならん。
て
[
te
] つる植物用の支柱。/明日は胡瓜が伸びる前に、てーしちゃろーかと思っとるだ。
てぁーした
[
tae:sita
]大層な。すごい。/てぁーしたもんだ。 /てぁ-したこったにゃー。
でえれえ
[
de:re:
]非常に、とても。/ちょっとねぶってみたら、~うまかったで「京昔」¶「どえらい」の訛かな?
てかる
[
tekaru
]「てかてか」は「GJ」にあり「艶あり光る」を主意に。丹後でよく使われるのは凍てた雪道の表現で滑りやすいことが主意(遺憾ながらはげ頭にも)。その動詞。/今夜は道がてかっとろーであんじょーいぬるだで。(まっちゃん)
できん
[
dekin
]「出来ない」ことを「できん」あるいは「でけん」と云う。或は「よーせん」とも。
てぐ
[
tegu
]割る。/馬糞で鼻てえで油一升こうぼいて、…「民話」。ひどく当てるというべきか?
でける
[
dekeru
]出来る /おー、うみゃーことでけたなー /そんなこと、わしかって、でけるわい
でけん
[
deken
]出来ない。=出来ん。/そんな事わしにゃーでけん。
てご
[
tego
]助手。「てまとり」さんは昼飯をよばれて手間賃を貰うが「てご」は昼飯をよばれるだけであとは「おおきに」の言葉だけ。
てこいも
[
tekoimo
]長薯。山芋を改良したもので同じように長いが成長が早い。
てしょう
[
tesyo:
]手塩皿。小皿。銘々皿。これも京ことばと「京集」。
てっきゅう
[
tekkyu:
]炭火で物を焼くためのめの荒い金網。←これ読みにくい。「為の目の粗い」です。
てっつき
[
tettsuki
]ざる(笊)。竹で編んだ半円球の籠。宮津では「いかけ」とか。「いかけ」は京ことば。
てっつくてん
[
tettukuten
]天辺(てっぺん)。てんつくてんとも。
てっぺ
[
teppe
]天辺。「伊昔」
ででっぽー
[
dedeppo:
](鳥)山鳩。鳴き声「デデッポッポー」から。
てのうち
[
tenouti
]手の内。こころざし。お布施。「民話」 ¶「胸算用」には 「手の中 僧や乞食に施す米や銭」と明快あり。
てのごい
[
tenogoi
]てぬぐい(手拭い)。老人はこう云った。→のごう(動詞)。
てのこぼ
[
tenokobo
]掌を皿代わりにして食うこと。/てのこぼする。「茶碗に入れて食べるよりもおこわの味のうまさはこの手のこぼがいっそうおいしい」と「よね」。 ¶「広辞」には「てのくぼ(手の窪) 手のひらを内側に軽く曲げて出来る窪み」とあり。
でべくろ
[
debekuro
]川底魚の名前。ネットの図鑑を尋ねて(ハゼ科のヨシノボリの仲間かなー)と思っとりますが。久美浜でいう'ででくろ'のことか。「里山いきもの図鑑」でドンコの写真みてこれがそうだと確信(2008.9.7)¶その後入手の「長善」に「でべぐろ」「でぐろ」「でべきん」「げんにゅう」などあり、いずれも「どろめ」とあって?? 辞書には「ハゼ科の海水魚。ダボハゼ」とある ほんなら、これもいっちょみゃーの丹語じゃーならろーか
でぼちん
[
debotin
]おでこのこと。丹後の方言では無いかも知れません。(まっちゃん)
てぼん
[
tebon
]掌を(略式に?)盆代わりにしてお茶・食事を供すること。/通夜の席だったか「手盆で失礼します」と云われたことがある。「京集」で京ことばと知る。
てまがえ
[
temagae
]労力交換。
てまとり
[
tematori
]手間賃を取る代行。「でご」と違ってその道のプロでないと務まらない。てまとりさんと呼ばれる。
てや
[
tya:
]よ。ぜ(よ)。/早よ行こーてや。詰まって「いこーっちゃ」となる事も多い。/早よ来いっちゃ。これがやがて「早よ来んかいや!」となるとやや怒っていることば。 ¶「毛抜」の解説に「てや」は接助+感助。 /何を、ぞんじもせいで、の(退)こうてや。(何んにも知らんとって、退いとれてや)
てんがいもり
[
tengya:mori
]天蓋盛。てんこもり。
てんきあめ
[
tenkiame
]時雨。「我峰」より。陽射しがあるのに雨が降っている状態。こんな時に虹が見える。狐の嫁入りとかゆーたよーな。
てんこ
[
tenko
]頂上。「てんこもり」もこれで分かった。
てんごう
[
tengou
]いたずら、わるさ。(GJ)転合。/これこれ、てんごーするだにゃーで。 ¶「毛抜」に「転合、戯業などとも書く 冗談、いたずら。」と /~なされますな。
てんこもり
[
tenkomori
]山盛り。「てんかもり」もあり=天下盛 ¶延さんは「てんがいもり(天蓋盛)」だと、丹後では「てんぎゃーもり」となる=神輿の屋根の形だと、誰かが「婿天蓋」という 語源としてはより近い(2012.10.17)
てんじくそう
[
tennjikuso:
](植)ヒャクニチソウ。「覚書」
てんじくり
[
tenjikuri
]夏の間につくったジャコを煎って砂糖と醤油をからめたもの。一年を通じて祝魚であり、酒の友、飯のおかず。(「食風」間人のてんじくり) ¶「京食」にはジャコの佃煮と簡潔に。
でんち
[
denti
]ちゃんちゃんこ。[-__](電池)ではなく[___]。¶名古屋でも
てんづき
[
tenzuki
]木製の除雪用スコップ。
てんつてん
[
tenntutenn
]〔久〕差し引きゼロ。
でんでらご
[
denderago
]おたまじくし。「海辺」
てんてんご
[
tentengo
]1年目の小魚。
てんと
[
tento
]=てんとまぶれ。奥大野では「てんとまぶれ」は聞いた事がないと「てんと」なら聞いたと(延さん)。
てんとまぶれ
[
tentomabure
]赤唐辛子。これが野間の夜着(ようぎ)。野間の中津の羽賀吉兵衛さん。「丹後の民話 第一集 いかがのはなし」 天道唐辛子「伊民2」
でんぶく
[
denbuku
](動物)クサフグ「命限」
でんぼ
[
denbo
]腫れ物、出来物。
と
⇧
ど
[
do
]断定の終助詞?断定の助動詞「だ」に付いた形で「だど」など。その他「だで」「だしきゃー」「だもんだで」(以上=だから)
といや
[
toiya
](伝聞)らしい、と云うことだ(=ちゅうーこった)。「といな」もあり。/朝方火事があっただといや。¶すみません森山佳代子の「チョイヤダディーヤ」を思い出しました。
といれる
[
toireru
]仕舞う。¶とりいれる。
どうおく
[
do:oku
]どう奥。ずーと奥。/山のどう奥に入りましたら「丹民」
どうがえしめし
[
do:gaesimesi
]粗末な飯「弥栄町史」。麦・米半々の飯。 ¶「野町」には「ツキムギ(精麦)一升にシラゲ(白米)一升を」混ぜて炊いた飯で「麦は炊くとふくれて3倍に」なるとか 「ゴワリマゼ(麦五合米一升)」は上等と。
どうがため
[
do:gatame
]「すの」参照。¶この言葉、海から陸に上がりスポーツ・行事の前祝のことをも云う。¶奥大野では「こぶしがため」という。
とうから
[
to:kara
]久しく。/とおから見ませなんだが=久しくお逢いせなんだが。 「前前から、とっくに」という意味で「そんな事とーから解ろーどや(気付く筈だ)」という言い方もある。
とうし
[
to:si
]篩。「井上」に「ふるい(篩)の網目のあらいもの。米麦、雑穀などの選別に用いることが多い。」と
とうず
[
touzu
]同年代。 /わしらの~の人はみんなしとんなるだろうなあ。「食風」
どうどう
[
do:do:
]牛馬を制止する言葉。金太郎歌の「どうどう」。
どうどして
[
do:dosite
]なんとかして。/~来んようにしたらんなん思って「京昔」
どうなっと
[
do:natto
]どのようにでも。/どうなっとしてくれ!
どうひる
[
do:hiru
]真昼「海辺」。昼の強調語。「どう」はど真ん中などの「ど」の変型。「人が飯食っとる真ッ昼間に」などの意味が込められている言葉と蛇足。
どうまいそのかわ
[
doumaisonokawa
]人を見下し馬鹿にする言い方。(「海辺」)
どうや
[
do:ya
]網元。「覚書」¶胴屋か?
どえらい
[
doerya:
]非常な。/どえりゃ-馬力で叱られた。¶名古屋ではもっとくだけて「でーれー」、更に短く「でれ」「どら」とも
どおけ
[
do:ke
]便所壷。野壷。「昔話」¶「土桶」か。
とおしぐるま
[
to:osiguruma
]人力車。「覚書」
とおす
[
to:su
]通す、下痢する。腹通し。
どおで
[
do:de
]何故。¶道理の道と思われる。/どーでそんなことするだーや。/そんなことはどーでもええ。
どかす
[
dokasu
]退ける、除ける。移動させる。「退く」(共通語でも「どけ、どけー」の言い方がある)の他動詞。/それを早よどかせーや。 ¶「どく」の例は「あんたたち、ちょっとどいとんないよう」言うて、子供たちを遠とにやってえて、そして柿の下で一発やったですわ。「丹昔」
とかん
[
tokan
](・・為)とかな。(・・為)とかなくて。/これしとかんなん。(これをして置かなくてはいけない)/それぐりゃーなことは知っとかんでどーする。/そんにだぇぁーじなことちゃんと覚えとかんかいや。
とく
[
toku
](何々し)て置く。/忘れんうちに書ゃーとこーか。 /ほな、まー預かっとくわ。/まあ、貰っとけーや。
どくしょう
[
dokusyou
]酷い・惨い。¶毒性か?/あんなどくしょうな言い方せんでもええのになー。
どくしょー
[
dokusyo:
]ひどく、とても。/~切れん包丁だだーやー、これは。(延さん)
とけ
[
toke
](・・為)ておけ。/ちゃんと覚えとけよ。/ゆーこと聞かんもんは、ほっとけ(放っておけ)。
どけー
[
doke:
]どこへ。/どけー行っとったんだ。
どこぞ
[
dokozo
]何処か。/どこぞにあろーで よー探ぎゃーて見ーや。
どこなっと
[
dokonatto
]何処へでも。/どこなっと行きさらせ!
どこやかや
[
dokoyakaya
]あちこち。/どこやかや行かんなんとこがよーけあって忙しかった。
ところびんぼう
[
tokorobinbo:
]丹後でも雪の多いところや、てやーして降らんとこ、早よ解けるところなど、まあ、その他、(人為外で)地理的な条件で生活上不利な集落があることを端的に現す言葉 (大宮町三重で逢ーたカブ号のおとな)
どさあな
[
dosa’ana
]穴を強調して云う言葉。¶「どすあな」だったら怖い。斜面などがどさっと崩れて出来た穴と解釈しているが。/こたつ(の掛け布団)にどさあなを開けたままにしとくないやー ほーろー寒いのに。
どさくる
[
dosakuru
]混雑する。
どせ
[
dose
]土手。「京食」
とせん
[
tosen
]→とーせんばり。'とぜん'「井上」、'とーせん'(我が記憶)とも。/ちゃんと、とーせんしとけよ。
とちゅうもじり
[
totyu:mojiri
](衣)農婦の着る細い袖の仕事着「丹町」
とつかけ
[
tokkake
](動)トカゲ。「覚書」
どづく
[
doduku
]打つ。殴る。/(凄んで)どづくどー。
とっくのとーに
[
tokkunoto:ni
]とっくにの強調形。ずっと前に。
とつけもない
[
totsukemonya:
]思いもよらぬ。=とつけもにゃー。
どっこ
[
dokko
]何処。/どっこにでもあっただって「丹民1」/どっこだって同じだ
どっこにも
[
dokkonimo
]何処に(で)も。/探したけどどっこにも有らへなんだ。/そんなもん、どっこに(で)も有るちゃうか。
どっこも
[
dokkomo
]どこも。/うちだけだにゃーどっこも(例えば村中)停電したといや。
とった
[
totta
]ていた。/さっきまで見えとった月がもー見えんよーになっとる。
とったり
[
tottari
]ロープ。/船で使う道具の名前も分からない中で「まこと、そこをトッタリでくくれ」とhttp://www5.nkansai.ne.jp/com/kamanyu/chiiki/masima7.htmより
どっちなっと
[
dottinatto
]どちらでも。/どっちなっと、好きな方を持っていんにゃー。
とっちんけら
[
tottinkera
]〔久〕イナゴ。'どっちんば'とも。「井上」
どっつ
[
dottsu
]失敗。「外海の町 丹後町」
どっつく
[
dottsuku
]どづく。どつく。殴る。
とっても
[
tottemo
](..し)ていても、にもかかわらず。/ひとにそーゆーとっても自分でもしとったりして。
どっといかな
[
Dotto-ikana
](感動詞)なんとまあ /~一文にもなりゃひん 浜詰、塩江部落で用いる「井上」
どてつかみ
[
dotetsukami
]川岸の窪みに隠れている魚を素手で捕まえる漁法。「広辞」には「うろづかみ」として「(「うろ」は穴の意)水中の草の根や石の下にひそむ魚を手さぐりで獲ること」とさすがにそつない解説。「よろづかみな」どの変形もあり。¶子供の漁法の一。道具は親譲りの両手だけ。他に何も要らない。これでナマズやデベクロ、アカラやズガニなどを捕まえた。
どてりぁー
[
doterya:
]すごく(い)。
ととざい
[
totozea
]魚のおかず。「吉津」に「夏場なら月に一度くらい間人の魚売りさんが上げって来た。こんな時はみんなが、鯖・イカその他を買って4、5週間ぶりの珍味に恵まれた」と。
ととん
[
toton
]父。「おっとん」とも「甲坂」
どにゃーも
[
do:nimo
]どの様にも。/どにゃーもならん。
とのぐち
[
tonokuti
]玄関先。¶戸の口。/祭にとのぐちに下げる提灯。
とのぶと
[
tonobuto
]ともぶと。
とび
[
tobi
](鳥)とんび。その鳴声は「ぴー、ひょろろ」「広辞」には「トビ」で解説あり「トンビ」は矢印で「とび」と 鳴声は「ぴいひょろろ」ともある
とびだま
[
tobidama
]コンニャクの小芋。径1.5cmほどのものを植えつけて3年で茶碗ほどになったら使う 「丹後の山村生活技術」
とびのくちばし
[
tobinokutibashi
](植)ノイバラの実。「奥丹後地方史研究第9号」¶これも野山のおやつであったらしい
とひょうもない
[
tohyo:monya:
]意外な。思いがけない。/とひょうもないところまで飛んでいってからに、ほうして見るところが、その、はたがめの家だった「丹昔」。 ¶「浪花聞書」に「とぴやうもない 哥話に云くたいへん也」と。「哥話」とは「俗語」の意かと愚推。
どぶ
[
dobu
]小型定置網(漁法)。/いかどぶ「食風」
どぶさ
[
dobusa
]どぶろく。どぶ酒。「伊昔」
どべしゃ
[
dobesya
]ずぶ濡れになること。どべちゃとも。/雨に合うてどべしゃだ。
とめくさ
[
tomekusa
]止め草。3回目最後の田の草取り。 /稲の丈は高く、葉も固くできて目を突いたり、長袖の襦袢でないと腕がすれて痛く、また暑い時季ですから陽よけに蘭草のあみ笠をかぶりゴザを背中におおて「覚書」
ども
[
domo
]なんか、など。なんぞ。「どん」となることも。/もう雪ども降れへみゃー。
ども
[
domo
](およそ…)ほど。/10人ども集まっとったちゃうか。
ども
[
domo
]魚の心臓。「海辺」
ともづけ
[
tomoduke
]舟で舳先から陸に着ける接岸作法。舞鶴のやり方だと「丹伝」。
どもならず
[
domonarazu
]腕白。あくたれ。どむならずとも。¶どうにもならない、手に負えない。
どもなん
[
domonan
]「どむなん」もあり。どうにもならない。手に負えない。駄目。/どもなん連中だなー。/そんなこっては、どもなんで。
ともぶと
[
tomobuto
]中型二人乗りの舟、艫(とも)が太い造りになっている。とのぶと。「長さ7.5m幅1.1m。普通二人乗りで遠く冠島の東や経ヶ岬沖まで出漁した」と「海辺」
