立派なお道具  河辺の橋 長さん

山家の人が、婿さんもらいなるんで、その婿さんを、
みんなが見にきとりました そしたら、
その婿さんが そうしたら、村の人らあが見とってえ
「うわぁ、こんどの婿さんは、立派な道具をもって
きなはるでえ、とってもとってもあの家へははいれんでえ、
早よいんで知らせたれえな」いうて、その家へ来て
「お家へおいでる婿さんは、ものすごい荷物を持って
来なります戸の口を広しなさい」いわれましたですって
 それで、急いで大工さんをよんで、
戸の口を広うされたですって

そこへ婿さんが来なったで
「ええ道具を持って来なる婿さんなら、しゃっても、
見せてもらわんなん」いうて、みんながよったそうですわ 
そしたら婿さんが、戸の口まで来なったら、その傘を、
スッとすぼめて、入んなったですって
さあ、見た人はよかったそうですけど、
後から来なった人らあが、婿さんはお膳に
着いとんなるのに 「今日の婿さんは、
ええ道具をもって来なはったそうなが、
いっぺん拝ましてほしい」いいなったそうですわ 
そうしたらそこのお姑さんが
「あんにいうて、見たがっとんなるで、
いっぺん見てもらったらどう」
いうことで、婿さんに、
「そのええ道具を、出して見せたってくれ」
いいなったら、へたら、婿さんが、赤い顔して、
お膳をしゃっと横へやり、
立ちなると思ったそうですわ、
みんなの したら、婿さんは
自分の大事な道具を見せなったげな ☒