男を女にする 本庄上の藤原國蔵さん

 ある家のがなあ、子どもさんが大ぜい
あるなああって有るのはあって恵まれとっただけど、
女の子ばっかりで、まあ姉妹きょうだいが四人とも女で、
ほしてしたところが、
「女の子を男にしよう、女の子を男にしよう」
いうて来た。
 こりゃぁ、うちにゃぁ四人よつたりも女の子があるで、
ほんなら姉の方をば男にしてもらおうかてな、頼んだだ。
へえたら、
「娘さんをなあ、ちょっときゃーあてくれえ」
いうて、きゃくまへ入ってな、そのおっさんが。
 一番小さい娘が、ひょこひょこっと行ってな、
間の節穴からのぞいとって、
「お父つぁん、あかせんわいや、あんなことは。
あのおっさん、一生懸命でやっとるけど あかせん。
姉さんにチンポを植えたか思や
欠ぎこぎ(=ぬく)、植えたか思や欠ぎしとる。
なんぼうしたって、あんなもん根が付かせん。
あかせん。とても男の子にはならせん、姉さんは。」
いうた。☒   

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