ともまい
[
tomomya:
]ネジを解く(’もどく’と云う)時など、ボルト側も一緒に回ってもどけない状態を言う。→まう
どやす
[
doyasu
]殴る。/どやしたろかー。
どり
[
dori
]父は鶏を捌きながら「鶏食ってもどり食うな」と教た。 ¶広辞苑に記載あり:鳥類の肺臓の俗称 紅血色で海綿状 俗に毒があると言うのは誤り 「鳥は食うともどり食うな」。「海辺」には「蟹食ってもガニ食うな」が先行する。ガニは鰓。
とる
[
toru
](進行形)…(し)ている。/飯を食っとる最中だ。
どる
[
doru
]でいる。/泳いどる(泳いでいる) /遊んどる(遊んでいる)。過去形は「どった」。
とろい
[
toroi
]手ぬるい。のろい、弱い、愚鈍な。=とれー、ちょれー。
どんかえれ
[
donkaere
]かくれんぼ。「風習」
どんがら
[
dongara
]図体、から。/うちの子はどんがらばっかり大きなって。¶名古屋でも
とんがらし
[
tongarasi
]唐辛子。
とんがらす
[
tongarasu
]尖らせる。「とんがる」・「とんがらかる」も「金国」に(俗)として記載あり。同じ意味で「とんがらかす」(これも[他動]として記載あり)もよー使ったと記憶する。形容詞は「とんがった」。/もっととんがらかせな 刺さりにくいちゃうか 結構固げだど。¶童謡に「とんがり帽子の時計台…」とか何とかがあった記憶が蘇る。
とんがる
[
tongaru
]尖る。/がっしゃーとんがっとるしあぶにゃーど。
どんくしゃー
[
donkusya:
]へた。ぎごちない。=またい。/あーどんくしゃーなー かしてみーや こおするだーや。
どんこ
[
donko
]猪の子(和幸)¶猪も「ウリボウ」から、瓜模様が消えて「ドンコ」、やがて20kg~30kgとなり「フルコ」と出世するようだ「京丹後民俗」
どんざ
[
donza
](衣)漁師が着る布製の仕事衣。「丹町」
どんだけ
[
donndake
]どれだけ。/どんだけ苦労したか。
どんつき
[
dontsuki
]突き当たった行止り。/その道のどんつきの家だ。
どんど
[
dondo
]川の堰水の落ちるところ。深みがあって泳ぎが出来た。2008.6月の同年会で「どんどこ」だと。なぜか「じゅーじか」とも云ったちゅーよーな我メモあり 何せ飲んどるで… 網野では「どんどん」とか。
どんどやき
[
dondoyaki
]左義長。正月の飾りなどを燃やす。どうどや、どうどやき、とんどとも。
どんなん
[
don'nan
]どんなもの。/どんなんがええだいやー。
どんに
[
don'ni
]どんなに。/どんにゆうーたって聞かん。/どんにえらかっただ。
どんにもこんにも
[
don'nimokon'nimo
]どうにもこうにも。「宮昔」
どんば
[
donba
](動)トンボ。「覚書」
どんばぐさ
[
donbagusa
](植)ツユクサ。「覚書」
とんぱち
[
tonpati
]こね鉢。「丹後の山村生活技術」
とんびのくちばし
[
tonbinokutibashi
](植)クロウスゴの実。「京食」
どんべえ
[
donbe:
]→'もやあ'網の石の重り「覚書」
とんぼ
[
tonbo
]ひっくりがえし。=りゃんこ。¶とんぼ返りからと推察す。
とんぼ
[
tonbo
]先っぽ。√蔵のぐるりに松植えて、松の~に鈴さげて「わらべ歌」
とーから
[
to:kara
]遠から。長い間。=ひいさ。/とーから見んなんだ。
とーからみん
[
to:kara-min
]「遠から見ん」。英語の”Long time no see”そのままの挨拶表現。
どーけつぼ
[
do:ketubo
]肥つぼ。野壷。¶「それがなにかというたら、その時分には衛生車なんてもんはなし、田畑へ持っていくいうても、肥たんごいうて、肥のもったたごで、かたいで持っていったわけです。冬向きには、それができないわけですわ。雪がある関係でね。それで、田んぼや畑へやれんので、野壷いうて、今ならコンクリートでこしらえたのんなんですけ、その時分には、山土と石灰と塩と、それを叩きいうて、貯水池ちゅうか、もんをこしらえたわけですわ。「宮昔」
とーせんばり
[
to:senbari
]1)戸の締りにする栓またはしんばり棒。 2)「留守であります」の表示。にない棒、竹などを表入り口のオートの前に斜めに立てかけて置く。「井上」
とーに
[
to:ni
]前から、とっくに。とーからとも。¶疾くに。/そんなこたぁーとーに知っとるわい。
どーもにゃー
[
do:monya
](不都合・怪我などが)無い。「どもにゃー」と短形や「どむにゃー」の変化もあり。
どーらい
[
do:rai
]ひどい。=どえらい(正調はどえりゃー)。¶名古屋弁に近づいている
な
⇧
な
[
na
](仮定を表す接続助詞)(何々しない)と。/はよいかな=はやく行かないと。 /はよせな、遅れるど。 /ほんまのこと云わな、承知せんど。/「田に入ってみて、ふんごまなええ」と康男さん。これがじる田の中干しの基準とか。後続の文が無い場合もあるが気持ち的には「しないと、これこれになる」と云う気持を含みやや緩やかな命令というか(そーした方がええど)という気持ち。¶「はよせな」と云われているうちにせんと、やがて「はよせーや」と言われて、その内「はよせんかいやー」、「はよせっちゅーとるのに」などとテンションがあがってしみゃーには「もー、知らん」とかたって(気遣って)もらえんよーになる。
なえす
[
naesu
]返す。なやすとも。¶過去形「なえした」は「なえーた」あるいは「なやーた」となる。
なおす
[
naosu
]修理する。「金国」に「元通りにする」の解説あり「機嫌を-」の例文あり。/こわぇぁたんなら直して(なをぇーて)もらわなどもなん。
ながたん
[
nagatan
]包丁。「京辞」に「ナガタン(菜刀)(名)菜切包丁。菜刀の転」。納得の説明だが(丹後に限らず多くの)我が家にはながたんと出刃包丁ぐらいしかにゃー(ちゃうか)。
ながたんうち
[
nagatan'uti
]嫁が連合いに愛想を尽かせて婚家を出ること ¶'ながたん'は主婦業の象徴としていう、それを投げて親元にいぬるという嫁さんの決意は固い 夫婦喧嘩の終わりの始まりだが、だいたいこのへんで男のほうが折れるのが作法かな ¶¶思い出しました 我が親たちの言合い:(母)「出て行きます」ー(父)「玄関から出る者があるか!(人に見られる、とかなんとか)」ー「裏口から出るもんじゃにゃあ(夜逃げじゃあるまいし、とかなんとか)」「窓から出りゃー泥棒だ(とかなんとか)」ー(母)「何処から出ましょう」ー(父)「出るとこなけりゃあ、居れ」
なかびるま
[
nakabiruma
]農繁期には一日三食では腹がもたないので9時半ごろのなかびるま(小昼)にはのり焼き・すり焼き、午後5時頃にはちゅうはん(午後の小昼)にはにぎり飯に味噌ごうこ・梅干し・かっぱ菜などを添えて、見晴らしのよいところで食べる 「京食」
なかむねあげ
[
nakamuneage
]こぶしがため'後に途中で仲間で酒食する宴。息切れした頃の景気付けにやる。
ながもん
[
nagamon
](動)蛇。/ながもんのはここのつきはんてえと言いますねえ「宮昔」
ながらぼそい
[
nagarabose:
]細長い。丹後でも’細なぎゃー’というがこちらも良く聞いた。’長ぼせー’もあったように思う。
なかる
[
nakaru
](遊びで)しくじる。負ける。/なかったら、次のもんに替わるだでー、にしーことすないや。
なかんま
[
nakanma
]農繁期の朝食と昼食の間の十時の食事。「覚書」
なぎ
[
naghi
](植)和名コナギ。田の雑草。(康男さん)
なきべそ
[
nakibeso
]泣き虫。「おなべす(き)」ちゅー子供の遊びがあった。
なきり
[
nakiri
]「京方」に「野菜用のまないた。丹後で「まないた」というのは肉魚用」と。きりばんともいいこれも野菜用。
なきり
[
nakiri
]まな板、魚切り。矛盾承知で「網町」より。
なぐれしー
[
naguresi:
](女)名残惜しい。「ノコリエー」より強意で涙が出るほどの感じを表す。「お別れは~て涙がこぼれた」「井上」
なけな
[
nakena
]なければ、なくては。/わしでなけなこんなことだーれもよーせみゃー。
なごなる
[
nago(:)naru
]長くなる。/日が長ごなってええあんばいですなー。/話がなごなる。
なした
[
nasita
]何という、何とした。/なしたええ天気だ。/なした性悪もんだ。
なした
[
nasita
](感動詞)なんという なんちゅー /~お上手でしょう/ナンチューお気の毒なことだろう「井上」
なす
[
nasu
]なやす。なえす。返す。/昔借れたか、今なすか。借れたものなら、なさねばならぬ。(「宮昔」)
なすび
[
nasubi
]茄子。
なたきりむし
[
natakirimusi
](虫)カマキリ「長善」
なたそうろう
[
nataso:ro:
](動)カマキリ。「覚書」
なったがよう
[
nattagayo:
]成り行き任せ。 ケセラセラ。/するこたーしたし後は成ったが様でしゃーにゃー。
なったらへん
[
nattarahen
]なんともない。どもない。かまへん。OK。<なんたらへん
なつべる
[
natsuberu
]仕舞う。/失えんうちにちゃんとなつべときにゃーよ。
なな
[
nana
](老人)子守。もう70歳以上の老人でないと知らない語。廃語に近い。「物類呼称」に「姉、あね ○上総房州にてななといふ。(兄弟に限らず目上の女のことを尊んで「なな」といふ)」とあり。当地から中郡にかけて、子守のことをナナといった。「井上」 「長善」
ななめ
[
naname
]八目鰻。
なに
[
nani
]などと。/米なにいうもんは「伊昔」
なにもきゃあ
[
nanimokya:
]何もかも。
なべ
[
nabe
]初夏の頃木の葉の一部が化けてどんぐり位の大きさになったもの。しかし丸いものより扁平なものが多い。ツツジ、サツキ系のものによく出来る。子供が好んで取ってくるがあまり美味しいものではない。「井上」 ¶「もち病」は、担子菌類のExobasidium属菌が引き起こす病気の総称です。Exobasidium属菌にもたくさんの種類があり、種ごとに感染する植物あるいは病徴が異なるのですが、一般的には葉が「餅」のようにふくらんで、その表面に白粉状の子実層を形成するのが特徴です、ツツジの仲間に居候するのはツツジもち病菌(E.japonicum)
なべずり
[
nabezuri
]炊いた飯を鍋の中で擂り潰し、餡をまぶしたぼたもち「京食」
なべはじき
[
nabehajiki
](植)ヒガンバナ (井上円了「南船北馬集 第十三編」丹後国巡講日誌)
なべはじり
[
nabehajiri
](植)ハマヒルガオ。「覚書」
なます
[
namasu
](食)大根をはやし(きざみ)、塩を振りかけてから水洗いする。これを酢と砂糖で味付け。「絵暮」
なまづめ
[
namadume
]凍傷寸前の'骨の中が痛いほどの'冷たさ。なまづめが「来た」と表現する。母親が手で包んで温めてくれたと。(延さん)
なやす
[
nayasu
]返す。=「なえす」「なす」と言う地区も。/きゃー(貸)ちゃってもええけど、ちゃんとなやーてくれよ。
なり
[
nari
](の)まま。ごと。/そんなり=そのまま(の状態で)。/柿は皮なり食うもんだ。
なり
[
nari
]外見、他人から見た姿。服装や歩き方など。/なりがわりー。
なり
[
nari
]いくら幾らの収穫があることを云う時に使う。/三俵なりの田。「昔話」 ¶「クルス田んぼをば五十俵なりやるさかい、縁組はさせんと、一代安気に暮らさちゃってくれえ」「伊民」
なりご
[
narigo
]果実の幼果。(言葉は辰ちゃん 解説は「井上」)。/あそこに実がなった、こっちにも~がと「吉津」
なりてん
[
nariten
]ナンテン。南天。
なりほんぎゃー
[
narihongya:
]なり放題。(延さんのいとこ)→はえほんぎゃー。
なる
[
naru
]敬語助動詞で動詞は連用形。/行きなる/しなる(進行形はしとんなる)。京ことばでは「はる」となるが動詞は未然形。/怒る:おこんなる おこらはる /死んだ:しんなった しなはった(これは為なはったと同音)。
なる
[
naru
]1)平地。山裾・谷際に作られた植林・畑地/ここはうちのなるだ。「民俗」には「山中の小平地」と。 2)尉ケ畑では他地区での「隣組」をナルと云い、組長をナルオヤと云う「京丹後民俗」
なるい
[
narui
]傾斜の緩やかな。
なるだけ
[
narudake
]なるべく。なるたけ。
なるへそ
[
naruheso
](戯)なるほど。「なるほど」を「なる臍(ほぞ)」と解して同義語を用いた戯れ言葉か。丹後に特有の言葉でもないかも。
なんしょう
[
nannsyo:
]なにしろ。/なんしょう、屈強なおっさんだしきゃあ。「丹民」。
なんせ
[
nanse
]なにしろ。/そんなん、なんせ、初めてだで えりゃー緊張したわいや。
なんぞごと
[
nanzogoto
]冠婚葬祭等特別の場合。/なんぞごとのためにとっておく。
なんたら
[
nantara
]何とか(云う)。/昼、なんたら云う人から電話があったど。なんちゅうたかなー?
なんたらへん
[
nantarahen
]⇒どーもにゃー。何とも無い。差し支えない。怪我が無い。/ちょっと痛かったけどなんたらへんで。
なんたらへん
[
nantarahen
]なんともありはしない、大丈夫、OK ¶拗音化して→なったらへん /おっちゃんに聞いてみた。「すが入ってなかったらなんたらへんっ!」 ¶Web 「アグリ女子奮闘記」から
なんたりゃせん
[
nantarya:sen
] だいじょうぶ 。丹後では「なんたらへん」の方が正調。
なんちゅー
[
nantyu:
]何という、何とした。/なんちゅーええ天気だ。/なんちゅー性悪もんだ。
なんとな(-)
[
nantona(:)
](感動詞)なるほどな /~それで理由がはっきりしました「井上」
なんとなー
[
nantona:
](驚き・新発見などで思わず口に出る)なんと、素晴らしい・凄い・珍しいなど。
なんともにゃー
[
nantomonya:
]⇒どーもにゃー。
なんなっと
[
nannatto
]何なりと。/暇げにしとらんと、なんなっとすることを考えーや。
なんばんきび
[
nanbankibi
]トウモロコシ。なんばん。
なんぼ
[
nanbo
]いくら、どんなに。/なんぼゆうても聞かん。
なんぼ
[
nanbo
]幾ら。何円で。?標準語?/それなんぼで買-たえ。
なんぼでも
[
nanbodemo
]幾らでも。/そんなもん何ぼでもあるどー。
なんぼなっと
[
nanbonatto
]幾らでも。なんぼでも。/そんなもんでえかったら、なんぼなっと持って帰っておくれーよ。
なんぼなんでも
[
nanbonandemo
]幾らそうだと言っても、理由はどうあれ。/何ぼなんでも そりゃーやりすぎだで。
なんぼも
[
nanbomo
](否定語を伴い)多くは無い。/もーなんぼも残っとらへん。
なんやかや
[
nanyakaya
]あれこれ。
なー
[
na:
]勧誘催促の助詞(懇願的)。/早よ行こーなー。/なー、買てーなー。
に
⇧
にいする
[
ni:suru
]荷にする。
にがこい
[
nigakoi
]賑やかの意。丹後の方言では無いかも知れません(まっちゃん)。丹後標準形は「にぎやきゃー」です。「にがこい」と聞くと食ったものが苦い味かと思う丹後人も少なくないかな
にしい
[
nisi:
]ずるい。要領よくする。にしこい、にしけー、にしけん(=まっちゃん)などの変化あり。=こすいとも。/あーッ にしーど!
