鶴の求婚  大江町北原の亀井イトさん

 鶴が亀になあ、結婚を申し込んだんじゃげな。
ほいたら、どう言ういうたら、
亀があの承知せんのじゃげな。
「どう、わしの足の細いのが気に入らんのか、
首の長いのが気に入らんのか」
言うて。

「首の長いのも足の細いのも 気に入らんことないけど、
 あの、鶴は千年亀は万年 ということがある。
 お前が千年たったら わしが後家になる。
 それが悲しいでよう承知せん」
言うて亀が言うたげな、いう話じゃ。☒