にしくる
[
nisikuru
]なするつける。「ねしくる」とも /畳に鼻くそをねしくるないやー。/仏さんの口のまわりに、残ったぼたもちをにしくっておいた。「丹民」
にっきい
[
nikki:
](間人)→ねっき。釘立て。にっけ(宇川)ねき(豊栄)など。「丹町」
にっぽんののぎさんが…
[
nippon'no-nogisanga…
]これはどう考えても明治の日露の戦争後に出来た尻取り唄と思えるのだが何故かおいらも知っている。「日本の乃木さんが凱旋す-雀-メジロ-露国-クロポトキン-金玉-マカリャーフ-ふんどし-締めた-たかちゃっぽ(ん)-ぼんやり-李鴻章の首とってー帝国万歳万々!」と
にどいも
[
nidoimo
]二度芋。ジャガイモ。「丹方」に{丹後の一部に「さんどいも」「はっしょいも」、弥栄に「からいも」など}。他にゼンコジイモ・ダイシイモ・ヒャクイモ・テンジクイモなどと「京こ」にも。
ににぐ
[
ninigu
]躊躇する。
にゃあ
[
nya:
]無い。/なんにもにゃー
にゅう
[
nyu:
]薪などの積上げた物。「京辞」に「ニュー(名)(廃)稲積のように屋外に木・わらなどを積み重ねたもの。明治39年頃には使用。ニホの転。加悦も。」 稲木を組んだ材木を寝かせて保存のための’いなきにゅー’ 竈や風呂用の焚き木を積んだ'割木にゅー'などあり。「覚書」では「にょう」
にゅう
[
nyu:
]川底魚の名前。どじょう。尻揚がりアクセント。
にわ
[
niwa
]屋内の土間もいう。→にわあげ、にわづき、
にわあげ
[
niwaage
]稲扱きから籾摺りも終え「秋庭」が全部終ると庭上げといってご馳走をした 玄米は唐臼で搗いて精米する これは子供でも出来るので下校した子供の仕事になった「町誌」
にわあげ
[
niwaage
]亥の子の後、にわつき(精米)が終ってからぼた餅を親しい家や寺に配る 「絵暮」
にわかひょっとこせ
[
niwakahyottokose
]にわかとひょっこりが合わさった言葉か?(浩ちゃん)。/なに、そんなことが にわかひょっとこせで出来たりしょーど。
にわづき
[
niwaduki
]庭搗。稲のとりいれ。稲こきから米を俵に入れるまでの仕事をいう。「今は~最中ですから…」「井上」 ¶昔は稲を刈って束ねて稲木に掛けて何日か乾すことあり、今はコンバインで刈って乾燥機で一晩水分調整して明くる日に籾摺り作業を終えれて袋に詰め農協などに出荷となる
にんげ
[
ninge
]人間。/ありゃーええにんげだで。これは知りませんでしたがドラエもんに「ニムゲ」が登場したのはTVで見た。
にんにゃー
[
nin'nya:
]磯に棲む小粒の巻貝。殻のまま塩茹でにして肴にするとほろ苦味あり美味だがめんどくしゃー。¶和名ガンガラ類。丹後ではクボガイを「にし」、それ以外のガンガラを「にな、にない、にんない」、と呼んで区別すると「」
にんばりあめ
[
ninbari-ame
]新治飴。米のもやしで作った飴。詳細不明。
ぬ
⇧
ぬかす
[
nukasu
] (追い)抜く。/「ようい、ドン」と鳴りました。「みき、ガンバレー」「あゆ、ぬかせえ」と応援しました。「平成11年度 児童作文集」(第二小 五年生)から。
ぬかむし
[
nukamusi
]ウンカ。「覚書」にはアブラムシと
ぬきごり
[
nukigori
]山林から目的に合いそうな木を選んで切ること(延さん)
ぬくい
[
nukui
]暖かい。=とろい。
ぬくそで
[
nukusode
]着物の袖に手を入れて暖めている姿。今ではポケット手の姿を言うみたい。 /(山道を)ぬくそでで歩いとったらあぶにゃーど(静ーちゃん)。
ぬくめる
[
nukumeru
] あたためる。/夕べのカレーがあるで温めて食えーや。
ぬけさく
[
nukesaku
](擬人)抜作。まぬけな人をあざけっていう語 ¶「金国」にもあり、歴とした共通語みたいで「抜衆、抜蔵、抜六、抜作左衛門」などとも云うらしいが、とんと聞かないので採用
ぬけじるくう
[
nukejirukuu
]すっぽかされる。/今日はぬけじるくうたわ。
ぬずく
[
nuzuku
]覗く。/立臼を覗いて見たところが「伊昔」
ぬすっとごり
[
nusuttogori
]盗人樵り。権利のない山に入って木を伐ること。「京食」
ぬれわらじ
[
nurewaraji
]新入住戸が土着する際、その世話をして身元保証人となってくれる家 (三重)「民俗」
ね
⇧
ね
[
ne
]げ(家)、単独では用いない。/あんたね。 /松本さんね。但し我が家の場合は「うちげ」のほうが多かったように記憶する。「うちね」もあったような記憶もあるような…不明快。
ねき
[
neki
]そば、かたわら。きわ。=「ほて」/もっとねきに寄せーや。¶名古屋でも
ねこがばばこくよーな
[
nekogababakokuyo:na
]→じゃらしい。(延さん) 但し、どーで猫のばばがじゃらしいのか、聞き漏らした
ねこのひげ
[
nekonohige
]猫の髭。秋の日は日一日と短くなる。それは猫の髭ほどの差だという(浩ちゃん)。
ねこまたぎ
[
nekomatagi
](猫も跨いで通り過ぎるほどに)まずいもの。ウグイ(魚)もこの名で呼ばれるとか。
ねこわけ
[
nekowake
](食事など)ほんの少し残すこと。わけ。/ねこわけせんと全部食っとけーよ。 ¶「平家物語」巻第八猫間の事に「猫おろし」とある
ねしき
[
nesiki
]寝床。蒲団を敷くこと。/まああがれーや。いま、ねしきかたすで。
ねじき
[
nejiki
]その昔(戦後のこと)、捻って薪・おどろを束ねるのに使った低木。どうやらマンサク(シロ)・ネジキ(多分これがアカ)・ガマズミ(クロ)などの親指までの太さで枝が少なくすなおに伸びた木が使われたか。編者の記憶には父母はクロで縛ったように記憶。
ねしくる
[
nesikuru
]なすりつける。→にしくる。
ねじのき
[
nejinoki
](植)ネジキ。「丹後の山村生活技術」
ねじぼん
[
nejibon
]「絵暮」
ねそかたげる
[
nesokatageru
]小首をかしげる。
ねっき
[
nekki
]釘立て。釘を地面に投げて立てる遊び。相手の釘を狙って投げて地面に突き刺さり相手の釘を倒す。めんこのルールと同じ。5寸釘ほどのサイズでないと立たん。
ねてぁあ
[
netea:
]粘つく。(康っさん)
ねびき
[
nebiki
]いびき。¶寝息。寝ぶたなって音を立てて息をする音なら「寝(ね)」の方がええように思うが。「値引き」と重なるのを避けたのか
ねぶる
[
neburu
]舐める。ただし侮るという意味は無い。¶名古屋でも。
ねらむ
[
neramu
]にらむ。
ねりごむ
[
nerigomu
]食いすぎて腹の中で醗酵する。(延さん)
ねんねこ
[
nen'neko
]幼児を背負った上から着る綿入れの半纏。「海辺」
ねーさん
[
ne:san
]1)[^^__]or[____] 姉。 2)[____]年上の(と思える他人である あるいはおっさんから見て年頃の)女性への掛け声。おねえさん。ねーちゃん。
の
⇧
の
[
no
]の物。「の」だけで所有を表す。/そりゃーわしのだ。「のん」は「の物」。
のうせぁー
[
no:sae:
]他人を馬鹿呼ばわりする言葉。「のうせぁーのかわ」は一段強め。「海辺」
のぎ
[
nogi
]柿の実の中に出来る黒っぽい点々 甘柿には必ずある 「くも柿」は特に密に出た 渋柿でもこれが出来ていれば渋くない 本来渋い美濃柿などにも出てこれは実が大きいので食いでがあった。
のきね
[
nokine
]のき(軒)。
のく
[
noku
]どく。/ちょっとのいとくれーな。
のぐ
[
nogu
]脱ぐ。「おんな」
のごう
[
nogou
]ふく。ぬぐう(拭)。古い言葉。↔てのごい。「旺古」に/しげき涙をのごひつつ…「大鏡・時平」の例文あり。 ¶「広辞」には万葉集20 「涙を のごひ 咽(むせ)びつつ」の例文あり。由緒正しきやまとことばなのです。これhttp://dialect.sakaekai.net/pageF09.php から。(おせわになってます)
のさ
[
nosa
]入会地。/あれは海士と油池とそれから甲山と三部落の入会地ですわ。あの~いうてな、海士と油池と甲山の三部落の入会地になっとってなあ。「久昔」
のぞき
[
nozoki
]水視漁法。覗き眼鏡を使用して漁獲。
のぞき
[
nozoki
]刺身の醤油・ワサビを入れる小皿。(延さん)
のた
[
nota
](磯の)波 荒れた後は磯'のた'が高い。 「一ののたは逃げ 二ののたは見 三ののたで海苔をかけ」「風習」
のっぺいに
[
noppe:ni
]辺り一面に。/そこら中に人家はなしに、のっぺいに田んぼだった「宮昔」
のまさったかや
[
nomasattakaya
]朝の挨拶。お早うございます。「覚書」 ¶多分お茶でしょう、何ぼなんでも朝から呑まんでしょう *朝飯は味噌汁に梅干(私、納豆党)程度でしょう 旅館みたいに卵に海苔は少ない?(要調査)
のりやき
[
noriyaki
]昔の手作りのおやつ。貧しい時代のホットケーキ。甘味には錠剤の「アマミン」を使っていた
のろくてぁー
[
norokutea:
]のろのろしているのが 'ふがわりい' 時に云う。/何のろくてぁーことしとるだいや!はよせんかいや!
のん
[
non
]の物。/「それ誰のん?」ー「わしのんだ。」「わしんだ。」
のんのんさん
[
nonnonsan
] ほとけさん。幼児語。 /のんのんさんに「なむなむ」するだでー。
のーなる
[
no:naru
](物が)無くなる。(人が)亡くなる。/野菜市は早よ行かなええもんがのーなる。¶名古屋も
は
⇧
ばあ
[
ba:
]餅「長善」 ¶「井上」には子供の天地の項に
ばいすけ
[
bea:suke
]竹製の浅い籠。「京丹後民俗」;「もっこ」とともに「土砂を荷う籠」と 但し(使用者少なし)と「長善」
はえじゃこ
[
haejako
](魚)オイカワ。
はえほんぎゃー
[
haehongya:
]生え放題。(延さん)→なりほんぎゃー。
はえる
[
haeru
]延る。/「縄をずーとはえていって」「丹民」p41 ¶作業としては長い延縄(はえなわ)を順序良く海面に落とし込む仕事になると想像するが、作業を終えれば海に罠縄が張られている状態になる。西鶴の「日本永代蔵」に「蜘蛛の糸筋延へて」とある。
はか
[
haka
]しか。/これはか無い。はちゃ、ほちゃ、なども久美浜弁。/わしは半分はか食われん。一人食いたえもんだ」「宮昔」
はかま
[
hakama
]止葉。「狐狸」に「穂はでえでも米がようけあれぁええ。はかま(止葉)がしょーと出て、穂が見えんでも、中に穂がこうあって、米がようけあれぁええ。」とある。 ¶とめば 稲穂すぐ下の最後の葉
はけ
[
hake
]壷。/唐臼の~(「狐狸」)。
はげ
[
hage
](魚)カワハギの仲間の総称。¶悔しいが俺を見て教えたのは(篤生くん)。
はげ
[
hage
]土の露出した崖斜面。葉の付いた木の枝を尻に敷いて滑る遊びを「はげすべり」と「羽衣」 「丹昔」に/はげからくずすようなところがこしらえてあったらしいですわな。
はげしばり
[
hagesibari
]ハンノキ、又ヤシャブシ。「はげ」とは山崩れの場所でそれを防ぐ為に植えられた木だとか(延さん)。
はげしろ
[
hagesiro
](季)半夏生。「食風」
はこがめ
[
hakogame
]=はたがめ。「奥波見通信」
はさかる
[
hasakaru
]挟まる。間に入り込む。/リンゴかじったら歯にはさかった。但馬竹野町には「はさかり岩」という名勝あり。 ¶名古屋では「はさかう」
はさける
[
hasakeru
]挟む。/読み止しの本に栞をはさけとく。
はさみだけ
[
hasamidake
]挟み竹。手の届かない柿を取るための竹竿 先端をM形にして真ん中をやや裂いて小枝を挟んで隙間をつけてこの隙間に柿の枝を挟んで回して折り取る。
はしかいー
[
hashikai:
]「京辞」に「ハシカイ(形)皮膚がチカチカして痛痒い。「背中に何やら入ってハシカイ。」古語ハシカ(芒)の形容詞化。「ハシカし」の口語」と。稲の籾殻を一つ二つ下着シャツの中に入れて見れば体験可能 痛いほどではないし痒いという感じでもないが気になる刺激があり落ち着かないのです。⇒きしゃきしゃ。¶「旺古」によれば「はしか【芒】(名)麦などの、のぎ。のげ」とある
はしかばな
[
hasikabana
](植)ムクゲ。「覚書」
はしけー
[
hasike:
]はしかいい。
はしっぽ
[
hasippo
]端っこ。はじっこ。/巻き厨子ははしっぽの方がうみゃーなー。
はしり
[
hasiri
]流し。台所。「昔話」
はじる
[
hajiru
]弾ける。/ちょっといろっただけでホウセンカがはじった。
はすきゃー
[
hasukya:
]はすかい。「GJ」に”(1)斜め slant (2)すじかい brace”との解説あり。
はぜくる
[
hazekuru
]跳ねる。/はぜくってみてもどうしても海へ入れんことになってしまった。「昔話」
はそわ
[
hasowa
]合間。
はたかみ
[
hatakami
]雷。「京辞」には「ハタガメ(名)雷。竹野」と。「八犬」に畑上語路五郎高成という名の千葉家の眼代が登場する(6.2.53) はたがみと振り仮名してあり。ゆえに必ずしも丹後のものだけではなくて古語とするべきか。 →はたがめ
はたがめ
[
hatagame
]雷。→はたかみ、はたがみ。/大けなはたがめが虎の皮の座布団敷いて長火鉢の横座にでえんと座っとって「京昔」
はたく
[
hataku
]叩く。砕く。はたき落とすなど云う。¶掃除道具の「はたき」最近見ませんね。
はだける
[
hadakeru
]挟む。=はさ(挟)ける。/その間にこれをはだけてーな。
はだける
[
hadakeru
]振り落とす。/草をむしったらよー土をはだけてから捨てるだで。
はだける
[
hadakeru
]肌があらわになる。肌ける。/襦袢の肩がはだけた。
はだめ
[
hadame
](1分おきにの)置き。毎。/1日はだめ。
はちかる
[
hatikaru
]1)股を広げる。2)四方に広がる。/枝がはちかっとって「伊昔」。
ばちくそ
[
batikuso
]罰(当たり)。¶少年時「ばっちくそだ」と云った覚えがある ’いい気味だ’という意味で。
はちはち
[
hati-hati
](牛への掛け声)「左」 ¶延さんに聞き、柳田さんの「牛言葉」を読んで訂正(2014.1.3) 右は「ヘシヘシ」
はちゃ
[
hatya
]〔久〕しか、より(only)。'ほちゃ'とも。 ¶/たった一冬はつちゃア着ねえものが「風呂」
はっか
[
hakka
]竹棒の先に鉤を取り付けた漁師の道具。/「まこと、ハッカでそこをひっかけれぇ!」。http://www5.nkansai.ne.jp/com/kamanyu/chiiki/masima7.htmより
ばっかり
[
bakkari
]..ばかり。..だけ。「ばっかし」もあり。/わしばっかり叱られて損がいく。
はっすん
[
hassun
]八寸角の箱膳。「民俗」¶「広辞」には「奉公人などが食器を入れておく箱。食事の時は蓋を膳として用いる。切溜。」と
はったいこ
[
hattya:ko
]ハッタイ粉。麦こがし。香煎。¶「浪花聞書」に「はつたい 麦こがし也」と。¶おっとどっこい「京食」に「小麦で作るのが小麦ばったいであるが、このあたりでは、すべて米ばったいである。 玄米をほどよく炒って、これを石臼で荒挽きし、さらに仕上げ挽きをして、ていねいに粉にする。次にふるいを通して、粕は牛の飼料にする」と
はつたけさし
[
hatutakesasi
](植)メドハギ。「覚書」
ばっちょがさ
[
batchogasa
]竹皮笠。/竹皮笠(ばっちょがさ)見たいな赤い々いお月さんが見えるだげな「丹民1」 ¶「峰郷」には「罰懲傘」と。
ばなかせ
[
banakase
](植)マンサク。 ¶長い間分からなんだ 地方名にババナカセとありタニウツギ類のこと しかしシデ、ホーソに列して呼ばれる(→ほーそ)もんではなかろーとの気持ちあり 今でも、同列に名の挙がるものではないとの気持ちあり 「ばなかぜ」とも /「山に行くならよい木をたのめ しでやほうそやばなかぜを」
はなくそまめ
[
hanakuso-mame
]昔のおやつ。大豆を砂糖と一緒に炙って練り固めたもの。¶以上は我家での記憶。家庭・地域で違うみてぁーだ。
はなご
[
hango
]鼻緒。下駄・草履の指賭け紐。
ぱなし
[
ppanasi
]動詞についてある動作の後しかるべき後始末をせずにそのまま放り出すことを云う。/出しっぱなし。 /新聞読んだら読みっぱなしで広げたまんま。/飯食ったら食いっぱなしで後片付けもせん。¶「金国」「広辞」に「やりっぱなし」あり。「放し」を当てている。「京集」では「ぼかし」「ぽかし」が相当。これは「ほかす」か?
はならかす
[
hanarakasu
]離れさせる。/もうちょっとはならかして植えたほうがええちゃうか。
はねこ
[
naneko
]のけ者。仲間はずれ。はねっこ。
ばば
[
baba
]大便。=くそ。
はばき
[
habaki
]脚半。田・山仕事に履く脛部の覆い 蒲の葉や菅・麻・藤の皮で作った 袖志などの漁村でも荒磯で脛をいためぬ様に使用された
はばしい
[
habasi:
]元気がある。
ばばへら
[
babahera
](植)
ひさかき。実を潰したら濃い色の汁が出る。仏事に枝葉を用いる。
訂正2010.3.17 ¶少年時喰った覚えのあるババヘラ 和名シャシャンボがどうやらこれらしい 延さんに教わった 図鑑もええけど、やはり「先達はあらま欲しき」もの ¶シャシャンボ(学名:Vaccinium bracteatum)はツツジ科スノキ属(vaccinium)なのでブルーベリーの同属だと 山ん中の家族の裏山にそんな実があった、口の周りを染めながら食っとったんだな~
ばばめ
[
babame
]ウハバミ(蟒蛇)「三重」
はまち
[
hamachi
](動)スナガニ。「養老-野遊び」/養老での「すながに」の呼び方です。はまちは海の中では死んでしまうので、砂浜に穴を掘って、昼間はその中に隠れています。「ひとくい」
はめる
[
hameru
](水・海に)突き落とす。/かわぇぁー(川に)はめちゃろか。
はや
[
haya
](魚)オイカワ。鱗が美しい川魚。蜘蛛を餌に流し釣りした。
はやいき
[
hayaiki
]小学校の就学年齢がほかの子より早いことをいう。「早生まれ」とも。1月1日から3月31日までに生まれた人。 ¶同じ学級でも干支が一つ違う。小学校の学級順序では後尾になった。同級生で見れば早生まれではなしに「おそ生まれ」なのだが。
はやお
[
hayao
]紐。
はやかす
[
hayakasu
](髭など)生やす。/立派な髭はやかえた一人のお爺さんが。
はやす
[
hayasu
]包丁で果物・野菜を切る。/案の定、南瓜を出して、そいつをはやしかかったげなが、…「伊昔」
はよ
[
hayo
]早く。/はやーこと=はやく。/はよせな=早くしないと。¶名古屋も
ばらく
[
baraku
]撒き散らす。ばらまく。¶「ばんばらこ」に繋がる言葉と思える。
ばらく
[
baraku
]ばらばらにする。撒き散らす。「ばらかす」もあり。 ¶「ばらける」は「広辞」にあり。/その場の銭のばりゃあちゃったの、そこらにほったらがえといていんだだ「京昔」
ばらける
[
barakeru
]「ばらく」の自動詞形。/飯粒でひっつけといたが朝になったらばらけとった。
はらとーし
[
harato:si
]下痢、下り腹。/水ばっかり飲んどったら腹通ーすど。
はらわたもち
[
harawatamochi
]妊婦の帯祝の日に里から贈る餅「絵暮」
はらわたもち
[
harawatamoti
]腹帯を付ける日に嫁の実家から届くマツブタ一杯の餅 近所や親類に配る。「京丹後民俗」
はりかんよう
[
harikanyo:
]はりきったほがらかな話声をいう。「いつ逢ってもはりかんよげに話なはる」「井上」 /はりかんよう唄うたいもって(サクラオウ峠を)登って来ただげな「く民」
はりこ
[
hariko
]病気。/はりこしとって、きんのうまで寝とっただーな。¶「弥栄町史」には「はりこする」で仮病を使うとあり。「丹昔」には「この頃たかからあだけて、はりこはっとる」という表現あり(109 ところの言葉)。
はるぎ
[
harugi
]春木。春先の木こり、またその薪。/「二月も終わりごろになるとそろそろ春木の元伐りに出なあかん 伐った木の元から樹液が流れ出ないうちに木伐りを始めるのがよい」/「3月15日になると春木をしに出る」この日を「こうぞめ」といった 「吉津」
はん
[
han
](接尾尊敬)さん。関西風。/雅子はん。¶丹後のおばあさんらーはこの「まさこ」を平坦なアクセントでいーなる。[高高平]と前を高く云えば都会風で何故か若い人を想像し、[平平平]だとおば(あ)さんのイメージが浮かんでしまう。
ぱん
[
pan
]めんこ。パンは[高低]だがこれは平なアクセント。/厚紙で手作りし、重さをもたせるために油をしみ込ませた「油ぱん」を作りました。「ひとくい」
ばんげ
[
bange
]晩。¶名古屋も /ばんげになって独りで寝るのがこわて「丹民4 屁のてがら」 ¶「太平記」に晩景(ばんげい)とあり
ばんこ
[
banko
]土製の炬燵。 ¶火床(小ぶりの火鉢)に灰を被せた炭火を置き 一方に窓のある木箱に入れる暖房の工夫。「海辺」に「塩水で濡れた手に冷たい風が当たり釣り針に餌をかけることが出来ぬほど指がかじかんだ。」「手がげぁーに(蟹)になる」と表現したと。漁舟にも欠かせないものだったと知る。「たいざ」には「当時唯一の家庭的暖房具で一昼夜温い かまどでできる消炭の粉はたどんになりバンコの燃料にした」と
はんだ
[
handa
]〔久〕筈だ。
はんちゃ
[
hancha
]衣類の一。「風習」 詳細不明。
ばんなりました
[
ban'narimashita
](挨拶)「晩になりました」。すれ違って或は家を訪ねていう。多くは「へー」という呼掛けが先行したと記憶する。そうでないときは「ばんなりました」と大きく言うべきか。「へー」で注意を喚起していたと今頃思い当たる。
ばんばらこ
[
banbarako
]ばらばら。散らばった様子。/またこんなばんばらこにしてー。
はんぶ
[
hanbu
]半分。/せめて、はんぶでもええで、分けたれーや。¶はんぶづつ、はんぶ分け、などもあったと記憶。但し「xはんぶっこ」とは云わずに「はんぶんこ」だったか。
はーする
[
ha:suru
]唇をすぼめて息を吹くのは「ふー」と云い、これは物を冷ます息だが 口をあけて出す息は暖かいのでかじかんだ手を温めるときや眼鏡を拭く時には「はー」と吐きかける。
ひ
⇧
ひい
[
hii
](植)ヒユ。
ひいけ
[
hi'ike
]火いけ。「かまどには、いつも火種がいけてあった。桑の根っこが多かったと思うが、朽木の燃えさしにすっぽり灰をかぶせておくと、いつまでも火は絶えない これで煙草の火をつけ、またかまども燃やしつけた 煙草は云うまでも無くヨモギやイタドリの葉で代用した 」と「たいざ」
ひいさ
[
hi:sa
]長い間。ひいっさ。/えりゃーひーさかかるだにゃーか。/ひいっさひいっさおなかがええで「宮昔」 ¶久しく。→ひさあし、ひさあに。
ひいな
[
hiina
](植)ひなび。桑の木の実。桑を「ひいなの木」という。「民俗」「たいざ」
ひがしじらみ
[
higasijirami
]東白み。夜明。/夜が明けて東白みになったら「伊昔」
ひからかす
[
hikarakasu
]光らす。
ひからこ
[
hikarako
]川底魚の名前。赤紫色したナマズに似た形をしている
ひきべっとう
[
hikibetto:
]蟇蛙。「伊昔」
びく
[
biku
]縄で編んだ網袋に小石を詰めたもので、定置網の重石とする。「京食」
ひくにし
[
hikunisi
]「うらにし」の別称。「丹町」
ひこや
[
hikoya
](魚)丹後でヒコヤ 与謝ではツカヤ 通称グレ 和名メジナ
ひさあに
[
hisa:ni
]ひさしく。→ひさあし、ひいさ。
ひざらえ
[
hizarae
]大掃除。間人では庚申さんにひざらへをする風習があると 庚申はカノエサルの日 帝釈天と青面金剛。「風習」
びしゃ
[
bisya
]跳ね水。/車にびしゃ掛けられてズボンがわやだ。
ひじり
[
hijiri
](虫)エビコウロギ=カマドウマの幼虫。「長善」
ひだりぎっちょ
[
hidarigittcho
]ぎっちょ。左利き。¶「ぎっちょ」だけで左利きを意味したのに何でわざわざ「左」を付けるのか。そもそも「ぎっちょ」てどうゆー意味なのか。「ぎっちょん」ということも
ひだるい
[
hidarui
]ひもじい。¶名古屋も
びち
[
bichi
]緩い便。下痢便。びちくそ。/びちこいた。/思いきりきばったら、ビチ、ビチ、ビチィいうてなあ出ただって、泥みたいなビチ糞が「民話」 ¶擬音であろう。
びちくそ
[
bitikuso
]びち。大阪弁ではビッチクソと「茶乱」。
ひつこい
[
hitukoi
]しつこい。
びったれ
[
bittare
]みぞれ。
ひっちゃこっちゃ
[
hitchakotcha
]あべこべ。
ひっとりぎゃあに
[
hittorigya:ni
]→ひとりぎゃあ。
ひてあぐち
[
hitea:guti
]額口。額。 /ゴーンとひてゃぐち、嫁さんの額ぐちを張ったですって。「丹昔」
ひでーこと
[
hide:koto
]ひどいこと。ひどく。/あの後、ひでーこと叱られたわいや。
ひでーめ
[
hide:me
]酷い目。/ひでーめにおーた。
ひと
[
hito
]1)発言者(me)のこと。わし。俺。/ひとがほーろー辛苦してこさえたのに。 2)自分以外のひと。/わ(me)がいらん(嫌)と思うことをひと(他人)にもせんよーに(do not)せな(do)あかん
ひど
[
hido
]そんなに、たいして。/ひど気にしとれへんげなで。
ひとかたけ
[
hitokatake
]少しばかりの飯。「GJ]では「一片食」を当て(「かたけ」は朝夕二食のうちの一方という意) 一回の食事。」と。「金国」にも「ひとかたき」の見出しに「(正しくは「ひとかたけ」) 一度(分)の食事。」と説明同じ漢字を当てる。 ¶「風呂」にも「達者な身でも~お飯をたべねへと」
ひとくれぁーねぁー
[
hitokrae:nae:
]云いようもない、尋常でない。「海辺」
ひとしょんべ
[
hitosyonbe
]一休みという乗りでいうしょんべんタイム。(延さん)/どれ、ひとしょんべして、あと一気張りしょうか。
ひとついき
[
hitotuiki
]一つ息。息絶え絶え。「伊昔」
ひとなか
[
hitonaka
]人中。人付合い。近所付合い。「村中」という言い方もあるようだ。/「嫁にとるいうたって、人中せんような者をもらったってしゃあにゃいで」「人中さしてもらえなんだような者」「久昔」 /頭の髪を晩げの間に剃ってしもうて、人中できんようにしてしまった「丹昔」
ひとなぎり
[
hitonagiri
]一握り。
ひとはた
[
hitohata
]ひととき。しばらくの間。/そして火ぃ焚いて、ひとはたあたらしとっただに。「昔話」
ひとよさ
[
hitoyosa
]一晩。/今夜、一夜さ辛抱しとんなれ /松の木の上へ上がって、今夜一夜さ暮すだと思って、松の木の上へ上がっておった「伊昔」
ひとりぎゃあに
[
hitorigya:ni
]ひとりでに。自然に。「伊昔」
ひなか
[
hinaka
]半日。/ひなか仕事=半日が潰れる仕事。村役などで実質の作業時間は1時間そこいらだが8時半の集合が(田舎時間で)遅れて揃ってよーやっと開始して終われば10時過ぎて世間話もあったりして家に帰ればもう11時 野良(会社)は昼からちゅうことになる。
ひなさこみず
[
hinasakomizu
]鱒留比治山峠のふもとの水。「水が飲みたい ひなさこ水が 飲めば気もよし 身も涼し」。
ひなた
[
hinata
](植)スズメノテッポウ。茎を吹くと「ピー」という高い音がでる「羽衣」
ひなた
[
hinata
](植)田畑に多いイネ科の雑草。(延さん)¶和名未詳…調査続行。
ひなたみず
[
hinatamizu
]陽で暖まった水。「GJ」にあり。
ひなび
[
hinabi
]桑の実。蚕(かいこ 丹後では’きゃーこ’)の食物である桑の葉を畑に作っている所では秋に実が成りそれは副産物で蚕は葉を食う 子供らはひなびを食う 唇を紫にして。¶久美浜ではヒナビ、峰山ではフナビと、関東ではドドメ、美山町のわらべ歌には「色のわるさはスナベ色」の文句ありと「京語」。大原ではクワイチゴというとも。→ ひいな。
ひにちぐすり
[
hinitigusuri
]日にちが薬。病気の時に養生しておればやがて治るだろうことをいう。薬に頼らない自然治癒力を信じた言葉。
ひねくる
[
hunekuru
]ひねる。同様の変化に「つねる:つめくる」などあり。→ねしくる、ほじくる、ひねくる、まぜくるなど。
ひのうち
[
hinouti
]日中。/ひのうちに済ます。
ひのくれ
[
hinokure
]夕暮れ。
ひのくれせぁまつ
[
hinokuresya:matu
]日の暮れ歳末。夕方の多忙な時。「伊昔」 ¶野良から帰って水を汲んで手足を洗って火を起して、湯を沸かし、風呂焚いて、飯の用意、などなど。水道もガスも無い頃を想像してみよう。
ひのじゅう
[
hinoju:
]昼間。/暑つてひのじゅうにゃー外によー出なんだ。
ひばしかい
[
hibashikai
]火の用心が悪いこと。「京食」
ひぼ
[
hibo
]紐。「も」と「ぼ」を交互に口にしてゆーてみてどこが違うか。「ぼ」は唇が破裂するが「も」は息を吸いながらでも発音可能と。¶名古屋も
ひめむし
[
himemushi
]カメムシ。「広辞」によれば世界に二万種、日本に90種とか。地方ではヘッピリムシ、ヘクサムシ、(英)stinkbug などというとか。¶米作りの世界でも嫌われ者でJAから「斑点米カメムシ類」として指名手配されている。
ひゃあひゃあゆき
[
hya:hya:yuki
]灰々雪 灰のように軽い雪。「毎日新聞」の京都ページだったか
ひゃくしょうりょうし
[
hyakusyo:ryo:si
]半農半漁の漁師。
ひゃご
[
hyago
]「方辞」に「加悦谷の子供の間で他村の子等を揶揄して’XX村のひゃご’などと云った」とか。「海辺」には「他村の子等を蔑んで云う いじめの意あり」と
ひやご
[
hyago
]カモメ(鴎)「三重」
ひゃごたん
[
hyagotan
]百姓の子をあざけて云う言葉。「ひゃごたんの杼」という言葉があったとか、百姓が機(はた)を始めた事をやっかみ半分に云った言葉とか。#未だ半解にて登録。助っ人募集! 1)「町誌」に'端郷(はご)'のルビあり ひゃごとはこのことかも。
ひゃー
[
hya:
]正調丹後便では「蠅」と「灰」の区別がにゃー。「はえ」と「はい」だけどどっちも「ひゃー」と云う。/温くなって食事時にひゃー(蠅)がたかるようになった。/薪炊きの風呂場のバケツに溜まったひゃー(灰)を畑にみゃーた(撒いた)。
びゃーた
[
bya:ta
]薪。「京辞」に「バイタ まき。割木。(加悦・三郡)」とある。昔の火力燃料。炊き付けは紙などに火を着けて'おどろ'をのせる おどろが燃え出して窯の温度が上がり上にのせた薪が燃え出す。薪が燃え出せばOK。うまく燃え付かないときに「ひゅーけんだけ」をつかう。
ひゃーる
[
hya:ru
]入る。/はよ風呂にひゃーれーや。
ひゅうけんだけ
[
hyu:kendake
]火吹き竹。
びゅっとした
[
byuttosita
]格好よく決めた。格好いい。/びゅッとした外車で里帰り。/びゅっとしたなりで街を歩く。
ひょうかんな
[
hyoukan'na
]頓知のきく。¶瀧夫さんの口から出たときには「ひょうきん」の間違いかと思っていたが。
ひょうける
[
hyo:keru
]戯れる。(「おんな」)。
ひょうし
[
hyousi
]タイミング。/いぬる~がのうて…「狐狸」
びょうぶのき
[
byo:bunoki
](植)リョウブ。「あんこの森」
ひよこぐさ
[
hiyokogusa
](植)ハコベ。「覚書」 ¶雛、鶏が好んでつっつく
ひょこたんと
[
hyokotanto
]ひょっこり、ばったり。/町ィ買ーもんに出たときィ、ひょこたんと○○さんにおーてなーぁ。(静ちゃん)/侍さんが~、ここへ尋ねてきなって…「く民」
ひより
[
hiyori
]晴天。 /このくらい~が久しなりゃあ、あの池の水が細んでおらみゃあきゃあな(と心配)「丹昔」
ひらう
[
hirau
]拾う。
ひらご
[
hirago
]イワシの小さいもの。「京食」
ひらた
[
hirata
]平らな場所。川岸の土手斜面と川面との間の平らな草地を(浩ちゃん)がこー云いなった。/ひらたの刈草がこにゃーだの大雨で全部流された。
ひらべったい
[
hirabettya:
]平たい。へらべったゃー。
ひらもん
[
hiramon
]平物。巨大な梁。「網町」
ひりひり
[
hirihiri
]擦り傷などの痛みを表現することば。
ぴりぴり
[
piripiri
]極少量の降雨を示す。/ぴりぴり降っとるけど傘ども要らへみゃーで。
びりびり
[
biribiri
]「紙が びりびりにやぶけた。」(紙が こなごなにやぶれた )
ひるたばこ
[
hirutabako
]昼休み。
ひろあけ
[
hiroake
](戸・障子など)広く開けたままにしている状態。/寒いのに、ひろあけするな。/せっかくクーラー掛けとるのに、ひろあけしにしとったら冷えんわやー。
ひろこ
[
hiroko
]下駄。
ひわ
[
hiwa
]鍋墨。「伊昔」。へわ。
ひわずい
[
hiwazui
]ちょろくしゃー、弱弱しい(博司さん)
ひんがわりー
[
hingawari:
]品が悪い。恥ずかしい。/散髪せーや、がっそうでひんがわりーど。
ひんだ
[
hinda
]女「おんな」。「ビク、ヒンダノコ等と口では差別をしながら、女の子一人を機屋奉公に出すことによって千両箱が出来るの倉が建つのと内心喜び…」「民謡」 ¶「三重」にもあって「娘の子」とあり
ひんだらがき
[
hindaragaki
]一歳前後の小さい子どものこと(「丹民」)。ヒンダン餓鬼「伊民2」
ふ
⇧
ぶいぶい
[
buibui
]5円玉に糸を通して回す遊び。「風習」
ふうつき
[
fuutuki
]風体。服装。
ふがわりー
[
fugawari:
]腹が立つ、面白くない。¶「腑が悪い」で腹の虫の居所が悪い? 「わらべ歌」に√おきて泣く子は腑が悪い ¶柳田「方言覚書」によれば九州、瀬戸内でも
ぶき
[
buki
]分。「我峰」 ¶後日、(分け前の)取り分という意味で、/わしの~だ、などと使うと(延さんらーに) 「き」にアクセント 歩機との関連は未詳 ¶ 「民話」に/「食いぶきちゅうもんは、力が出るもんださけあ、食いぶきをじょうに食ったもんに、文句いうな 」の文あり ¶ 柳田「福引と盆の窪」には各地で「ブニ」というと、’ふがわりー’のフにもつながっていると
ぶき
[
buki
]歩機(ぶばた)。商家(生品の仲買人)から原糸の委託をうけ、製織して工賃をうける織物業。テバリの対「井上」
ぶく
[
buku
]喪中。「海辺」
ふくらしば
[
fukurashiba
](植)ソヨゴ。
ぶげんしゃ
[
bugensha
]金持ち。辞書にも「分限者」(文語)と。「三吉」に「木屋文蔵といはれては一というて二のない分限。」
ふご
[
fugo
]
未解明。農具か?
「風習」。 「京語」には「フンゴ、フゴとして保温のために飯びつを入れる藁で編んだ具」と 同じ著者の「折々」に「ワラで編んだ籠。ワラを円筒形に編み蓋がある…府南部では」稚拙な大工を「フゴダイクと呼ぶ」と
ふさう
[
fusau
]相応う。/(ワサビ栽培の話)摂氏12度以下の清水によく~とのこと「吉津」 ¶「井上」には「くさう(老)その土地が作物の生育条件に適していること。適作。/この畑は大豆のクサワン土地らしい/ゴボウのクサウ畑」とあり
ふと
[
huto
]魚の胃と腸。「海辺」 ¶腑
ぶと
[
buto
]ブヨ。ブユ。蚋、蟆子。/ぶとに噛まれて足がかいーだんにゃー。
ふとん
[
futon
]しめおけ(絞桶)の藁(?)製の中蓋。この上に木の蓋を乗せて魚を絞る。「海辺」 ¶これで満遍なく力が加わるものと思われる。→しめおけ
ふみつぎ
[
fumitugi
]踏み台。くらかけ。あしつぎ。「我峰」「丹民3」
ふゆいか
[
fuyu-ika
]ケンサキイカ。剣先烏賊。
ふゆばたらき
[
fuyubataraki
]出稼ぎ。「宮昔」
ぶらくる
[
burakuru
]ぶら下がる。「我峰」
ふる
[
furu
]いびる /姑嫁ふる 嫁小姑ふる 小姑つるべの縄をふる「民謡」
ふるしき
[
furusiki
]風呂敷。
ふるすえ
[
furusue
]古末。老木の梢。「伊昔」
ふるせん
[
furusen
]「種芋として植えられたものが子芋の成長のため養分をとられて老衰したもの。生姜だけはフルセンの方が辛味が強く云々」と「井上」。 ¶ワラビの生える所は「(枯れた)フルセンを見れば分かる」と延さんがゆーたで芋に限らず枯れた古株にも使うらしい。
ふんぐり
[
hunguri
]松毬。まつかさ。¶糞栗?
ふんごむ
[
fungomu
](泥田などで足が)入り込む。¶「踏み込む」の自動詞化した形か。「床」初編上に「孔子の道ばかりしっても脇道へ切れるとぬかるみへ踏込むのさ」と隠居のせりふ。ふりかなは「ふんご」とある。「萬金」にも「此以後一度にても嶋原へ足踏ん込みしと聞きなば」の例あり。
ふんつき
[
funtsugi
]農具:足で強く踏んで溝掘りなどに使用する鋤。「甲坂」
へ
⇧
べこ
[
beko
]子牛。
へごた
[
hegota
]窪地。「覚書」
へこたる
[
hekotaru
]〔久〕座る。(辰ちゃんが使った言葉)。
へし
[
hesi
]菱。菱の実。
へしへし
[
hesi-hesi
](牛への掛け声)「右」
へそ
[
heso
]縄の玉、結び目。
へそこ
[
hesoko
]奇形の実。
へそぶろ
[
hesoburo
]臍風呂。風呂桶の下に火鉢を横にして嵌め込んだような焚き口のある移動式の風呂。「網町」 ¶「宮昔」には「竹の風呂 常には風呂桶が庭の天井の方に吊り下げてあった」と
べた
[
beta
]荷馬車。馬車だが多くは牛がエンジン 赤い牛もみた。「牛が引く鉄輪の二輪車」と「日本の民俗26 京都」。¶「ベタという四つ車もあらわれた」と「郷謡」p234.
べたあし
[
beta'asi
]偏平足。「べた」は「べた一面」などのべた。
へだてなー
[
hedatena:
]遠慮が無い。うるさい。
へだら
[
hedara
]「井上」に「ヒサカキ。薪にするほか用途無し。」とだけあり。「広辞」には「サカキ(榊)の代用として枝葉を神事に用いる。また焼いて灰汁の灰とする。¶漢字は木偏に令。」 網野町の旧HPの「後藤家の正月行事」の中に「仏壇には鏡餅、箸のほか… 花立てにはへだら(ひさかき)を立てる。」とある。
へだらくな
[
hedarakuna
]締まりの無い、自堕落な。
へたる
[
hetaru
]座る。「おんな」
へちま
[
hetima
](虫)クスサン。クスサン蛾の幼虫。ヤママユガ科「長善」
へっこむ
[
hekkomu
]へこむ。/あれーこんなところがへっこんどる いつぶつけたかなー?
ぺっしゃんこ
[
pessyanko
]ぺちゃんこ。押しつぶされて平たくなった様子。/雪でハウスがぺっしゃんこになっとった。
べった
[
betta
]めんこ。「風習」 ¶関西では「べった」あるいは「べったん」 関東では「めんこ」とゆーたらしいが編者の育った峰山の古五箇では「めんこ」とゆーとった。
へったらばち
[
hettarabati
]取るに足りないもの。馬鹿げたこと。¶「へったくれ」
べっちり
[
betchiri
]ボタン(釦)「三重」
へっとこまんかかぼちゃ
[
hettokomanka-kabotya
]意味不明。子供の頃いわば喧嘩別れした時に互いの家に帰るさお互いに悪口を言い合うのが作法だったように思う。多くは「あほー バカ 間抜け」に続けてこの言葉があった。その後に「お前の母さん出ベソ!」と続けるのは新しい様に記憶する。「へっとこまんか」て何、何語。¶田辺聖子「大阪弁ちゃらんぽらん」に子供頃の悪たれ口に「あほばかまぬけひょっとこ・なんきんかぼちゃ・どびんちゃびんはげちゃびん」と。QED
へっぽんがえし
[
heppongaesi
]しかえし。丹後の昔話に「狸のへっぽんがえし」というのがある。/いつも、だまゃあて、だまゃあてするさかい、今日はへっぽん返ししたる「宮昔」
へつる
[
heturu
]減らす。「広辞」にあり。
べと
[
beto
]びり。最下位。べっとくそ。べったくそ。/ちょきゃーて「べっとー賞!」などとゆーた。
へのこ
[
henoko
]陰茎。「伊昔」
へびのきぬ
[
hebinikinu
]蛇の抜け殻。「丹後の山村生活技術」
へべたい
[
hebetya:
]平たい。ひ(へ)らべったいとも。
べら
[
bera
]がわ、方。/(こ・そ・あ・ど)っちべら、むこうべら、はんたいべら。¶名古屋では「べた」
へらくたい
[
herakutya:
]平たい。=へらべってぁー。
へらこ
[
herako
]天気のいい日に履く低い下駄、日和下駄。「海辺」
へらべってぁー
[
herabettya:
]平らな。=へべてぁー。
へわ
[
hewa
]鍋の墨。/へわだらけの顔。
へん
[
hen
](動詞未然形について否定)ない。/行かへん。/せーへん。/来(けー・こー)へん。「京語」に明治時代に「行きゃセン」が「行かヘン」になったと。大阪では「行けヘン」と。 ¶「井上」にはヒン・ヘン・センは「時によって適宜用いられ、ヒンとヘンの中間の発音の人もある」「一般にはヒンの方がよく用いられる」と。一世代遅れの編者はヒンは知らない。
べん
[
ben
]度。毎。回。/なんべんやってもおんなじこった。
へんくもん
[
henkumon
]へんくは偏屈の省略形と(まっちゃん)。屁理屈などゆーて人の意見より自分の考えを重んじる人(奴)。/あれぁーへんくもんだで かたらんがええ(相手にするな)。
へんげる
[
hengeru
]へそを曲げる。(まっちゃん)
へんごさもち
[
hengosamoti
](料)宮津市田原地区の餅菓子。ヨモギ
へんござもち
[
hengosamochi
](養老の田原地区)蓬餅
へんだら
[
henndara
]ヘダラ。(荒木さん)
へんちょ
[
henchyo
]音痴の意。変調の省略した言い方だと思います。(まっちゃん)
へんどさん
[
hendosan
]遍路さん。「丹昔」
べんべこ
[
bennbeko
](動)蟻地獄。寺の縁の下などに月のクレーターの様に穴を掘って住んでいた。「海辺」 ¶ 小型の田植え機やユンボもその動作・作用ががこの虫に似るからべんべこというと延さん。 ¶その後「どうでもええもん」を言う時にもとメモあり、但しよーけよばれての記録(2010.1.10)である ¶「長善」にあり
へー
[
he:
](間投詞)声掛けの最初に出す言葉。英語ならHi!とでも言うか。
べーだい
[
be:dai
]木船とのみ「養老通信」に。
ほ
⇧
ほいださきゃー
[
hoidasakae:
]そうだから。関西弁の「そやさかい」。=ほんださきゃー。
ぼいだす
[
boidasu
]追い出す。¶「ぼう」+出す。
ほいだで
[
hoidade
]そうだから。それだから。=ほんだで。
ぼいっと
[
baitto
]ほったらかしにしておく様子。/そんなとこにぼいっとしとくないや。
ぼいぼい
[
boiboi
]ほったらかしにしておく様子。/そこらへんにぼいぼいゴミをするないや。
ぼいやっこ
[
boiyakko
]追いかけっこ。「鬼ごっこ」のこと。「ぼいあい」・「ぼいや」・「おにごと」などもあるらしい「折々」
ぼう
[
bou
]おいかける。/犬にぼわれて。¶追う。¶名古屋では「ぼいたくる」とか
ほうけぁー
[
ho:kyae:
]農作業の時に使う藁で編んだ笠、「佐渡おけさ」などのかむり笠。「海辺」
ほうけざさ
[
ho:kezasa
](植)クマザサ。笹に種類あり。京丹後市に一人の茅葺職人から直接伺いました。枝分れの多い「くまざさ」は屋根葺きには向かないと 久美浜町で「かや」と呼ぶ笹は先端でまとまって葉を広げていて使いやすいと。「青い葉を葺いた屋根はそりゃー美しい」とも。この日(生憎午後から雨)久美浜は円頓寺仁王門の屋根の葺き直しを見に行って聞いてきました(2009.4.21)。ただしここではススキの茎での補修でしたが。雨の中カッパ姿での作業でした。おじゃましました。
ほうこ
[
ho:ko
](植)ハハコグサ。草餅の材。
ぼうど
[
bo:do
]よーけ、沢山。 /実が~なっとった「伊民2」
ほうびき
[
ho:biki
]宝引。 おばさんらーの賭け事。「丹町」p.681、 「風習」に詳しく書かれている。人数分の縄の先に一本だけに掛け金をくくり付けて(ガナという)置いて、もう片方から選び取る ¶「萬金」の解説に「福引の古称」と明快あり。¶柳田「福引と盆の窪」に「京阪神では普通の名であった」と、各地にホンビキ、フウビキ、フビキなど方法は皆同じであったと
ほえにゃー
[
hoenya:
]物足りない、十分でない。¶本意得ない。「生殺し」にされた気分?
ほおだま
[
ho:dama
]頬。
ほおべた
[
ho:beta
]頬。ほっぺた。
ほかす
[
hokasu
]捨てる。/ほかさんでもええ、まんだ使えるど。/あれは鳴いて困るでほかしただ。「丹民」 ¶過去形「ほかした」は「ほきゃーた」ともなる。/そー云ぅーたったのに、ほきゃーただかいや。もってぁーにゃーこった。¶名古屋では「ほかる」とか。三馬の「大千」には「放下す」と ¶「或は洋(うみ)に放下されしは」と「八犬伝」にも
ほくる
[
hokuru
]放る。投げる。/今ほくっちゃるで、ちゃんと受けーよ。
ほけ
[
hoke
]湯気。
ぼけ
[
boke
]歩危。切り立った崖道。/椿歩危(小脇)。冬には難所になる。
ほしか
[
hosika
]魚(特に鰯)を絞った糟(しめかす)を干したもので畑の肥料にした 絞り出した汁から得た魚油は石鹸の原料として出荷した。 「海辺」 →しめおけ
ほじくる
[
hojikuru
]掘る。/鼻くそをほじくる。
ぼじける
[
bojikeru
]ぼじれる。
ほしべり
[
hosiberi
]干し減り。吊し柿を外に干しておくと、減ることを言う 水分が飛んで小さくなることかと思って納得していたけど、そーだのーて、ヒトに盗み食いされて減ることを言うらしい(春子さん)
ほじゃける
[
hojakeru
]ふやける。「京食」
ぼじる
[
bojiru
](むしり)とる。千切り取る。/柿をぼじって食う。
ぼじれる
[
bojireru
]とれる。脱落する。/ぼたんがぼじれた。
ほぜくる
[
hozekuru
]→「ほじくる」/みみずをほぜくって食ったりするさけえで「京昔」
ほそや
[
hosoya
]家と家とに挟まれた狭い所。
ほそわ
[
hosowa
]狭い通路。
ほたえる
[
hotaeru
]戯れ騒ぐ。暴れる。「旺古」に「ほたえる(自ヤ下一)ふざける・あまえる・つけあがる。」とあり。¶/恰度訪ねてきていた中岡(慎太郎)と話をしていた坂本(龍馬)はその物音を、相撲あがりの藤吉(近江屋の使用人)が例によって店の者とふざけていると思ったらしく「ほたえな」と国言葉で叱った。(船山馨「刺客の娘」)
ほたがす
[
hotagasu
]→「ほったらがす」放置する。やりっぱなす。「海辺」
ほだけど
[
hodakedo
]そうだけれども。「ほだって」「ほーだけど」「ほーかって」となることも。
ほだって
[
hodatte
]そうだけれども。ほーだってとなることも。
ぼたもち
[
botamochi
]稲木が前側に倒れること。「覚書」
ぼちける
[
botikeru
]→ぼじける。
ほちゃ
[
hocha
]のほかには。しか。/女ほちゃ居らん。はちゃとも。
ほったらがし
[
hottarakasi
]ほったらかし。/使ったもんをほったらがしにすんないやー。ちゃんと片付けとけーや。
ほったらがす
[
hottarakasu
]ほったらかす。ほおって置く。=ほっとく。/ほったらぎゃーときゃーええわや。
ほっとく
[
hottoku
]ほうっておく、うっちゃっておく。/お日さんとお月さんは朝まんだ暗い内に宿を立ってしまっただって。かみなりをほってえて。「丹民1」
ほて
[
hote
]横、傍ら。端。/びゃーたのほてにはたかみがあだけた。
ほてっちょ
[
hotetcho
]→ほて。「奥波見通信」
ほてら
[
hotera
]'ほて'。
ほどええ
[
hodoe:
]手ごろな。/ほどええ松の木に登って「民話」
ほとばす
[
hotobasu
]ほとびらせる。「京食」
ほとびる
[
hotobiru
]ふやける。「我峰」
ほどよわる
[
hodoyowaru
]ホトホト閉口する。/なんぼ年寄仕事だって、こんならんぼうな子の守は~。「井上」
ほねしょうがつ
[
honesyo:gatu
]二十日正月。はったい正月。「網町」
ほねり
[
honeri
]炎。「吉津」¶「ほむら」。
ぼふ
[
bohu
](植)ハマボウフウ。「覚書」
ほめく
[
homeku
]火照る。蒸す。/足がほめーてしゃーにゃー。/よーほめきますなー(暑い日の挨拶ことば)。
ぼりたて
[
boritate
]ぼって'すぐの。もぎたて。/柿はぼりたてを手拭でさっと拭いて皮ぐちかぶるのがいっちゃんうみゃー。
ぼりど
[
borido
]雨漏り。/ぼりどがぼって=「雨漏りがして」と「伊民」の脚注にあるが続いて /天井のぼりどを見て、の一節あり…
ほりゃまあ
[
horyama:
]それはまあ。/ほりゃまあ、そのほーがええけど。
ぼる
[
boru
]1)(果物などを)もぐ。=ぼじる。2)(水が)漏る。/柿をぼって食う。/屋根から雨がぼるよーになった。
ぼろけた
[
boroketa
]ぼろぼろ(襤褸)の。/ぼろけたような着物。「丹昔」
ぼろちょん
[
borochon
]ぼろくそ。/ぼろちょんに云われて悔しかった。
ほろほろだま
[
horohorodama
](植)ユリ科ジャノヒゲ属の草の実。濃い青い球形。竹鉄砲の弾にした。ほろほろでっぽうとゆうた。
ほん
[
hon
]実に。本当に。つい。/本屋ならほんそこ(近く)にある。/ほん具合がええ。/ほんこにゃーだ。
ぼんげ
[
bonge
](植)ミソハギ。盆華。「奥丹後地方史」1974.11.15号井上昭氏による。
ほんこ
[
honnko
]「うそっこ」の対語。本気の勝負、ゲーム。
ぼんせいぼ
[
bonse:bo
]盆歳暮。お中元の事。¶「広辞」には「盆と年末の贈答」と
ぼんせいぼ
[
bonse:bo
]盆歳暮 お中元のこと 土用の頃嫁の親元に塩鯖やそうめんを贈る「絵暮」
ほんださきゃー(に)
[
hondasakya:(ni)
]それだから。/ほんださきゃーにわしがとーからゆうとったのに。
ほんだち
[
hondati
]おもや。母屋。「丹後の山村生活技術」
ほんでも
[
hondemo
]そうだけども。ほいでもとも。
ほんなら
[
hon'nara
]そうなら、と云う様な意。(まっちゃん)。ほーなら、ほなら、ほったら、ほたらなどの変化あり。
ほんにわやー
[
hon'niwaya:
](納得)本当にそうだなー。ほんまやなー。
ほんま
[
honnma
]本当。/ほんまげにゆうとる=本当らしく言っている。/ほんまきゃーな。
ほんや
[
hon'ya
]本家(ほんけ)。跡取り(多くは長男)の家。¶「ほん」にアクセント 本屋は「や」に置いて区別あり
ほー
[
ho:
]そう。/ほーかって。/ほーかえ。
ほーかんぱち
[
ho:kanpati
]びんた。
ほーかんぱち
[
ho:kanpati
](植)
木の名前。現在「カラスザンショウ」かと思っている。樹皮は「エンジュ」に似るが赤身を持った年輪の美しさとは歴然の差あり?
¶以上を否定する。「ホーカ」とは「コーカ」即ち「ネム」のこと、「ぱち」は未解決だが、これであろうと自信持って云う。
ほーけ
[
ho:ke
]阿呆。/ほーけとんな=冗談はやめろ。
ほーける
[
ho:keru
]トウが立つ。主に春の若芽が成長して可食時期を過ぎてしまったことを云うかな? ¶穂化る?/つんばながほーけちゃって食われん。 ¶役に立たないものの冠する言葉にもなっているか → ほーけざさ
ほーける
[
ho:keru
]呆ける、或る事ばかりに熱中する。一種の発作かもしれないその名も急性オタク症候群。/ゲームにほーける。
ほーそ
[
ho:so
](植)コナラ。椎茸のホダ木や薪に利用。古語「ははそ」は「なら・くぬぎ・かしわなどの総称」と「旺古」¶「山に行くなら 良い木をたのめ シデやホウソや バナカセを」の唄が「民謡」に。
ほーばこ
[
ho:bako
](植)オオバコ。「風習」
ほーろー
[
ho:ro:
](副)せっかく。ただでさえ。/ひとがほーろー辛苦してこしゃーたのに、もー、いためただかいや。/ほーろー弱っとるのに、そんなことしちゃるないや(弱ってあっぷあっぷしている金魚鉢を掻き回しなどする子に)。
ま
⇧
まいたか
[
mya:taka
]米たか。米を置くたか。まやたかとは違うと延さん。
まう
[
mau
]回る。/よーまう独楽だ。→もう、ともまい ¶古語辞典の「まふ(舞う)」の(2)に「回転する」とあり、また「舞」関連語としておどりが跳躍運動をする意であるのに対して、平面上を旋回運動する意と{三省堂「全訳読解古語辞典」第三版}
まえ
[
mae
]繭。
まえかぜ
[
maekaze
]前風。秋伊根浦に吹く北よりの風。海がしける。「食風」
まえだ
[
maeda
]家の前にある良い田。「昔話」
まえべら
[
maebera
]階段形の田の次の低い田に寄った側をいう。上の高い田の側はカンダである。「井上」
まおち
[
maoti
]間落。港に避難すること。/秋のいれかぜは急激に押し寄せ激浪のため間落ちできなくなる。「丹町」
まかる
[
makaru
]「広辞」には「まかる」の動詞は無く、「まかり」と名詞形で「膳部をとり下げること、またそのおさがり。」と。今回知った意味は供え物の「おさがり」のこと。このおさがりを頂いて飲むことが「まかる」だと理解しているのだが… /「小僧や、いまもどったど。お供えをまかっといで。」「京昔」「丹民3 和尚さんと小僧」 ¶「なおらい」とどう違うのかまだ分かっていません。
まき
[
maki
]同族(姓)の連帯システム。姓に続けて云う。/大同まき /小牧まき。シンセキマキ、イットウ、イッケ、ハという地区もある ¶「民俗」の地図(昭和25年)によれば与謝郡日ヶ谷・吉津・石川・三河内・桑飼、中郡口大野・周枳に印あり(なぜか奥大野に印なし)。天田郡・加佐郡以南では「かぶ」「かぶち」というと。「町誌」には「上常吉の安味まきは(節分の)豆まきをしないという」と。
まきうち
[
makiuti
]マキの同族。
まくためる
[
makutameru
]巻いて纏める。/余った縄の端はまくためとくだでー。¶これ辰ちゃんから初聞。
まくまく
[
makumaku
]うたた寝して半眠半覚の状態をいう…のかな。
まくらうね
[
makuraune
]枕畝。牛馬耕の便のために設けられる両端の横畝をいう。まくら。「井上」
まくり
[
makuri
](巻いて片付けられる)敷物。
まくれる
[
makureru
]転がる。/山道でまくれて転がった。 /狼はころころっと下へまくれ落ちてしまった「京昔」 ¶他動詞としては「まくらかす」 /その山に子供が負うてあがって、山の上まで、ほで、谷にまくらかしたちゅうですなあ「久昔」
まこ
[
mako
]真子。たまご。/河豚の~食って、腹痛い。「民話」
ましゃくにあわん
[
masyakunniawan
]割りに合わない。
まぜくりめし
[
mazekurimeshi
]混ぜご飯、炊き込みご飯。〔久〕しょーはいめし。
まぜくる
[
mazekuru
]混ぜる、攪拌する、掻き回す。「くる」は連続動作を表す?
またい
[
matya:
]下手。=どんくさい。
またげる
[
matageru
]跨ぐ。
またしちゃー
[
matashitya:
]またしても。さいさい。何度も。¶「また」は繰り返しの「又」、「しちゃー」は共通語で「し(為)ては」で、一旦「為す」ことが止んで又始まり繰り返し為される過去・進行形の動作をいう。
またぞら
[
matazora
]またぞろ。またもや。
またのぞき
[
matanozoki
]丹後にある「日本三景」の一つ「天橋立」を高所に登って我が股の間から見てみんしゃいの作法。Webで「股のぞき」と検索してみましょう。
まち
[
machi
]大宮町以北で「まち」と言えば峰山であった。「むねやま」とか略して「むね」とも。謡に「町よまちよと 峰山の町は帯の巾ほどない町を」と。 /昔、二箇のもんが町へ行くって桑ぎゃあを通ったら「丹民4 桑のきね」
まち
[
mati
]田地。/なぎゃあ、なぎゃあ、長まちがあって…「久昔」/大町=一番大きな田を言う。 ¶戦地帰りの跡継ぎでない親父の持ち田にも「大町」と云う一反前後の田があったのでこれはその家の田の中で一番大きい田を云ったものか。木製の定規から赤丸印のついた紐に変わる頃か7人家族総出(あるいは親戚の手伝いがあったか)で植えたとの擦り切れそうな記憶あり。股から覗くと終わりはまだ遠いと言われた。
まちかね
[
matikane
]丹後地方を中心に行われてきた漬物 初冬の12月ごろそれまで塩漬けにしておいたウリやその他の材料をみじん切りにして袋の中に摘め味噌樽の底へ漬け込んでおく 普通味噌は一年味噌は使わず2-3年の成熟したものを使うので長く漬け込むことになる(「京民」より)。但し家庭で味噌を作った頃の話。 ¶宮崎県には切干大根を使った「まだか漬け」ちゅーのがあるが、これは即席漬けでせいぜい一日待てば食える 丹後は辛抱強いちうか、なんちうか
まっくりまっくり
[
makkurimakkuri
]覚めているのか眠ているのかの状態。↔まくまく。
まつぐんだ
[
matugunda
](植)マツブサ。「あんこの森」
まつけずら
[
matukezura
](植)ヤドリギの仲間。図鑑に寄ればアカマツに寄生するのはマツグミのみらしい。実は緑色から赤く熟す。写真を見てこの実をくちゃくちゃ噛んだらガム状の粘っこいものになったとの記憶あり。松の木の天狗巣病(だと延さん)。
まつな
[
matuna
](植)'すぎな。府北部ではマツに似るとし中北部では杉にみたてる。
まつぶた
[
matubuta
]長方形の木の箱の事で、この箱で主にバラ寿司をつくる(まっちゃん)。 ¶搗いて丸めた餅を並べて保存したりしたなー。今はプラスチックのやつがあって商売のうどんの玉など並べて運ぶのにも使われているし会食の鍋などするときには野菜などの具を入れるのにも使う。木製のやつには裏に何野誰兵衛 何年何月新調など書き込まれていた。よく貸し借りされたもののようだ。「食風」では「餅ぶた」と云っている。「こうじぶた」とも
まつべる
[
matuberu
]なつべる。
まどう
[
madou
]元どおりにする。償う。弁償する。/壊した箱をまどうてくれ。「東海道中膝栗毛」に「元のとほりにまどうてかえしゃ」とあると「折々」(2008.11.12)、マドウよりもマドスを多く使うようになったとも。
まどろくさい
[
madorokusai
]まどろっこしい。/まどろくさいことをせんでも「丹民1」 →まどろしい
まどろしい
[
madorosi:
]まどろっこしい。「伊昔」 ¶「まどろっこしい」など長い単語は「まどろしい」のだ。
まないたあらい
[
manaita'arae:
]俎板洗い。祝言・披露の翌日料理人その他庭働きの人たちをご馳走の残りもので慰労する酒宴。「町誌」 ¶結婚式を家でした頃のことば。これは今でもReuse出来そうなことばだ。いろんな行事の後の反省会や寄り合いでよばれた後の片付けは誰かがしているのだ。¶→「いたあげ」
まなか
[
manaka
]半分。「広辞」に[間中・間半]と当てて「(西日本などで)一間の半分。また畳や筵の半分。」とある。「民族」にも「畳半畳の広さ」と。
まなしに
[
manasini
]間もなく。
まなべ
[
manabe
]間鍋。家人の留守中にこっそり作って食うこと。「伊昔」 ¶「く民」にも「まなべたきおばあさん」(田村地区)の一話あり。
まぶ
[
mabu
]横穴。暗渠。¶間歩。坑道。石見銀山。
まぶりこ
[
maburiko
]米粉の団子に黄粉や小豆餡をまぶって砂糖をつけたりなどして食う「覚書」
まぼそい
[
mabosoi
]まぶしい。 ¶その昔の私事:江戸に居た頃聞いた「まぶい」と云う言葉 「まぶしいほどにべっぴん」という意味だと感じ取れた 「とんずらしよーよ かわいこちゃん」などゆーとったあいつ。
ままちんごと
[
mamachingoto
]ままごと。¶幼い子供の遊びなのだが「まま」は家事の、「ちん」は仏壇のまねごとであろう 子は親を見て真似て育つ 「まま」をみて「ちん」は無し 無宗教になったのか
ままのはしだて
[
mamanohasidate
]天橋立を面白くゆう繋がり言葉。「橋」と「箸」が繋がり「まま」(飯)に繋がる。飯を盛った茶碗に箸を立ててこう云ったものだ。
まめくじら
[
mamekujira
](虫)ナメクジ「長善」
まや
[
maya
]馬屋。牛小屋。¶馬屋から牛小屋に変った歴史があったと思われる。士農工商の時代でも士農の間はあいまい?
まやごえだし
[
mayagoedashi
]フォーク。「甲坂」
まやたか
[
mayataka
]牛舎の上の物置。'たか'。
まゆだま
[
mayudama
]まゆ玉。団子のこと。「広辞」はやや違った解説あり。
まゆわい
[
mayuwai
]眉毛。「おんな」
まるかけ
[
marukake
]まぐわ(馬鍬)と牛とを繋ぐ「く」の字形に曲った棒。「百姓」「甲坂」
まるこ
[
maruko
]近海用の小船。チョロとも。「民俗」
まるこい
[
marukoi
]まるい。/見てみーや。まるこい おっ月さんが出とるどいや。
まるこじ
[
marukoji
]丸い椎の実。(静ちゃん) ¶丸こい椎なのか?
まるこじい
[
marukoji:
]シイ(椎)の一種 奥大野若宮神社の登り道に一株あり、ほかの木から落ちた実は細長いが、これは丸っこい(静ちゃん、昌ーちゃん) ¶図鑑などによれば日本海側にはスダジイ、ツブラジイの2種とか スダジイは細長い、ツブラ君は丸っこいが小さいのだと マルコじいさんは丸っこいがスダ君よりも多くは太い体型
まるっぽ
[
maruppo
]まるまる(全部)。まるごと。
まるぬかし
[
marunukasi
]瓜二つ「弥栄町史」。まんぬかし。欧米では portrait と云うらしい。
まわし
[
mawasi
]ふんどし「丹昔」。
まんがええ
[
mangaee
]ラッキー、グッドタイミング。¶間が良い。/何てまんがえんでしょ。「三吉」に「与久 今年は初春早々から、どうかまんが直ったわへ。」
まんぐるり
[
mangururi
]まわり、周囲。
まんぐるわ
[
manguruwa
]周り中、一周。/丹後はまんぐるわ 海みてぁーなもんだ。
まんじる
[
manjiru
]ずぶぬれ。(ESEさん 温子さん)
まんだ
[
manda
]まだ。まんだまんだも。/まんだせんなんことがよーけあるど。¶名古屋も
まんぬかし
[
man'nukasi
]瓜二つ。/あの子は親にまんぬかしだ。¶まるぬかしが元か。
まんぱち
[
manpati
]平等割。(幸さん)
まんまんなか
[
manmannaka
]どまんなか。
まーやー
[
ma:ya:
](間投詞)おやまあ。/まーやーいためた、せんせーにゆーちゃろ、ゆーちゃろ。
み
⇧
み
[
mi
]潜在的筋肉疲労。みが「はいる」という。/きんのう(昨日)薪割しとったで腕にみがはいって物を持ったら痛てぁーちゃ。(解説文苦労)。
みい
[
mi:
]箕(み)。竹製でちりとり形の農具。
みいわい
[
miiwai
]身祝。正月8日に行われる新年会。伊根には→センバを大根おろしで食う習慣があるとか
みざら
[
mizara
]蒸器の底に敷く割竹を編んでつくったもの。「井上」¶滋賀県あたりでは「すのこ(簀子)」のことを言うとか、ほれ、学校の玄関で靴を脱ぐ所にある板など
みしお
[
misio
]対馬海流。「覚書」
みして
[
misite
]見せて。/たのむで見してーな。 /そんに云うなら見しちゃろーか。「おみゃーには見しちゃらん」などと云われたら「へん、そんなもん見して欲しにゃーわ」と負け惜しみを言う。
みしゃくれる
[
misyakurereu
](糸などが)もつれる。「海辺」
みしょーか
[
misyo:ka
]見せようか。「みしたろか。」というのが普通。そこまで言うなら動かぬ証拠を見せてあげましょうとの自信のある言葉。
みずのみ
[
mizunomi
]水の実 ナス・キュウリなどを薄く切ったもの 盆の墓参りの供え物 「絵暮」
みずぼうそ
[
mizubo:so
](植)ミズナラ。「あんこの森」→「ほうそ」
みずや
[
mizuya
]食器・茶器などを入れる戸棚。
みそ
[
miso
](虫)アメンボ 善王寺の方言「長善」 →あめ
みぞこ
[
mizoko
]溝。
みそさんじょ
[
misosanjo
](鳥)みそさざい。みそさんじゃー。「広辞」に「みそさんざい、みぞさんざい」とも。
みそたれ
[
misotare
]霙(みぞれ)。
みだける
[
midakeru
]乱れる。¶「髪をざんばらみだけにして」などの表現あり「丹民」¶「浪花聞書」に「みだける 髪などのみだれるを髪か――といふ」と。
みちぎり
[
mitigiri
]"道切り。忌明けの前後に口寄せに行き死者を呼んでもらって気持ちを聞くということが昔あったと「網町」 ¶「熊野群の郷ほか23箇所あり女の人でした」と「覚書」"
みちぶち
[
mitibuti
]みちばた(道端)。道のはし。道のへり(縁)。「金国」「GJ」にも無し。¶「はた」は「側」と当てて「かたわら、そば、わき」と「金国」。
みっともない
[
mittonya:
](見られたら)恥ずかしい。¶見とう無い、見たくも無い。/みっともにゃー格好で出歩くな。
みてみー(や)
[
mitemi:(ya)
]見てみろ。/みてみー、わしがゆーとったとおりだ。
みなこっと
[
minakotto
]根こそぎ。「海辺」 /みなこうっと糊なめてしまって「伊民2」
みのぐさ
[
minogusa
](植)カンスゲ。「あんこの森」 ¶内山尾根を越えた浅谷(宮津側)に多い 陰干しして水に漬けたあと蓑を編む。 (浩ちゃん)はミノクサと濁らずにいうた。
みば
[
miba
]見た目。見た感じ。/みばがわりー。「金国」にあり。
みみぞ
[
mimizo
]みみず。針のめど。みみ。みず。針の糸を通す孔。
みみふさぎ
[
mimihusagi
]耳塞ぎ。同齢者が死んだ際、災いが身に及ぶことを恐れ、鍋の釜や草履・餅・団子などで耳を塞ぐまじない。耳塞ぎ餅や耳団子はその餅や団子と「広辞」¶奥大野の同年組では父母の葬儀の後でもする 同年の喪主に断って酒を手配して、仕上の折料理で飲んだりなど
みゃー
[
mya:
](助動・特殊型)まい。否定の推量・意志をあらわす。「・・かんとこー」と置き換え可能。/行かみゃー()。言わみゃー()。
みゃーごえ
[
mya:goe
]牛の糞尿。みょーごえ。¶馬屋肥か?
みょうせん
[
myousen
]へさき(舳先)。みよし。
みらんと
[
miranto
]見ずに。「見んと」が正調だがたまに聞く変種。「みらんでも=見なくても」なども。/よー見らんと買ーたがろくなもんだなかった。
みんごと
[
mingoto
]漸く。やっと。/やれやれみんごとすんだ。
みんなながら
[
min'nanagara
]皆とも。/みんなながら飛んでにげてしまってな「く民」
む
⇧
むかぜ
[
mukaze
]ムカデ。
むかつく
[
mukatsuku
]腹が立つ「弥栄町史」 ¶流行りことばは方言からの一例か。
むかわり
[
mukawari
]一周年。「広辞」に「一ヵ年または一ヶ月がめぐって来ること。」とあり。
むぎね
[
mugine
]麦の畝?(延さん)
むくてぁーもねぁー
[
mukutae:monyae:
]余りにも。「海辺」
むくる
[
mukuru
]むく(剥く)。/エンドウの莢をむくるのてつだってーな エンドウ飯するで。
むくろ
[
mukuro
]モグラ。府下にモグラモチ、オンゴロモチ、オンゴロ、ウンゴロ、モクロなどと「京こ」。
むけ
[
muke
]剥けた***。'むけじゃら'とも。
むけじゃら
[
mukejara
]むけ'。
むこうべら
[
muko:bera
]向かい側、向こうの方。/むこーべらにもよーけあるど。
むこてんぎゃー
[
mukotenngya:
]婿天蓋。葬列の役どころをいうことば。天蓋を持つのはその家の婿さんや、嫁ぎ先の娘婿など、とりやーず婿と名の付く者ときまっている。ほいでもなゃーときは、…わかりません。
むさんこに
[
musankoni
]無理やりに。「海辺」
むしくりゃー
[
mushikurya:
]むしくらい。虫食い(の実)。
むしこ
[
musiko
]リョウブの若芽。ちょん髷時代の昔飢饉の年に利用するためこの若芽を蒸して乾燥保存すべしの御触書があったと文献。ゆえに令法と当てる。昭和の大戦中や戦後の貧しい時代にも飯に足して「むしこめし」とて食ったと。町の人たちまでが山に入って採ったと「井上」。
むしこめし
[
musikomesi
]ムシコを混ぜて焚いた飯。”以前は農家の常の食物であった。丹後でも60歳以上の人は経験してるか 「うまにゃー」もんだと。
むしりつく
[
musirituku
]解説文保留。/「コノシロがむしりついて獲れるすけえ」「久昔」
むなぎゃあちゅう
[
munagya:tyu:
]胃に湧く回虫、箸ほどの太さで10cmほどで赤く数多くわく ミョウガ・山椒の皮など煎じて下す(浩ちゃん)
むね
[
mune
]峰山。「まち」とも。
むらいご
[
muraigo
]もらいご。養子。
むらう
[
murau
]貰う。
め
⇧
めぁーくむし
[
mea:kumusi
](虫)ミズスマシ。「めぁーくこん」とも「長善」
めいめいごろ
[
me:me:goro
]めいめいに、てんでに。/家来どもはめいめいごろ狐を追いまわしてあるくだし「京昔」
めうし
[
meusi
]虹「三重」
めえあげる
[
me:ageru
]芽を出す。/芽(めえ)あげたそうな「伊昔」
めえきる
[
me:kiru
](蒔いた種が)芽を出す。¶出芽・萌芽・発芽の全てについて言うのか未詳。
めえもん
[
me'emon
]眼に異物が入った時に「めえもんが入った」という。長い間「めえもん」というものが目に入る事かと思って来たが「目」へ「物」が入ったことをそのままだと知った。「蛍の光」「君が代」なども意味を知らずに歌っていたと。「かーたーみに思ーう、ちーよーろーずーーの」の「かたみ」とは「互いに」という意味だと「金国」で知る。分かれていく君の「片身と思う思い出」とかなんとかと理解していたのでした。(恥;;)
めぐ
[
megu
](他)割る・壊す。(自)めげる/茶碗がめげた。
めくされ
[
mekusare
]目が見えていないことを悪く言うときの言葉。強調の「ど」が接頭することもよくある。「どこ見とっただいや、このどめくされが!」
めげもんや
[
megemonya
]茶碗屋 →めげる
めげる
[
megeru
](茶碗などが)割れる、こわれる。(他)めぐ。
めたご
[
metago
](魚)メダカ。
めだにゃー
[
medanya:
](目では無い)問題にしない、気に掛けない。「屁」でもないという言い方もあり、「屁とも思わん」など言う。
めっそう
[
messo:
]目分量。目測。/めっそーでえかろう。(延さん)意味は岡山下津井の方言集から。http://homepage3.nifty.com/sophia-kojima/hougen/goishu/goi22.html ¶名古屋では「めっそ」
めったに
[
mettani
]かんたんに。/「わりゃ、権助か、われにゃあ、めったに化かされんわいや。」「丹民」 ¶「金国」にあるがこの意味で使われたのを聞いたことがない。
めったんにゃー
[
mettan'nya:
]珍しい(く)。¶滅多に無い。/近頃めったんにゃーええ天気だったで山歩きしてきた。
めのま
[
menoma
]目の間。あっという間。 /「二‐四個は目の間に喉に入り」「吉津」
めばちする
[
mabatisuru
]まばたきする。「海辺」¶「めばちこ」とも。
めぼ
[
mebo
]麦粒腫。目疣。瞼のものもらい。めーぼ。府下にめいぼ、大阪はめばちこと「京こ」。 ¶名古屋でも云い、「めんぼ」とも
めんた
[
menta
]メス(雌)。めん。[対]おんた。「三吉」に「切ったはめいたの孕み犬。」とある。
めんたま
[
mentama
]目の玉。
めんどくさい
[
mendokusya:
]面倒な。面倒だ。/あーめんどくしゃー。
めんめ
[
men’me:
]幼児をしかる言葉。「しらた駄目・危ない」。めんめー。¶眼をむいた怒り顔で云う。
めんめんかじ
[
menmenkaji
](植)シュンラン。「養老-野遊び」 「茎を食べます」と「ひとくい」
めんめんころころに
[
menmenkorokoro
]面々に。「海辺」
も
⇧
もう
[
mou
]回転する。/がっしゃー馬力でもーとるわやー。¶これが「モーター」の語源だったりして。
もうじき
[
moujiki
]もうすぐ。/もーじき、春ですねー。
もうちったらしい
[
mo:chittarasi:
]も少しましな。/もーちったらしーあて(肴)がにゃーんかいな。
もうちょい
[
mouchoi
]もうちょっと。/もーちょい、負けてくれーな。/もーちょいで勝てとっただけんなー。
もえくし
[
moekusi
]燃えている薪。燃えさし。
もぐさ
[
mogusa
](魚)ばちの幼魚。「民俗」 ¶「海辺」に「ばち カナガシラ」とある。
もくろ
[
kokuro
]モグラ。むくろ。「奥波見通信」
もち
[
moti
](植)ヤドリギ。「あんこの森」
もちばなぎ
[
mochibanagi
](植)クロモジ。丹後ではこの木の枝を糯花(もちばな)に使う。柳を使うところもあるとか。 ¶年末に餅を突いてこの木の枝に算盤球ほどの大きさで絡ませる
もちもさげもならん
[
mochimosazemonaran
]持つのも提げるのもままならぬ。どうしようもない。=いにもこさげもならん。¶「にっちもさっちも」の地方版。 /もちも下げもならん道楽息子「丹民」
もっかい
[
mokkya:
]もう一回。'もっぺん'。/もっかいやろーや。
もって
[
motte
](動詞連用形について)ながら。/食いもって歩くないや、みっともにゃー。/唄をうたいもって家に帰りつき(「く民」) /餅をつきもって考えただって「宮昔」
もっぺん
[
moppen
]もう一遍。/よー聞こえなんだで もっぺん ゆうてくれーな。¶名古屋では「まっぺん」と久美浜風
もてる
[
moteru
](漁ことば)魚網を揚げ得たこと=収穫があったこと(?) /「網漁業の漁船は毎朝4時くらいに出発し、7時くらいに網を引き揚げて戻ってきます。「今日はもてませんでした」 朝7時に防災無線が入ります。 これは、住民の方たちにその日の漁獲をお知らせするものなんです。 「もてませんでした」 というのは、出港したけど、潮が速くて引き揚げられなかったという意味だそう。 潮の流れというのは、表面上立ってる波とは関係なくて、いくら悪天候のように見えても取れたり、逆に、天気も良くて、波も穏やかな日にもてなかったりする」 引用はアグロエコロジーさんからhttp://agro-ecology.blogspot.jp/search/label/丹後暮らし
もと
[
moto
]川魚。ネットで調べて「モロコ」の一種かと自信なく書込み。誰かおせーてくれーな。(まっちゃんの指摘による)
もとがや
[
motogaya
]以前に葺いてあった笹材。「丹後の山村生活技術」
もどく
[
modoku
]ほど(解)く。自動詞は「もどける」。
もとのもすけ
[
motonomosuke
]元の木阿弥。(康さん)
もの
[
mono
]できもの、吹き出物。
ものくい
[
monokui
]食物の好き嫌い。
ものごいー
[
monogoi:
]味が濃い。(映像など)どぎつい、えっちな。
ものもち
[
monomoti
]「たばり」。「金国」には金持ちと解説あり。丹後では何でも「とっとく」(取って置く=捨てずに仕舞って置く)ことを意味する。(まっちゃん)
もま
[
moma
]海藻。「たいざ」にはモマともモバともあって「あらめを拾い集めて保存食として御飯に混ぜ、もば(ほんだわら)を拾い集め食事にしたり肥料にしたり」と あるいは「火薬に使用するホンダワラの供出割当 乾燥した物を完全燃焼しないように焼く」とも。
もむない
[
momunai
]味が悪い。 /上(=上方)の拵え方は又あないなもみないもんじゃない「風呂」 ¶註に 「物類呼称」には「大和及摂州河泉又は九州のうちにてもみないといひ、又もむないといふ」ともあり。「大阪詞大全」には「もむないとは よふないといふこと」と。
ももける
[
momokeru
]服装の生地が毛玉などが出来て見苦しくなること。
ももたぶら
[
momotabura
]太股「三重」
もやあ
[
moae:
]府知事許可証には「モヤ曳網漁業」▼/春~(八十八夜頃まで百日間)、秋~(いのこ後からだで一月あるなし)、沖~、灘~(鯛引き)「覚書」 ¶詳しい人教えて!
もやい
[
moyai
]各自が自腹の宴会。仲間同士で一緒に食事をすること。/餅のもやいをしよう言うて「宮昔」
もやこ
[
moyako
]皿を共有して食うこと。皿に盛った料理を複数で突っつくのを「もやこ(に)する」という。「もやい」は鍋などが多いし後片付けのことも考えていると愚考。¶名古屋では「もうや(ー)こ」「もうやいこ」
もやぶね
[
moyabune
]もや船。底引き船。間人に「もやせんべい」が出来たらしい(2008.3の新聞記事)。
もろ
[
moro
](植)ヒノキ科ネズ。くすべて蚊遣りにつかった。この木の枯れ残った芯材を山歩きして持ち帰って手入れをすると時に素晴らしい床の間飾りなどになる。「かくすべ」にも使う。
もん
[
mon
]物、者。[参照]ん。/そんな(も)んいらんちゃ。/あのもん=あいつ。
もんすげー
[
monsuge:
]ものすごい。=ごっつい、がっしゃー。
もんだで
[
mondade
]ものだから。/そんだもんだで=それだものだから。¶名古屋も
もんに
[
mon'ni
]ものだから。/買うちゃりてぁーけど高ゃーもんによー買わんわー。
もんめん
[
monmen
]木綿。
もー
[
mo:
](名)尻を突き出す動作。動詞は「~する」。うんちの後処理が出来ない幼児に対して親がしてやるときに要求する教育的指導の言葉。/「もーにゃーか?」ほならもーせーな 拭いて上げるで」 ¶こうやって私はうんこの後には尻を拭かんなんことを覚え少年になったのです。
もーにゃー
[
mo:nya:
]もう無い。子供のうんちing完了の合図として云うように躾けられた。この後に「もー」して拭いてもらう。
もーはや
[
mo:haya
]もはや。/もーはや汽車が出ちゃったかも知れんど。
もーり
[
mo:ri
]子守。一般的に世話、ケア(care)。「金国」には「もり」であり。/植えたわえーが花のもーりがなかなかだ。
や
⇧
やあと
[
ya:to
]たくさん。「野町」
やうち
[
yauti
]身内。仲間。
やきめし
[
yakimwsi
](食)握り飯を火で炙ったもので、世屋では四月の氏神祭りの日に作った「民俗」
やぐさい
[
yagusai
]焦げ臭い。
やくっさん
[
yakussan
]薬師さま。薬師神社。
やくばしら
[
yakubasira
]大黒柱。「丹後の山村生活技術」
やくぶそく
[
yakubusoku
]集落の共同作業に参加出来いなことを言う。その代償に提供する酒肴などにも云うようだ。出不足。/「役不足したで持って来た」と缶ビールの差入れ(浩ちゃん)。
やしきまわり
[
yasikimawari
]青大将(蛇)。天井を走り回るネズミを餌とするので屋敷守というべきか。
やしないころす
[
yasinaikorosu
]養い殺す。死ぬまで養い終えること /一代養いころしなったいう話です「く民」
やすんば
[
yasunba
]休み場。「風習」。
やたら
[
yatara
]青しその葉のふりかけを、丹後では「やたら」と呼びますと「丹後保健所だより」第26号(09.8.21発行)レシピ:青しその葉を塩でよくもんでアクを出し固く絞る 塩吹き昆布と煎りゴマを混ぜて細かく刻む。
やたらづけ
[
yatara-duke
]ヤタラ漬けはたいへん便利な当座用の漬物。材料には主としてキュウリ・ナス・ウリ・ナンキン・シソなどが使われるが別にこれと云って決まっている訳でもなく野菜なら何でもええ 生ものが無いときには塩漬けして置いたものを塩出ししてから使う。材料を細く切り、塩と砂糖を少し使って味付けして瓶や壷に入れて漬け込む 煎りゴマを振り掛けると風味が増す。(「京漬」の峰山町鱒留の例)。ネットでしらべたら各地にも同名の漬物があるようです。
やつがしら
[
yatsugashira
]大きな毒毛虫。毒毛が刺さる。柿の木に多い。これも含めて「こーじゅー」と呼ぶ。
やつがしら
[
yatugasira
](虫)イラムシ「長善」 ¶「いらむし」は共通語では「イラガ」 →すずめのまくら、すずめのす
やつす
[
yatsusu
]化粧する。/お紅も塗って、きれえに顔をやつして行かはった「京昔」
やっちゃる
[
yaccharu
]やつけてやる。(関西)いてこましたる。/文句ゆう奴がおったらわしがやっちゃるさきゃー しんぴゃー要らん。
やっと
[
yatto
]〔久〕かえって。/~妹の方が大きい。
やっとこさ
[
yattokosa
]ようやっと。ようよう。=:みんごと。/やっとこさ 汽車に間に合った。
やっとこせ
[
yattokose
]どうにか、よーやく。/やっとこせで間に合った。
やてーど
[
yate:do
]日傭人。「~して稲刈した」といえば、人を雇って稲刈したの意「井上」
やにまに
[
yanimani
]矢庭に。たちまち、すぐに。/ええ思案も出んだげなし、やにまにそんなことは。「昔話」
やのまに
[
yanomani
]瞬く間に/ほいたら、矢の間にその男が大きな蛇になって 「宮昔」
やまがお
[
yamagao
](川魚)ヤマメ(敏明他)¶山ヶ魚
やまかがし
[
yamakagasi
]「広辞」にあり。毒蛇。
やまこかし
[
yamakokasi
]山こかし。山から転がして落とすこと。「伊昔」 ¶姥捨ての行為。
やまごんぼ
[
yamagonbo
](植)オオヤマボクチ。ヨモギのように餅に入れると(同級生のさなえちゃん)。
やましろほとけ
[
yamasirohotoke
](植)ツリガネニンジン。「覚書」
やまど
[
yamado
]山仕事。木材を燃料としていた時代の言葉。炊飯・風呂焚きなどは木材を燃やして行い、出来た炭をコンロに入れてお茶を沸かしたり魚・餅などを焼く、冬は火鉢や炬燵に入れて暖房と無駄なく利用していた。
やまむしこ
[
yamamusiko
]→むしこ。 ¶「野町」に「葉をこいて(扱く)、ゆでて、はやいて(刻む)」炊き込むとあり。「牛の腹通し」にも効くとて牛にも食わせたと。
やまめ
[
yamame
]山目。海上で二方位以上の山を合わせて(’かける’、’山かけ’という)自分の位置を知る工夫。「魚は山を見て釣れ」=魚のいる場所は山目を合わせて覚えておけ。「海辺」
やまらっきょう
[
yamarakkyo:
](植)ノビル。「毎日新聞」の京都ページだったか
やめ
[
yame
]糸を3本縒って柿渋に4-5日漬け乾かして強化した糸 イカ釣りなどに使用 その使い古したもので凧の糸にも。「風習」
やめく
[
yameku
]わめく・叱る。
やもひもたまらん
[
yamohimotamaran
]矢も火も堪らん。矢も盾もたまらん。/これはきっと、お母さんの身の上になんぞ変ったことがあるに違い無ゃあと思って、矢も火もたまらん「伊昔」。
やらこい
[
yarakoi
]軟らかい。やらきゃーが正調だがやらこいも良く聞く。/そこらじの土はやらきゃーでふんごむかもしれんで、気ーつけて渡れよ。
やらしい
[
yarasii
]いやらしい。Hな。
やり
[
yari
]船首。へさき(舳先)。対語の「とも(船尾)」は辞書にあるがこれは載っていない。
やりたんぼう
[
yaritanbo:
]やりたい放題。/採ったもなぁそれこそやりたんぼうで、食ったりほかあたり(⇒ほかす)する。「伊民」
やりづけ
[
yariduke
]舟で船尾から陸に着ける接岸作法。宮津・伊根のやり方だと「丹伝」。
やろこい
[
yarokoi
]⇒やらこい。
やわか
[
yawaka
]まさか。/なんだかおかしい具合がするけど、やわかそんなことがあろうと思やへんだしして、へて、家ぃもどって、ほいて、開けてみたら、内のごっつぉうはのうなっとるだし、牛の糞がひゃっとった。「丹昔」
やんちゃくれ
[
yanchakure
]やんちゃ坊主。¶飲んだくれの「くれ」。
ゆ
⇧
ゆう
[
yu:
]言う。/なにゆーとるだいや。
ゆうて
[
yu:te
]タオル。湯手拭。死語か今はタオルと言う。
ゆきすかし
[
yukisukasi
]雪空かし。高年者は’すかし’ 若年者は ’かき’という。「広辞」には「ゆきかき」のみあり。北陸辺りでも「ゆきかき」と言うようだ。「すく」を「金国」で見れば[鋤く]とあり「(鋤きで)土地を掘り起こす。」とある。 ¶「空く」「空かす」とばかり思っていたけど「鋤き」かも。
ゆすくる
[
yusukuru
]揺する。「丹昔」 /もう力いっぱい木をゆすくって。「丹昔」
ゆすれる
[
yusureru
]揺れる。/地震で箪笥がゆすれて怖かった。
ゆど
[
yudo
]井戸。深い釣瓶井戸のことを云う。「伊昔」
ゆのみだこ
[
yunomidako
]指にタコが出来るほどお茶を飲みながらあれこれの書類を作成するだけの(会社・役場など内勤の)職員。その書類の計画に従って(雇われた肉体)作業員が皮肉を含んで言う言葉らしい。(勝ちゃん)
ゆりい
[
yuri:
]緩い。/あー、このズボンちょっとゆりーわや。
ゆりい
[
yurii
]いろり(囲炉裏)。「吉津」
ゆるご
[
yurugo
]籾摺り作業のときにできる屑米。以前は餅の材料にしたが、今は鶏の飼料にする家が多い。「井上」 ¶昔は半手作業で入念に選り分けたが、今は機械がして吐き出す仕組みだで、人の目と違って(途中)
ゆるごもち
[
yurugomochi
]→「ゆるご」を使った餅。¶よたら餅とも言うと(Web:鱒留の中村さん)
ゆるだ
[
yuruda
] 箸にする木(波路)ヤマウルシ?
ゆるっとする
[
yuruttosuru
]ゆっくりくつろぐ。/気になって、ゆるっとでけなんだ。
ゆーれん
[
yu:ren
]幽霊。落語では「ゆうてき・ゆーちゃん」などと言う「へっつい幽霊」
よ
⇧
よいたわけ
[
yoitawake
]酔い戯け。よっぱらい。(浩ちゃん)
よいたんぼ
[
yoitanbo
]酔っ払っている状態またその人。(浩ちゃん) ¶「たんぼ」ことばは他に「ずくたんぼ」「やりたんぼ」などあり。 ¶「浪花聞書」には「よたんぼ なまゑひによつぱらいといふに同し」と。
よう
[
yo:
](動詞に先行して)動作の可否をいう。/この本は難して、わしゃー、よー読まんわ。おみゃーはまー、よー読めるだーや、てやーしたもんだ。 ¶元は「よく(良く well)のことばか。
よう
[
yo:
]よく、しっかり(と)。/よー見とれよ。/よー聞いとけよ。
よう
[
yo:
]よく、しばしば。/あの川でよー魚釣りしたなー(餌はミミズか蜘蛛)。
ようかんながし
[
youkan-nagasi
]バット。流し箱。(延さん)
ようけ
[
yo:ke
]たくさん。=ぎょうさん、じょーに。/こんな(に)よーけ貰って ほんまにすんませんなー。/よーけゆーだにゃー。 ¶名古屋でも
ようやっと
[
yo:yatto
]ようやく、やっと。/忙して出来けなんだがよーやっと暇が出来てなんとかなりました。
よがなよじゅー
[
yonagayoju:
]夜がな夜中。終夜。よどおし。よもすがら。よっぴて。一晩中。/もう大根を夜がな夜中に食ってしまって、そして、こんだ菜ぁ食っとった言います。「丹昔」
よきのかぶ
[
yokinokabu
](魚)アユカケ(鰍)。府天然記念物。「うかわ」 ¶学名 cottus kazikaは、カサゴ目カジカ科に属する日本固有種の魚、カマキリとも、「降河回遊」する中型カジカ類の一種 名前の由来は、鰓蓋にある棘に餌となる魚(アユ)を掛けるとの伝承による Note:ハコフグのことを北丹後でよきのかぶ、与謝ではからとふぐ、というらしい。
よけーと
[
yoke:to
]余計に。/言い出ぁーたらよけーと腹がたつで なんにも云わんとるだーぁ。
よごみ
[
yogomi
]ヨモギ。
よさり
[
yosari
]夜。/夜さりもなにも、寝んと歩いて歩いて「伊昔」
よしか
[
yosika
]よりも。
よしれえなこと
[
yosire:nakoto
]余計な事。
よすぎ
[
yosugi
]夜濯ぎ。(忙しくて)洗濯物を夜になってすること「京食」
よせる
[
yoseru
](遊びなどの)仲間に入れる。「足す・加える」という意味。/わたしもよせてーな。/よせちゃるで。
よそう
[
yosou
](飯などを)盛る。単語としては「そう」が高音になるが以下の例では平になる。/ご飯よそいましょうかぁ。
よだち
[
yodati
]夕立。雷。
よたらもち
[
yotaramochi
]→ゆるごもち
よっぽど
[
yoppodo
]"はるかに、ずっと。(muchmore)/そのほーがよっぽどええ。"
よっぽど
[
yoppodo
]よほど(if I couldなど仮定法的=(そんな事はせなんだけど、そーしたい気持ちだった))。/よっぽどどついたろーかと思ったっちゃ。
よなぜ
[
yonaze
]1)夏の夜、松明を照して、海岸の岩礁をあさり、サザエやニシなどの貝類を拾うこと。以前はよく行われたが、今は行われない。「井上」
よばいぐさ
[
yobaigusa
](植)田の雑草。
和名未詳
。畦に生える草だが伸び出して田の中に入ってくるので厄介な草。朝間見ぃ行ったら伸びとるので「夜這い」と(延さん) ¶和名をチゴザサと同定(2009.6.29)。多くの地方でキシュウスズメノヒエを夜這い草というらしいがどうしてもその花(穂)の形・時期が違う。アゼガヤかアシカキだろうと思えたがやはり穂が違う、更に検索。岡山理大「波田研」のHPでみつけました(Orz)。多分これらの侵入草を区別なく言うのだろう。
よばれ
[
yobare
]→「よばれる」の名詞形。/よその家のよばれがあると「宮昔」
よばれ
[
yobare
]寝小便、夜ばり /今の若い衆は伊達こく屁こく 晩にゃよばれこく 朝寝こく
よばれだち
[
yobaredati
]→「よばれ」をして、さて、帰る時に云うことば。¶来賓の「よばれだち」は当たり前だが、相伴組は後片付けなどせんなん、ほいでも事情があって早く帰らんなん時にはこの言葉を使うべし。/よばれ立ちして、悪りーですけど、…など。
よばれる
[
yobareru
]馳走になる。もてなしを受ける。/よばれー来ました。/ほな、よばれます~。/おーきに、よーけよばれました。 ¶名詞「よばれ」、「よばれだち」などあり。 ¶名古屋でも ¶招ばれると当てる ¶元は会食に来てくれの「呼ぶ」と思っとる:呼ばれて、酒食にあずかる→(酒)食のこと
よま
[
yoma
](眉唾)トンボの一種?。よまトンボ。「よま釣り」の言葉あり。「風習」 ¶自信なし。
よめかぜ
[
yomekaze
](植)シュンラン。(延さん)¶ 大事な嫁が風を引いてマスクしたように見えるのか。¶「長善」にあり「ほくろ」とだけ ほくろを辞書で調べて「シュンラン」の別称と知ったこってした
よめさんむし
[
yomesanmushi
]カメムシ。=ひめむし。¶「長善」には「かいどう」「おひめさん」「よめさん」と並べてカメムシと
よめはつか
[
yomehatuka
]嫁二十日。 婿の母親は輿入れ20日ほどは様子を見ていて漸次家風を教え込むのだと 「丹町」
よもの
[
yomono
]夜物。夜出てくるもの、狐狸。「宮昔」 ¶昔は狐狸が人を化かすことがよーあったらしい、「えーにょぼ」なら逢ーて見てやー気もするが、気が付いたら野壷の中だったらいらんなー
よよし
[
yoyosi
](魚)海魚。薄っぺらい魚でとげがある。煮て食う魚。’いたいた’ともいうとか。 「海辺」によれば和名はイボダイと。
より
[
yori
]しか。/燕は虫けらより食べられんだそうな /鴎は死んだ物より食べられんだし「伊昔」
よろ
[
yoro
]川岸の水中にえぐられた穴。鰻・鯰・デベクロなど多くの魚の隠れ処。ここに両手を入れて住人?を掴み獲りするのを「よろ掴み」という。¶我生地の五箇の方では「どてつかみ」とゆーた。
よわる
[
yowaru
]困る。困惑の対象が出来てしまった。/よわったことしてくれたなあ。/よわったなー 明日は仕事だで行かれんわやー。 ¶他に「魚がよわる」などのことにも「釣った魚が狭いバケツの中で弱ってしまった」など。
よんのした
[
yon'nosita
]縁の下。
よんのー
[
yon'no:
]しまいには。とうとう。¶余に無くか?/あれだけ言うとったのによんのー失敗した/よんのーわやだ。「よんのと」となることもあり。/よんのとめくらになってしまって困る。
よんのー
[
yon'no:
]すっかり、全く。/まだよんのー治っとらへんでちょっと痛い。
よんべ
[
yonbe
]昨夜。¶ゆうべ。/よんべのしょんべん。
よーかんべー
[
yo:kanbe:
](魚)カワハギの一種。四角い形らしい(延さん)
ら
⇧
らじ
[
raji
]辺、辺り。「こそあど」に付く。/たしか、ここらじにあったけんなー。漢字を当てれば「等地」か。
られんぼ
[
rarenbo
]乱れ、散らかす。しっちゃかめっちゃか。=なったがよう。 ¶「ようしなった」に謙遜して答えて「いやーられんぼですわ」などと答える場面を見た。「海辺」には「1)無茶な行動 2)部屋など整頓が悪い状態」とあり。 /「酒飲んで~した」など。
らー
[
la:
]など、なんか。=ども。「等・達」の複数の意味のときもあるが、私なんかという単数形でも。 /私らーよー行かんわー。
り
⇧
りこもん
[
rikomon
]利口者。「もの(物・者)」が「もん」になる例は「馬鹿もん」「曲もん」「食わせもん」「ろくなもん」「与太もん」「腫れもん」…
りんぽ
[
rinpo
]りんぼ。木の末。「周枳郷土史」/一番りんぽまで猿が上がったら「丹昔」¶苗木の先端を添木に縛って天に伸ばすのを「りんを立てる」という。
る
⇧
れ
⇧
れいし
[
reisi
]"(植)和名ツルレイシ。別名ニガウリ。沖縄で云う"ゴーヤー"のこと。「あんなもん黄色なってから食うもんだ思っとった、赤い種も甘味があった」と延さん。"
ろ
⇧
ろう
[
ro:
]なぜか「金国」になし、「広辞」に推量・想像の助動詞とて文語の「らむ」と。/もーじき、来るだろうで。/そんなこっとん、知っとろーで。/がしゃーことしちゃったでもー死んどろーと思っとったけど 家に帰って見てみたら生きとった(魚のこと)。
ろうじ
[
ro:ji
]庭。裏門。¶露地。¶「浪花聞書」に「露地(ロウヂ) ろぢ也」。
ろくじゅうくずし
[
rokuju:kuzusi
]姨捨のこと。/もう働けんようになって、へで、息子の背中に負われて、そして山へ行ってくずされる →くずす ¶老いた親を山に運んで捨てる物語は子供の頃聞かされたが、その後親はどーしたのか…実は山の崖からくずし(ころぎゃーて)殺さんなんだった(未完)
ろくだい
[
rokudai
]奥丹後ではカマドはダイドコロの床面から一段低く土間に張り出した板間の端に設け、板間とかまどを合わせてロクダイという。「民俗」
ろくなもん
[
rokunamon
]「金国」に「ろくな(碌な)」「ろくでもない」などあり。碌は否定語を従えると。/ろくなもんだにゃー(者)。/ろくなもんなかった(物)。
わ
⇧
わ
[
wa
]自分(達)(me)でもあり、おまえ(you)でもある。/ひとがするならわ(me)もせにゃーならんなー。/ひとらーがするならわ(you)もせんならみゃーが。 /ほいでわは土食わんならん(これは燕のこと)/もどったとこが、わの知ったもん一人もないだって(浦島)。「宮昔」
わかえぬし
[
waka'enusi
]若家主。嫁をもらった跡取り息子。「野町」
わがと(に)
[
wagato(ni)
]わざと(に)。
わがもん
[
wagamon
]おてのもの、得意。/狼は~だ、山を走るようなことは「久昔」
わくよ
[
wakuyo
](魚)鰤の幼魚。「民俗」 ¶「海辺」に「わっこう ハマチ・ブリの幼魚」とあるのはその変形か。
わけ
[
wake
]食べ残し。/この子はまたわけして、しょーがにゃーもんだ。→ ねこわけ。 ¶食い物だけでのーて、例えば(故障とか乾燥機に入りきらんで)田の一部を刈り残したところや、→ 「かんもどり」など
わけにゃー
[
wakenya:
]たやすい。/そんなことどもわけにゃーこった。/わけものー潜り抜けたもんだ。
わけにゃー
[
wakenya:
]筈がない。/そんな訳にゃーっちゃ。 /そんなわけなかろー。
わけぶち
[
wakebuchi
]山分け、割り取り。/まだみんなずれが分けぶちしとるのに、鶏が鳴かんげだな「宮昔」
わざに
[
wazani
]わざわざ。/まー そんな わざに来とくれんでもついでの時でええのに。
わし
[
wasi
]俺、僕。丹後の男子は「わし」「おみゃー」で友達付き合いが始まった。複数形は「わしらー」。
わしゃー
[
wasya:
]「儂は」の丹後形。俺は。/わしゃー知らん。
わち
[
wachi
]ふち、へり。/火鉢の~。池の~。
わちがり
[
wachigari
]稲田の畦や山裾の草刈。→わち。
わや
[
waya
]駄目になること。使い物にならなくなる。/わやだ。/わやする。「広辞」には(関西方言。「わやく」から)とあり。 ¶名古屋でも
わや
[
waya(:)
]「広辞」にある感動・詠嘆の意を表す助詞「わい」。/それはそれでしょーがにゃーわや。
わやく
[
wayaku
]いたづら。/子供らーがわやくして。わぁーく。/その猫がなああ、大変な、どうも、わゃあーくする猫で、「く民」 ¶「海辺」には「道理に合わないこと」「聞き分けの無い事」と。 ¶「広辞」には「(ワウワクの転)として 1)道理に合わないこと。乱暴なこと。むちゃ。 2)聞き分けの無いこと。いたずらなこと。腕白。」とある。ワウワクには漢字が当ててあるのだが「木偏に王」の字が出てこない ワクは迷惑の「惑」。形容詞的に「な」をつけて/もちもさげもならんわやくな猪で、野を荒らす…「く民」 ¶「毛抜」にも「ソリヤほんのわやくな子がねだる様なもので」とある。¶鴎外「ヰタ・セクスアリス」に「こりい。それう持って~をしちゃあいけんちふのに。」の例あり
わやくちゃ
[
wayakutya
]滅茶苦茶。/見てみー、おみゃーのせーでわやくちゃだ。¶名古屋でも
わらかす
[
warakasu
]笑う+「かす」。笑わせる。/もー笑かすなっちゃ、腹の皮が痛てぁーわや。
わらんじ
[
waranji
]草鞋。「GJ」の「わらじ」の説明部に「わらぐつ->わらうづ->わらんづ->わらんじ と転じて出来たとの前置きあり。¶素直に藁足の転でええちゃうかなー。
わりあいもない
[
wariya:monya:
]随分。(常識的な)割合を超えて。/わりやぁーもにゃー大きなもんだった。out of scale
わりかし
[
warikasi
]→わりかた。
わりかた
[
warikata
]思ったより。わりかしとも。/かさが大きーて重てぁーか思ったのに わりかた軽いわやー。¶「割に合わん」などいう時の「わり」と思う。
わりゃー
[
warya:
](喧嘩言葉単数形)お前は。貴様は。てめー。/わりゃー ふざけとんな!/わりゃー何処のもんだ? ¶「'われ'は」のつづまった言い方。
わりー
[
wari:
]悪い。御免。/わりーわりー遅なって。/わしがわりかった。
われ
[
ware
]我ではなくキサマ、てめーの類。「われは」はわりゃーとなる。「三吉」に「門四 先生初め我々へ、わりや仕返しに…」とある。
われらー
[
warera:
](主に喧嘩言葉・複数形)お前たち。てめーら。「うぇぁらー」が正調か。「海辺」でも苦心の跡あり「ゑぁーらー」とワ行の最後にあり。 ¶「わあらあまあ、何おもしろげにおどとっるだあや」「く民」から、これは喧嘩ではない例。
わんぎり
[
wangiri
]輪切り。「井上」¶携帯など無かった頃のことば。
わんざん
[
wanzan
]あつかましい。/わんざんな連中ばっかりそろっとる。「旺古」にわんざん[和讒]1.(名)(1)=わざん。(2)無理難題。無法な言いがかり。2.(形動ナリ)無理だ。 「わざん」には(名)事実を曲げて他人を悪く言ったりまた罪におとしいれること。=わんざん。「人の~なりけりと思ひてやみぬ」<沙石集>と。
わーめ
[
wa:me
](伊根町新井地区)道切り行事の藁大蛇 →わーわーさん
わーわこ
[
wa:wako
](伊根町峠地区)道切り行事の藁大蛇 →わーわーさん
わーわーさん
[
wa:wa:san
](間人地区)藁の胴体、線香の灰を包んだ目玉、桟俵、鍋輪などで魔除け 無病息災を祈って2月初午の前ころ各村の入り口においた「海辺」 ¶民俗学でいう「道切り」の行事 →わーこわ、わーめ、じゃずな、じゃ
を
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ん
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ん
[
n
](動詞未然形について)ぬ、ない。/せん(しない)。こん(来ない)。いらん(要らない)。しらん(知らない)。
ん
[
n
]の。「あん時きゃ土砂降り…」(春日八郎)また「僕んち」。これって丹後弁に限らないか。しかしこれはどうか/魚の煮たん、腐ったん、焼いたん。これらは例えば腐った物(腐ったもん)の「も」が脱落した形。 /つづらを大きなんと小さなんとだして、どっちなっと好きな方を持っていんどくれいうた「丹民2」
んなん
[
n'nan
](動詞未然形について)ねばならぬ。筈だ。/行かんなん。/せんなん。/もう来んなんのに遅ーなー。/ここに、なけんなんだけどなー。=ここに、有らんなんけどなー。=ここに、有る筈だけどなー。
End of Tango-Japanese Dictionary
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